
【ご相談内容】鬼門や裏鬼門のトイレは体調を崩すってホント?
息子夫婦の家が竣工を迎えて約半年経ちました。外観や内装など、ほぼ希望通りに建てられた自慢の新居だったようですが、新居に引越してから息子が体調を崩すようになり、ちょっと気になっています。外装・内装を重視していて、「家相のことはほぼ気にしていない」と聞いていたので心配になり、書店で家相本を購入し新居の図面を確認してみたところ、トイレが鬼門にあることがわかりました。その本には鬼門にトイレがあると体調が悪くなると書いてあります…。息子の体調と鬼門のトイレは関係があるんでしょうか? |
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鬼門、裏鬼門のトイレは、寒さ暑さに配慮されたし
結論からいえば、起こりうる話ですね。古来より家相では、鬼門や裏鬼門にトイレがあることは「凶」とされてきました。家相の本などを見ても、鬼門や裏鬼門にトイレがあると家人が癌になるとか、事故が起こるとか、まことしやかに書かれています。それらは、科学的な根拠も因果関係もない、単なる迷信や言い伝えなのですが、実際に家づくりとなると、災いが起きるのではないかと心配される方がたくさんみえます。
鬼門や裏鬼門に関しては、そのいわれにも諸説があり、家づくりに臨む方たちは、何が本当で何が嘘なのか、戸惑ってしまうことも多いでしょう。また、今日のように情報過多な社会では、家づくりに本当に必要な情報だけを取り入れることも難しいのです。
しかし、いつもお話をしていますが、家づくりにおいては、「鬼門の北東は寒い場所、裏鬼門の南西は暑い場所」と捉えてほしいのです。災いが起きる場所だとか、怖い場所だとかいう迷信的な考えは、一蹴していただきたいのです。ならば、体調を崩すことなどないではないかと思われるでしょうが、冒頭でも申し上げたように、それは起こりうることなのです。
トイレという場所は、排泄のために衣服を脱ぐ場所であります。そして、冷暖房設備のない狭い空間でもあります。半身裸になり、冷暖房もないのであれば、そこが寒い場所であれば寒さの影響を、暑い場所であれば暑さの影響を、体が受けてしまうことは十分に考えられますね。その寒さ、暑さが、体調を崩す原因となることも、十分起こりうることなのです。
たとえば、鬼門で北風がまともにあたる場所に、外壁面積や窓の面積が大きなトイレがあれば、当然熱の損失は大きく、冬場は冷え込みます。気密性能がそれほど高くない建物の場合は、リビングなどの居室との温度差がより大きくなります。そのようなトイレでは、冬場にお年寄りの方が利用するときなどに、血圧変動が起きやすくなり、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすおそれも高くなります。現実に、お年寄りがトイレで倒れることも少なくありませんから、鬼門のトイレのように寒い環境のトイレは、体調を崩しやすいといえるでしょう。
新築であれば、窓の面積を小さくする工夫や、熱損失の少ない断熱性能の高いサッシを利用すること、風除けのための樹木やフェンスを設けることなども功を奏します。また、居室とトイレとの温度差をなくすために、トイレ内の暖房を設けることも大切ですね。
裏鬼門にトイレがある場合も、西日が強く差すような環境であれば、夏場は暑くて、トイレに入るのも躊躇してしまうでしょう。暑くて息苦しいことも、災いには間違いありません。暑苦しく狭い空間で用をたすことは、寒い場所と同様、体に大きな負担がかかるのです。気密性能が高くなり、ここ最近は住まいの中で熱中症にかかることも多いですね。住まいの風通しは大変重要です。しかし、トイレは利用する間はドアを閉めますし、エアコンなどがある場所でもありません。南西で窓に直射光が差し込むような状況では、それこそ熱地獄です。
新築であれば、南と西からの直射光が長時間当たるような状況ならば、裏鬼門にトイレをつくるのは避けたほうが無難です。どうしてもつくらなければならないようであれば、遮熱ガラスを利用したり、ひさしやテラスなどで直射光をできるかぎり防ぎましょう。敷地に余裕があるようであれば、樹木などで日陰をつくることもよいでしょう。夏場の暑さが厳しいトイレは、短時間いるだけでも辛いですからね。
鬼門や裏鬼門のトイレは、たしかに体調を崩すこともあります。しかし、それは寒さや暑さが、その原因となる可能性があるからです。占い的な迷信や言い伝えをただ怖れるのではなく、鬼門とはどういう場所なのか、トイレをつくる際に配慮することは何かを、まずは考えてみてくださいね。また、トイレは、中で体調を崩しても、発見が遅れることが多い場所でもあります。トイレコールなどの設備は、ぜひ取り入れてほしいですね。
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監修・文/小池康壽 イラスト/すぎうらゆう
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