階段のスペースはもったいない?

08年08月13日
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【ご相談内容】階段のスペースはもったいない?

狭小地で家を建てようと奮闘中です!
土地が狭いため、窮屈にならないようにできるだけ開放感のある間取りにしたいのですが「開放感」のことを考えると、どうしても階段にあてるスペースのことが後回しになってしまいます。
部屋の広さも確保したいので、「階段はコンパクト重視」で考えているのですが、一般的に階段の占有面積はどれくらいなんでしょうか?

【ご相談内容】階段のスペースはもったいない?
階段に無駄な面積はなし。無駄と安全はセットと考えるべし

家相の相談にみえる方たちとお話をしていると、階段のスペースを「もったいない」と思っている方が多いことを実感します。家づくりがスタートし、間取りのプランニングが始まると、たしかに、階段ぐらい面積をとる場所はないと思われるでしょう。階段は、1階と2階のダブルで面積の計算がされますし、上り下りのためのホールや廊下など、階段に付随するスペースを加算したら、少なくとも3坪以上の面積を要してしまいます。1階と2階を行き来するだけの階段には「もったいない」といえばもったいないスペースですね。

この3坪を、階段だけではなく、部屋のスペースにも使いたいと思う気持ちもわからないではありません。相談にみえる方たちの図面を拝見していても、いかに階段の面積をとらないようにするか、努力の跡が見られる図面も多いですからね。階段の角度をきつくして面積を少なくしたり、ホールを狭くしたり、リビングの中に階段をつくったり、みなさん、さまざまな方法で階段スペースの無駄をなくそうとされています。

しかし、階段のスペースは本当に無駄なのでしょうか。階段の面積を広くとることは、もったいないことなのでしょうか。いいえ、そんなことは決してありません。階段のスペースは、迷うことなく広く取っていただきたいのです。なぜなら、階段の面積を惜しむことは、命にかかわることにもなりかねないからです。

この「家相入門」の連載でも、階段について何度か書かせていただきました。お読みになった方は、階段で家庭内事故が多発している現状や、階段の危険性などを分かっていただけたと思います。講演や鑑定の際にも、階段のお話をすると、実際に家族が階段から落ちたとか、知り合いが階段でケガをしたという話をよくお聞きします。

家庭内の事故なので、正確な件数は把握しづらいでしょうが、年間多くの方が、階段から落ちて亡くなられたり、大きなケガをされたりしています。これには、やはり階段の構造や形状などが、起因している場合が多いのです。事故の起きない安全な階段にするためには、階段の角度を緩やかにしたり、ホールも広めに取ることが大切ですから、階段に要する面積はどうしても増えてしまいます。それを「もったいない」と思ってしまうと、家族が安全に暮らせる住まいはつくれません。それこそ、せっかくの家づくりが「もったいない」ものになってしまいますね。

ですから、私はいつも、階段の角度や形状、つくる場所、ホールなどに関しても、細かくアドバイスをさせていただきます。では、安全な階段をつくるためのポイントを、以下にお話ししてまいりましょう。

まず、階段の角度をできる限り緩やかにすることです。40度以下の角度にできればベストですね。私が拝見する図面では、47度前後の角度が多いようです。きついものだと50度前後ですが、「階段スペースの無駄はなくなりますが、安全性もなくなりますよ」とお話をすると、みなさん迷うことなく、階段スペースを広くして、緩やかな階段へと変更されます。

そして、構造にもよりますが、階段の高さは、直線ですと約3メートル近くになります。万が一、階段の上から転落するようなことになれば、3メートルの高さを転げ落ちることになるわけで、その衝撃もかなりのものです。階段の中央部分に踊り場を設けたL型やU型の形状なら、転倒した際に一気に階下まで落ちてしまうことも少なく、転落時の衝撃も少なくなります。階段の形状でいえば、L型やU型が安全性が高いといえるでしょう。

もう一つ大切なことは、階段下のホール部分を広く確保しておくことです。階段から転落したときに、壁や下駄箱、リビングのガラス扉などに強くぶつかり、思いもかけぬケガをしたり、命を落としてしまうケースも少なくはないからです。

こうしてお話をしていくと、階段のスペースはどんどん広がっていってしまいますね。でも、それを無駄とは思わないでください。私はずっと、インターネットや著書、講演会などで、階段はつくり方によっては、家の中の大凶の場所になってしまうことをお伝えしてきました。ですが、まだまだそれは浸透していないのだと感じています。施主の方には、階段が危険な場所であること、安全性が第一であることを認識していただきたい。また、プロの側も、階段という危険な場所を、わざわざまた危険にするようなことは避けなければいけません。

階段のスペースがもったいないか、住まいの安全性を失くすことがもったいないか。家づくりの際には、今一度考えてみてくださいね。

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