ひきこもりにならない家相はありますか?

10年07月28日
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ひきこもりにならない家相はありますか?

友人が新築したのですが、息子さんがひきこもりになってしまいました。真西の部屋なのですが、間取りに問題があるのでは?と思っています。

我が家も新築するに当たり、子ども部屋の位置で悩んでいます。

良質な睡眠が得られる子ども部屋こそ大切なり

難しいご質問ですが、結論からいえば、そのような家相はないでしょうね。家の間取りやつくり方が、子どもの心身の成長に影響を及ぼさないわけではありませんが、ただそれだけの問題ではないと思います。


子ども部屋については、私も多くの相談にお答えしてきました。子ども部屋はどの位置がよいか、独立した子ども部屋がよいのか、オープンなほうがよいのか。我が子の健やかな成長を願って、みなさん悩まれるのです。しかし、何かとストレスを感じることが多い昨今、子どもたちも多くのストレスを抱えているのでしょう。間取り相談や講演会などでも、子どもの不登校で悩んでいる方、育児に不安を感じている方など、子育て全般を含めた間取りの質問や相談が増えてきています。


先ほども申し上げたように、子どもがひきこもりにならない家相はありません。子ども部屋として望ましい環境をつくってあげたとしても、子どもたちの心に不安やストレスを与える要因はさまざまあります。そんな中で、私が最近よくお話をさせていただくのは、子ども部屋のつくり方云々より、子どもの家での生活のしかたです。



私のインターネットでの連載や著書などでも、4年ほど前に紹介していますが、太陽の光は、子どもの心身の健康にも影響を及ぼすことが分かっています。熊本大学医学部の小児発達学の三池輝久先生(現在は兵庫県立リハビリテーションセンター中央病院 小児科部長)らの研究では、不登校、ひきこもりの対策として、子どもたちに早朝の強い光を浴びさせたところ、効果があることがわかりました。入院治療を行った結果、全員に生活のリズムが回復し、思考力や活動意欲の低下に対しても、改善の兆しがみられたといわれています。


私の兄も、睡眠医療センターの院長をしていますが、最近は子どもの睡眠障害で悩む方がたいへん多いようです。「寝る子は育つ」ということわざがありますが、子どもにはまさに、眠る環境が一番大切なのです。そして、朝の目覚め方も大切だと、私はいつもお話をしています。


三池先生も著書に、不登校やひきこもりに関して書いておられますが、さまざまな複雑な要因が絡んで、不登校やひきこもりは起こっています。しっかり睡眠をとることができ、心身ともに十分な休息がとれて、朝の光を浴びて体内時計を安定させたからといって、学校でのストレスや不安、親や友達との人間関係の悩みが排除できるわけではありません。



しかし、少なくとも、学校や家庭で嫌なこと、辛いことがあっても、質の良い睡眠と気持ちの良い目覚めができれば、マイナスにはならないと思うのです。質の良い睡眠で心身を休め、気持ちの良い目覚めでリフレッシュできれば、肉体的にも精神的にも多少でも疲れが取れて、わずかでもプラスの方向に向かうはずです。ですから、私は今、兄とともに「ハウスサーカディアン」という、質の良い睡眠が得られる住まい、体内時計が安定する住まいづくりの提案をしております。


この「ハウスサーカディアン」の住まいづくりから申し上げれば、ご質問中にある西向きの部屋は、気持ちの良い睡眠を得るためには不利な環境ではあります。夏は暑い西日を受け、就寝時まで部屋に熱がこもって、寝苦しい環境になることも考えられます。一日の疲れがうまく取れず、体も心もすっきりしないかもしれませんね。子ども部屋に西日が当たる場合は、今の暑い時期はよしずなどで遮光し、扇風機などを利用して、部屋の熱気を排出させておくとよいですね。


また、朝の光を浴びるという点では、朝日が差す場所に子ども部屋をつくるとよいですね。朝の光で目覚めることができれば、体内時計も安定して、一日を気持ちよくスタートできるでしょう。


ひきこもりや不登校には、こうすれば良いという決定打はないと思います。ですが、質の良い睡眠が取れ、少しでも心と体が安らげる子ども部屋をつくること、そして、朝の太陽の光をしっかり浴びる生活をすることも大切だと思います。


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監修・文/小池康壽 イラスト/すぎうらゆう
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