土地にも家相はある?

10年07月14日
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土地にも家相はある?

いままで、建物だけの家相を考えてきましたが、知人に「土地にも家相がある」という話を聞きました。

土地と建物の家相はどちらに重みを置いてみるべきなのでしょうか?
また、鬼門が欠けている土地や変形地で気をつける点があれば教えてください。

土地の良さはさらに引き立て、欠点は補えるような建物をつくることが何よりなり

土地にも家相はあります。さらに言えば、土地がその住まいの家相を決めてしまう、それぐらい大きな力を持っているともいえるでしょう。


家相には、土地に対する言い伝えや考え方もたくさんあります。ですが、その主たるものは、土地の向きや形で吉凶を判断するものです。向きに関していえば、南向きの土地が吉であり、なかでも東南の角地は大吉とされていますね。形についても、正方形や長方形の整形地が吉であり、三角形や変形した土地は凶といわれます。


たしかに、これらはもっともな考えであり、そこに家を建てることを考えれば、日当たりがよく、整った土地は、大きな価値のあるものですね。しかし、土地の良し悪しというものは、単に向きや形だけで判断するものではありません。例えば、南にいくにつれて土地が低くなるような地形の場所では、南向きの土地でなくても、北道路の土地でも日当たりが確保しやすくなります。同じように家を建てても、南側の隣家のほうが建物の高さが低くなりますから、北側といえども日当たりがよくなるわけです。


逆に南が高く、北に向かって下がっていく土地では、北向きの土地は、ますます日当たりが不利になってしまいますね。私もそういった条件の場所に住んだことがありますが、冬は極端に日が当たらなくなってしまいます。ですから、同じ間取りであっても、土地の傾斜方向によって日当たりが変わり、特に冬場の住み心地は大きく変わってきます。


また、ほとんどの方が、朝日と西日を比べれば、朝日と接した住まいをつくりたいと考えますね。ですから、土地の高低差は南北だけではなく、東西の高低差も、建物の良し悪しや住み心地に大きく影響してくるのです。東に低くなっている土地であれば、朝日が入りやすくなりますし、西に低くなっている土地では、西日が入りやすくなってしまいます。朝日がよく入れば、朝はすっきりと目覚めることができる住まいになりますが、西日がよく差す住まいは、夏は暑さが厳しく、過ごしにくくなってしまうでしょう。わが家の外構の照明や防犯カメラなども、東側に付けたものに比べ、西側のものは傷みが早く、メンテナンスの頻度もまったく違います。



土地は向きや形以外にも、このように傾斜していく方向によっても、良し悪しが変わってくるものです。土地は建物を建てるベースとなるものですから、できるだけ良い土地を選んで建てることが大事ですが、向きや形だけで判断するのは考えもの。ここに家を建てるとどんな住まいになるか、ここで生活をするとどんな良い点、悪い点があるか。そんなことも視野に入れながら、土地選びをしていただくのがよいと思います。つまり、土地と建物の両方で見ることが大事だということですね。いってみれば、土地と建物でうまくタッグを組むことです。土地の良さは、建物でより引き立てられる。土地の悪い部分は、建物でうまく改善する。そう考えていただければよいでしょう。


また、鬼門が欠けている土地、変形地については、家相の迷信に囚われないようにしましょう。そういうものに囚われてしまうことが、一番の問題点だと私は思います。占い師の人たちは、鬼門が欠けていると災いが起こるなどと、脅しめいたことを言いますが、先ほども申し上げたとおり、建物とのタッグが重要なのです。


鬼門が欠けた土地や変形地の場合は、土地と同じ形で建物をつくると、建物自体にも、住み心地にも影響が出やすくなるのです。前にもお話をしたと思いますが、建物の熱の損失、流入は、開口部である窓ガラスが一番大きいですね。その次に大きいのが、外壁なのです。建物に凹んだ部分が大きくなると、その場所の熱損失は大きくなります。それが北や鬼門の北東の方位であれば、熱損失が大きいゆえに冬はより寒くなりやすく、住み心地にも影響が出てきます。


変形地の場合も、土地に無駄なスペースをつくらないようにと、土地と同じように変形した間取りにしてしまうと、建物形状が複雑になり、基礎工事や外壁工事、屋根工事も複雑になり、そのぶん施工費用もかかります。また、雨漏りも起こりやすくなり、大きな地震の際には、変形した部分がウイークポイントにもなりかねません。鬼門の欠けも、土地の変形部分も、必要以上に追いかけないことが吉と申しておきます。


鬼門が欠けていたり、変形した土地は、それだけを見れば吉とはいえないかもしれませんが、住まいの良し悪しは、あくまでも土地と建物のセットで判断するものだと、最後にもう一度お伝えしておきましょう。


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監修・文/小池康壽 イラスト/すぎうらゆう
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