リフォーム成功マニュアル

公開日 2009年08月19日
賃貸部屋探しマニュアル

リフォーム内容の決め方、費用や会社の選び方など、引き渡しまでのリフォームのステップを紹介。
ダンドリ上手で、大成功のリフォームを目指そう!

【STEP1】どこをどんな風にリフォームしたいのか書き出す

「要望」「希望」を書き出してみよう

最初からきれいにまとめようとしなくてOK。家族みんなの思いをもれなく洗い出すため、この段階では思いつくままに書き出していこう。

□具体的に困っている点は?

日ごろから感じている不満をできるだけ具体的に挙げていこう。
例えば、お風呂の換気が悪くてカビが生えやすいので改善したい、キッチンが暗い・寒いのを改善したい、リビングの通風・採光を良くしたい……など。

□より安全に、暮らしやすくしたい点は?

特別困っているわけではなくても、せっかくリフォームするならこうしたいな、と思うことも挙げていこう。
例えば同居している両親のためにバリアフリーの住まいにしたい、子どものために有害物質の出ない健康な住まいにしたい、子どもが独立したので間取りを変更し広い部屋をつくりたい……など。

□欲しい設備機器が決まっているものは?

設備機器はコストを左右する重要ポイント。希望がはっきりしているものは、リストアップしておこう。
例えば、キッチンをオール電化タイプにしたい、お風呂をジャグジー付きのタイプに替えたい、リビングに大型のフラットテレビを置きたい……など。

設備・建材などの経年変化もチェック

現在、特に大きな不満があるわけではないけれど、そろそろ交換・メンテナンスが必要かな……という箇所もチェック。寿命というには少し早すぎたとしても、一度にまとめてリフォームしたほうがおトク、というケースは意外と多い。
例えば水まわり設備(キッチン、バスルーム、洗面化粧台、トイレ等)、屋根(雨漏り等)、外壁(塗装のハゲ、ひび割れ等)などをチェックしておこう。

ライフスタイルの変化も視野に入れて

リフォーム後のわが家がいつまでも快適であるためには、将来のわが家を視野に入れることがポイント。5年後、10年後の家族構成はどうなっているか、どのようなライフスタイルになっているか、身体能力はどのように変化しているか、想像力を働かせて、将来も快適かどうかを考えよう。

リストアップした要望に優先順位をつける

リストアップした家族みんなの意見を、要望レベル(ぜひとも改善したいこと)、希望レベル(できれば改善したいこと)にわけてチェックしていこう。これを優先順位の高い順にまとめ直せば、リフォーム会社との打ち合わせ時の資料にもなって効率的!

【STEP2】情報を集める・資料請求する

リフォームについての要望が整理できたら、それらを実現するためのイメージづくりを。導入したい設備機器の資料、「こんな住まいにしたい」といったイメージに近い写真や、リフォーム会社の資料など、幅広く収集しておこう。希望の設備機器がはっきりしているならショールームに行ったり、リフォーム経験者で話を聞ける友人などがいる場合は、見学を兼ねて体験談を聞いたりするのもオススメ。

自宅の間取図など、基になる資料を準備する
自宅の間取図があると、実際にリフォーム会社と打ち合わせをするときにスムーズ。自分で保管していない場合、一戸建てなら設計した会社に、マンションなら管理組合の事務室に設計図面が保管されていることが多いので、コピーを取らせてもらおう。

設備機器の資料を集めたりショールームに見学に行く
キッチンやバス、トイレなどの住宅設備は毎年のように新しい機能をもったモデルが登場しているため、これらの最新情報は設備情報サイトなどから商品カタログを直接資料請求してチェック。そこから候補を検討して、ショールームで実物を見学してみよう。また、この段階では各機器のおおよそのサイズを調べておこう。

完成形のイメージに近い写真などを集める
インテリアのイメージは、素材や色のちょっとした違いで大きく変わるもの。完成してから「こんなはずでは……」とならないためにも、希望する完成形のイメージに近い写真などの資料を集めよう。また、リフォーム会社によってはショールームに施工例を用意しているところもあるので、積極的に見学してイメージを固める材料に利用しよう。

工事の依頼先(候補)となるリフォーム会社の資料を集める
この段階では、自分が希望するリフォームの内容に近い実績のある会社情報をできるだけ集めよう。知人、友人にリフォーム経験者がいる場合は、できれば自宅を見せてもらい、リフォームの経緯についていろいろ聞いてみるといい。特に注意点や失敗談は参考になる。

リフォームできる・できないを確認する 一戸建て基本編

一戸建てリフォームのできるできないはココがポイント

一戸建てリフォームのココがポイント

1. 地下室を増築
地下室をつくことは可能。ただし、地下に下りる階段スペースの確保と換気への配慮が必要

2. 吹抜けをつくる
木造の建物の場合は比較的容易にできる。しかし、重量鉄骨造の建物は鉄骨の梁を動かせないため困難

3. サッシの交換
防火地域・準防火地域では防火性能基準を満たしたサッシにのみ交換可能

オール電化にする
一戸建てをオール電化住宅にするのは容易。すでに200Vに対応していればコンセントまでの配線工事のみで済む

1階または2階を増築
建ぺい率・容積率の範囲内で増築可能。建物が斜面にあると擁壁などから一定の距離が必要なためできない場合も

Q&A 増築

Q 敷地いっぱいに増築は可能?
A 
住宅の建築面積は敷地ごとに決められた建ぺい率によって制限を受ける。例えば100m2の敷地で建ぺい率60%なら、増築後の家の建築面積は60m2が限度。
なお、新築当時に限度いっぱいの建築面積で建ててしまった家でも、その後の規制緩和で建ぺい率がアップしていることも。その場合は緩和後の限度内での増築が可能になる。
ほかにも建物の大きさを制限する法規制があるので、下表を参考に。

北側斜線制限
北側斜線制限

敷地の北側隣地に対する日影被害を少なくする規定。
建物から北側隣地境界線までの真北方向への水平距離に対して、一定の高さ制限が設けられる。上図は低層住居専用地域と東京都第一種高度地区の場合

道路斜線制限
道路斜線制限

敷地の前面道路の幅員によっても建物の高さが規制される。
道路の幅員に1.25か1.5をかけた数字で得られる斜線の範囲に建物が収まらなければならないので増築の際には注意が必要。上図は住居系用途地域の場合

Q 増築部分を違う工法にしてもいい?
A 
可能だけれど、間仕切りのない一つの空間として増築するのは無理がある。
これは工法が違うと地震のときの揺れ方が違い、外壁のつなぎ目に負担がかかるため。既存部分と増築部分の壁が二重になるが、2戸の建物を接合させる方法であれば増築ができる。

Q 平屋の建物を2階建てにできる?
A 
平屋を2階建てに増築するのは、柱を補強するなどの方法で可能な場合が多いといえる。
ただし、2階建てを3階建てにするのは難しい場合が多い。これは2階建てと3階建てでは、もともと基礎部分のつくりが違うため。将来、3階建てにすることを前提とした基礎でない限り、3階の増築はできないと考えたほうがいい。

リフォームできる・できないを確認する 一戸建て詳細編

住み心地を大きく左右する水まわりや間取りのリフォーム。「イメージしていたリフォームができなかった……」なんてことがないよう、「できる」・「できない」を理解しておこう。

Q&A 水まわり

Q キッチンの移動やトイレの増設は可能?
A 
一戸建ての場合は、マンションに比べて配管がシンプルなため、水まわりの移動がしやすいのが特徴。予算面での問題がなければ、キッチンの向きを変えたり、2階にトイレや浴室を設けたり、自由にリフォームすることができる。

Q IHクッキングヒーターを取り付けられる?
A 
家庭用の電源は100Vが一般的だが、現在では分電盤が100Vと200Vの両方に対応できるようになっている住宅も多く、200V対応のIHクッキングヒーターを導入することは簡単にできる。
築年数が古いなどで200Vに対応していない場合は30万円~50万円の費用がかかる。現在の住まいが200V 対応になっているかどうかは電気メーターを見て調べよう。

Q&A 間取り

Q 間取り変更は自由にできる?
A 
一戸建ての間取り変更は建物の構造によって異なる。詳しくは以下の表を参考に。

●木造軸組工法(在来工法)
木造軸組工法

【工法の特徴】
上からかかる建物の重さを柱と梁で支え、地震などの横からの力には斜めに渡した筋かいで抵抗する木造住宅の工法

【リフォームの自由度】
かなり高い。
建物を支える柱は移動させることはできないが、間仕切りになる壁はかなり自由に移動できるため、間取り変更は容易

●プレハブ
プレハブ

【工法の特徴】工場生産された床や壁、天井などを現場で組み立てる工法。
構造体の材質によって「鉄骨系」「木質系」「コンクリート系」などがある

【リフォームの自由度】
鉄骨系の場合は柱や梁で建物を支えるため、木造軸組工法と同様、間取り変更の自由度は高い。木質系、コンクリート系は壁で建物を支えるため間取り変更に制限がある

●2×4工法(枠組壁工法)
2×4工法

【工法の特徴】
北米で生まれた工法。パネル状になった床、壁、天井が建物全体を支える。
柱のない大きな空間をつくりやすいのが特徴

【リフォームの自由度】面で支える構造のため、窓を大きくしたり、窓やドアを増やしたりすることは困難。また、建物を支える間仕切りは抜くことができないので間取り変更にも制限がある

●鉄骨造
【工法の特徴】
鉄骨の柱と梁で建物を支える工法。耐久性や耐震性に優れている。
重量鉄骨造と軽量鉄骨造がある

【リフォームの自由度】
重量鉄骨造の間取り変更の自由度は他の工法と比較しても高い。軽量鉄骨造は建物を支える耐力壁の移動ができないという制約がある

●鉄筋コンクリート造
【工法の特徴】
鉄筋とコンクリートで造る工法。
柱と梁が建物を支えるラーメン構造と、壁と床が支える壁式構造がある

【リフォームの自由度】
ラーメン構造では間仕切りの壁を取り外すことができるため、間取り変更は自由度が高い。壁式構造は耐力壁の移動ができない制約がある

Q 窓の数を増やしたり移動したりできる?
A 
建物を支えている耐力壁に新たに窓を設けることは困難。開口部をつくっても建物の強度に影響のない外壁であれば、窓を増やしたり移動することは可能。

Q 小屋裏を利用した物置はつくれる?
A 
小屋裏は面積がその階の2分の1以下で、天井までの高さが1.4m以下であれば階として算入されないため、容積率を気にせずに物置として使うことができる。

Q トップライトや吹抜けはつくれる?
A 
既存の屋根にトップライトを設けることは、よほど大きな窓にしなければ比較的容易にできる。
ただし、雨漏りを防ぐための防水処理や屋根の強度を下げないための補強工事などをきちんと行うことが大切。上階の床の一部や最上階の天井を取り外してつくる吹抜けは、構造の強度に影響が出ない限り可能。

Q&A 設備

Q コンセントの数を増やせる?
A 
コンセントを増やしたり、位置を移動させることは自由にできる。
ただし、コンセントを増やしたことで家電製品を多く使うようになり、電力使用量が増えると、電力会社との契約容量を大きくする必要が出てくる場合もあるので注意。

Q 木製の玄関ドアに変えられる?
A 
防火地域では木造の建物は禁止、準防火地域では延焼のおそれのある部分は防火戸や防火設備が必要。防火戸の性能をクリアした木製玄関ドアもあるが、まずは建物のある場所の防火規制を確認しよう。

リフォームできる・できないを確認する マンション基礎編

マンションの場合、リフォームできるのは専有部分だけ。管理規約による制約もあるので、事前に必ず確認を。

マンションリフォームのできるできないはココがポイント

マンションリフォームのココがポイント

1. 玄関ドアの交換
玄関ドアの外側は共用部分になるため交換はできない。
しかし、内側は専有部分なので塗り替えることはできる。

2. 天井高を上げる
構造体のコンクリートの内側までなら天井裏も専有部分。
天井板をはずして天井高を上げることは可能。

3. 内装の変更
住戸の内側は専有部分。壁材や床材の張り替え、室内ドアなどの建具の交換は自由にすることができる。カーペットや畳からフローリングに変える場合、気をつけなくてはならないのが「音」の問題。
上下階の床音をめぐるトラブルを防ぐために、管理規約でリフォームの際の床材の性能レベルを規定している場合もあり、それを守ればフローリングへの張り替えは可能。フローリングが禁止されている管理規約もあるので、事前に確認を。

4. 窓サッシの交換
サッシはマンションの外観に影響するため共用部分とみなされる。このため勝手に変更することはできない。既存の窓を複層ガラスに変更したい場合、サッシの枠はそのままでガラスだけを取り換える方法がある。
ただし、サッシとセットになっている複層ガラス製品は、変更した住戸だけサッシの色が違い、外観に影響が出るため変更はできない(管理規約によって変更可能なサッシが指定されている場合がある)。なお、既存の窓が曇りガラスの場合は曇りガラスに、透明の場合は透明のガラスへの交換となる。

5. ガーデニング
バルコニーは共用部分だが各住戸が専用に使える部分。
避難用の通路として使える範囲でならガーデニングも可能。

6. パイプスペースの移動
パイプスペースは排水管専用と、給水、ガス管、電気配線用の2種類。どちらも共用部分なので移動はできない。

7. 床下収納の新設
床そのものは共用部分なので、コンクリート部分に穴をあけて床下収納をつくることはできない。

リフォームできる・できないを確認する マンション詳細編

住み心地を大きく左右する水まわりや間取りのリフォーム。「イメージしていたリフォームができなかった……」なんてことがないよう、「できる」・「できない」を理解しておこう。

Q&A 水まわり

Q キッチンやトイレの移動は可能?
A 
マンションの場合、水まわりの移動は床下の配管がどこまで動かせるかがポイント。
給水管、給湯管は比較的移動しやすいが、排水管と換気扇は移動距離が長いと水の流れが悪くなったり、空気の吸い込みが悪くなったりすることも。このため水まわりの移動には躯体のコンクリートと床の間に十分な空間が必要。床下にどれくらいの空間があるかは、建てられた年代やそれぞれのマンションの構造によって違う(下図参照)。
床下が狭くても床を上げて空間を広げる方法もあるため、移動可能な範囲はリフォーム会社などの専門家に判断してもらおう。

排水管は階下の天井裏に
排水管は階下の天井裏に

築年数の古いマンションに見られる、階下の天井裏を排水管が通るタイプ。
排水管が動かせないため水まわりの移動ができない。水もれなどのトラブルも問題

仕上床の下に排水管
仕上床の下に排水管

その後、コンクリートスラブと自分の住戸の床の間を配管が通るタイプが主流に。
スラブと床の間に高さがあまりないと、排水管に勾配がつけられないため水まわりの移動に制約が出る

床下空間にゆとり
床下空間にゆとり

最近は梁の向きがひっくり返った逆梁工法が多くなり、床下空間にゆとりのあるマンションも。
排水管の勾配がつけやすいため、水まわりの位置を広範囲で変更可能

Q&A 間取り

Q 間取りの変更は自由にできる?
A 
マンションの場合、専有部分は間取りの変更が可能だが、変更の自由度は構造によって異なる(下図参照)。
ラーメン構造で住まいの内側がすべて専有部分になる場合は、部屋の間仕切りをすべて取り外すことが可能なため、かなり自由な間取り変更ができる。
柱や梁のない壁式構造で、一部がコンクリートの壁でできている間仕切りは、構造体で共用部分になるため変更はできない。

●ラーメン構造
ラーメン構造

【工法の特徴】
柱と梁で建物を支える構造。中高層・超高層マンションのほとんどがこの構造。
部屋の隅に柱の凹凸があり、低層階ほど柱は太くなる

【リフォームの自由度】
室内の間仕切り壁はほとんど取り外しが自由で、大がかりな間取り変更がしやすい構造。
一戸建ての木造軸組工法同様、リフォームの自由度はとても高いといえる

●壁式構造
壁式構造

【工法の特徴】
壁と床で箱型をつくり、建物を支えている構造。
5階建て以下の中低層マンションに多く採用されている

【リフォームの自由度】
住戸内の壁の中に建物を支える構造壁が含まれており、すべての間仕切りを撤去することはできないため、間取り変更に制約がある

Q 隣り合った住戸をつなげることはできる?
A 
住戸と住戸を区切っている壁は共用部分。2戸続きで住戸を購入し、どちらも自分の所有だとしても、その間の壁はマンション全体の所有になるため、取り外すことはもちろん、穴をあけてドアを設けることもできない。

Q&A 設備

Q 全室にエアコンを取り付けられる?
A 
エアコンは消費電力が大きいため、住戸内の電気の全体容量と、各部屋に配電している経路の容量を確認することが必要。全室にエアコンを設置するためには、まず、この電気容量の問題をクリアしなければならない。
さらに、エアコンは室外機とセットになっているため、エアコンを取り付けたい部屋の外部に室外機置き場がなければ増設はできない。
ただし、隣り合った部屋であれば、各室のエアコンを冷媒管でつなぎ、2台のエアコンに対して室外機を1台で済ませるマルチタイプという方法もある。

Q コンセントの数は増やせる?
A 
コンセントの数はいくらでも増やせるが、問題になるのは使用する電気の量。マンション全体で電気の総容量が決まっているため、各住戸に配電される容量にも限度がある。使用する電気製品を増やしたい場合、使用容量がオーバーするとブレーカーが落ちてしまい、せっかく買った電気製品が使えないということも。
電気製品が増えるためのコンセント増設であれば、使える電気の容量にどれくらい余裕があるのかを管理組合で確認しよう。

Q 床暖房を設置できる?
A 
床暖房には熱源が電気のもの、ガスのものがあるが、どちらも燃料の消費量が大きいので、各住戸での使用可能量を管理組合に問い合わせを。
問題なければ床暖房の設置は可能。

【STEP3】資金計画を立てる

おおよそのリフォーム代金の検討をつける

リフォームの内容についてある程度のイメージができてきたら、インターネットや雑誌などで紹介されている類似の事例から金額の目安をつけておこう。ショールームなどでも、その設備を導入した場合の標準的な工費などが例示されているが、これはあくまでも一例に過ぎないため、参考程度に受け止めよう。

自己資金の計算をする

用意できている自己資金(預貯金など)の確認も重要。親などからの援助がある場合は、その金額をある程度具体的に把握しておきたい。ひと口に「援助」といっても、「贈与」なのか「借り入れ」なのかでローンの額などに影響が出る。贈与を受けるのであれば自己資金になるため、お金の扱いについては明確にしておこう。

利用できるローンを調べる

住宅金融支援機構や市区町村の融資、補助金を利用する場合は資料を入手。条件に合えば介護保険にも「住宅改修費の支給」があるので、仕組みを調べておこう。

銀行などのリフォーム用ローンは、おおむね自己資金が20%程度必要。用意できた自己資金に対して4倍までローンが組めることになるが、申込者の年収や他の借り入れ(住宅ローンなど)と合算した返済額で判断されるので、詳しくは銀行などで確認を。

□補助や助成が受けられるケースも

高齢者対応のためのリフォームを行う場合や、介護保険の適用を受けている高齢者がいる場合は、補助や助成を受けられることがあるので要チェック。
また、耐震リフォームや防犯リフォーム、省エネリフォームなどに対しても補助・助成を行っている自治体が増えている。申し込みに期限がある場合もあるので、早めに各自治体などに確認してみよう。

リフォーム代金以外の費用も計算に加える

直接リフォームにかかる費用のほかにも、各種の手数料など、リフォームに必要な諸費用はたくさん。必ず計算に入れておこう。

ローンを借りる ローン事務手数料、保証料、団体信用生命保険料、火災保険料など
増築をする 建築確認申請の費用、増築分の登記費用など
仮住まいをする 家賃、引越し費用(往復分)、トランクルーム使用料など

なお、自宅に住みながら施工する場合でも、一時的に家財を移動させてスペースあけるためにトランクルームを借りる必要が生じ、その費用が発生することもある。また、住まいが新しくなると、ほかにもカーテンや家具を新調したくなるもの。リフォーム計画を立てる際に、家族で「どこまでやるか」をきちんと決めておこう。

リフォーム予算を立てる

次のフォームに自己資金の内訳を入力すると、リフォーム予算の上限額が自動計算される。ただし、あくまでも自己資金を基にした概算なので、目安を知る程度に利用しよう。予算の概略が出たら、その金額のうち10%~20%は予備費として考え、残りの範囲でリフォーム内容を計画していこう。

●予算の考え方

自己資金+両親(祖父母)の援助=リフォーム予算の合計
・自己資金
 銀行A、B….預金の合計額
・両親 
 夫・妻のそれぞれの両親や祖父母からの援助金

【STEP4】 数社に見積もりを依頼する

リフォーム会社を数社ピックアップする

事例などを情報収集して気に入ったリフォーム会社があったら、2~3社を選び、問い合わせをしよう。来訪してもらえば現状を見て打ち合わせがしやすく、直接訪問してみることで会社の雰囲気や社員の応対の状況などが確認できる。
各社から会社概要や工事の実績、進め方などの説明を受け、資料は必ずもらっておこう。また、ヒアリングや資料でわかったことをノートなどに書き込んでおくと、後で比較しやすくなる。

●会社概要で基本項目を確認

信頼できる会社かどうかは実績などで判断できるわけではないが、目安の一つになるので調べておきたい。 特に保証やアフターサービスに関する情報は重要ポイント。他社とも比較してみよう。
□リフォーム事業の経験年数
□年間の施工実績(件数・内容)
□建設業許可番号の有無(500万円以下の工事の場合は不要)
□どのような種類の保険に加入しているか
□保証やアフターサービスの期間と内容
□業界団体に加盟している
□有資格者の人数
□施工体制の詳細

●わが家のリフォームに向いているか

リフォーム会社にはそれぞれ得意な分野があり、デザインのセンスが好みに合う・合わないもあるので、よく特徴を知ったうえで選びたい。
また、施主と営業担当との相性も重要なので要チェックだ。
□自宅の地域は営業エリアに入っているか、近くに支店や営業所があるか
□得意なリフォーム工事の分野を確認
□施工実例の写真などで自分の好みに合うかを確認
□対応する営業担当の印象、コミュニケーション能力はどうか、信頼できそうか

見積もりを依頼する

リフォーム内容の希望、予算をまとめたら、それらを伝えて見積もりを依頼。希望に沿ったプランだけでなく、オススメのプランも提案してもらおう。 リフォームの見積もりは、複数の会社から見積もりを出してもらう「相見積もり」が一般的なので、相見積もりであることは隠さず伝えてOK。そうすることで各社の競争意識が働き、知恵を絞った提案が期待できることもある。
また、相見積もりの場合、単純に金額だけではなく、必ず内容とのバランスを見て比較しよう。そのためには、依頼時の会社ごとへの説明内容(条件)を統一しておくことが重要だ。

現場調査

正確な見積もりを出してもらうためには現場調査が必要。自宅の調査の日取りを決め、そのときまでに準備すべきことなどを打ち合わせしよう。
現場調査は、リフォームの希望箇所や、劣化状況などの家の状態を具体的に見てもらうのが目的なので、リフォーム会社の担当者からの質問には、可能な限り正確に答えよう。まだ決めていないことや決めかねていることがあれば、そのまま正直に話せばOK。調査が終わったら、プランと見積もりの提出日を確認しよう。

【STEP5】見積もり・プランを比べ、依頼先を決める

見積書の比較

見積もりができると、金額の内訳がわかる「見積書」、どのような設備機器や建築資材を使うか明記した「仕上表」、間取り変更がある場合は「設計図面」も提出される。書類を受け取ったら、最初に見積書の記入の仕方をチェック。
工事ごとに「一式」などとまとめて表記されているより、設備機器・材料ごとに単価や数量が表示され、工賃(人件費)などとわけて明細が表記されているほうが良心的な見積もりだと判断できる。

初回の見積もりはまだ概算だが、後で大きく金額が変わるのを避けるためにも、使用する予定の材料や設置する機器についてメーカー名や商品名などをチェック。例えば、会社によって金額が大きく異なる項目については、なぜ違いが出るのか内訳について説明してもらおう。そのときに他社の見積書を見せてしまうのはルール違反なので要注意!

工期についても確認を。またこの時点で、工事中に仮住まいが必要かどうかについて見当がつけられることもあるので、必ず確認しよう。そのほか、見積書でわからないことがある場合は、すべて質問して解消しておきたい。

リフォームプランの比較・検討

リフォーム会社から提案されたリフォーム内容を検討しよう。ここでは、当初に依頼した内容が十分に反映されていることを確かめるのが重要だ。また、自分たちの希望に加え、その会社からプロならではのプラスαの提案が盛り込まれているかもチェック。さらに、同時に施工したほうが合理的な工事についても提案されているか、それは自分たちの生活に必要なことなのかを検討しよう。

また、 建築基準法などとの整合性についてもチェック。これらのことを一つずつ確認しながら、自分たちの暮らしのイメージに合っているかを検討しよう。なるべくイメージを具体的な生活の場面に置き換えながら、本当にそれでよいのか考えよう。これらの結果をふまえ、自分たちに一番好ましいリフォーム会社から優先順位をつけていき、総合的に判断しよう。

依頼先を絞り込む

依頼する会社が決まったら、見積もりを提出してくれた各社に検討の結果を伝えるのがマナー。依頼する1社以外には丁寧にお断りを入れ、依頼する会社とは、改めて詳細な打ち合わせへと進もう。提案されたプランも含め実際に実行することを決めていき、設備や材料なども決定したうえで決定見積もりを依頼しよう。

このとき、例えば床材や壁紙の選択に迷いがある場合は、必ずショールームなどで実物を確認して打ち合わせに臨むのがベター。特にカタログなどでは確かめにくい素材の質感や色などを重点的にチェック。また、壁紙や床などの色はサンプルで見るのと広い面積に塗るのとでは印象が違うので注意しよう。

【STEP6】最終見積もりを確認し、正式契約を結ぶ

最終見積もりの内容確認と注意点

最初のプランと見積もりの後に、さらに細かな要望を取り入れたり不要なものをカットしたりして実施プランを作成。このとき、提案されたプランに要望が反映されているかをチェックしよう。間取りを変更する場合、変更後の間取りについて図面で確認。キッチンやバス・トイレなどの設備機器を交換する場合は、メーカーや商品は希望のものになっているか、また使用していくうえでサイズなどに問題はないか確認を。

予算オーバーの場合、リフォームする範囲を小さくしたり、材料のランクを落としたりして総額の調整をしよう。なお、予算オーバーでも満足できるプランを選べるよう、予算には幅をもたせておくと安心。予算と決定見積もりの最終的な調整をする際、予想外の工事が発生する可能性もあるので、予算の10%~20%は予備費としてみておきたい。

契約書の確認と正式契約

この時点で必要な書類は「契約書」「契約約款」「設計図面」「見積もり明細書」。契約書や約款について十分に説明を受け、不明点がないようにしよう。

また、お互いに確認した内容が、契約書や図面、工事明細書などに記入されていることをチェック。工期や工程表の説明を受け、スケジュールを確認し、仮住まいについても必要に応じて手配しよう。さらに、工事を始めないとわからないこと(例:バスルーム床下の土台が腐っていたなど)が発覚した場合の扱いについて、どのように協議していくかもチェック。そのほか、追加工事や工事途中の変更に関する扱いを取り決めておこう。

契約金額や支払い条件(時期)についても確認を。契約書に書かれている金額は税込みかどうかもきちんと確かめておこう。工事に対する保証やアフターサービスの内容と期間について確認し、契約書に記載されているか、保証書などが発行されるかを確認しよう。

書類名 書類の内容
見積書 リフォームにかかる工事費用を明記した書類。
費用の総額だけを記載したおおまかな見積もりでは内容がつかめないので、どんな工事にいくらかかるのかという内訳が書かれたより細かい見積もりを示してもらうことが必要。見積書をもらったら、プランニングのときに決めた設備・仕様が盛り込まれているか、予算が考慮されているかどうかを確認しよう
仕上表 内装材や外装材、設備機器などの種類、商品名、品番などを示した書類。
リフォーム会社によっては見積書や図面に仕様が書き込まれているため、仕上表は省略されている場合もある。商品名や品番だけでは、色や機能、グレードなどがわからないので、ショールームで実物を見たり、カタログや見本を見せてもらうことが大切。打ち合わせで選んだものと合致しているかどうかの確認も忘れずに
契約書 契約を結ぶために必要な重要事項が記載された書類。
施主とリフォーム会社双方が署名・捺印することで、工事請負契約が取り交わされる。同じものを2通作成し、双方が1通ずつ保管。工事が延びた場合の補償など気になることは特記事項として追加しておこう。じっくり目を通すためにも、書類をもらったその場で契約せずに、一度家にもち帰って熟読しよう
契約約款 契約に伴うさまざまな取り決めを文書にしたもの。
通常は契約書とセットになっており、割り印をして渡される。施工が設計図や仕上表と違った場合の改良義務や、瑕疵(かし)があった場合の補修義務についてなど、契約書には記載されていない重要事項が書かれている。ごく小規模なリフォーム工事の場合、契約書、約款とも簡略化された書類を用意している会社もある
設計図面 増築や間取り変更の場合は平面図や立面図も必要に。
キッチンや収納については、奥行きや高さ、棚の位置、数などがわかる詳細な図面があると完成後のイメージがつかみやすくなる。着工前に出入口の幅や高さ、収納の位置などを確認しておこう。なお、設備機器の交換や内装の張り替えなど図面が必要ないリフォーム工事の場合、設計図面の提出はないことがほとんど
変更同意書 着工後にプランの変更や追加工事があった場合、口約束だけでは希望のプランにならなかったり、予定外の費用に驚いたりという思わぬトラブルが起こりがち。工事内容や、工事変更にともなう工期の延長や費用の加算について書面で残しておくことが大切。
リフォーム会社によっては、変更箇所や内容についてリフォーム会社と施主双方が承認する「変更同意書」を用意している
完了確認書 工事が終わったら引渡前に、リフォーム会社の担当者と現場を見てまわる竣工検査が行われる。その後、リフォーム会社と施主で「完了確認書(工事完了書、工事引渡書)」を取り交わすケースが多くなっている。完了確認書に署名、捺印する前にアフターメンテナンスについて確認しておこう。
完了確認書を取り交わす際に残金の請求書を発行する会社も多い
保証書 リフォーム工事の場合、新築と違い引渡後の法的に決められた保証制度はない。
しかし、会社によっては独自に保証制度を設け、保証書を発行しており、引渡時に施主に渡される。保証の対象や保証内容について確認しておこう。なお、保証制度がない場合でも、後に問題が起きた場合の窓口を聞いておくと安心
打ち合わせメモ リフォーム会社によっては「変更同意書」「完了確認書」などがない場合も。
後でトラブルにならないよう、リフォームの打ち合わせで取ったメモ類は、すべて保存しておくのがオススメ。特に工事の途中でプランの追加、変更が入った場合には、変更、追加内容を書面に残し、リフォーム会社の担当者にも確認してもらうと安心だ

【STEP7】工事前・工事中の注意点ポイント

契約が完了すると、いよいよ工事がスタート。ここからはリフォーム会社に任せることも多いけれど、施主として準備しておかなければならないこともあるので注意。
また、工事が進めやすいように協力することでスムーズな施工ができ、結果として工期が遅れず予定通り進むこともある。仮住まいに引越す場合でも、工事が始まった後に可能な限り現場に出向き、関心をもっていることが伝わるようにしよう。

工事が始まる前にすべきこと

ローンを利用する場合、地方自治体の補助金や介護保険などを利用する場合は、事前に申し込み手続きを。
また、増築を伴う場合は建築確認申請が、一定の条件に合致する場合は建設リサイクル法の事前届け出も必要になる。これらの法律上の届け出が必要かどうかは、専門家であるリフォーム会社の判断を聞き、申請事務をどちらが行うか確認しよう。

仮住まいが必要な場合は引越しの準備をスタート。仮住まいの有無にかかわらず、リフォームする部分の家具や荷物の整理も始めよう。貴重品の保管方法は慎重に考えよう。
工程についても、リフォーム会社の担当者と打ち合わせを。このときには、リフォーム会社の担当者と工事の責任者との間の申し送り事項についてもきちんと確認しよう。

また、リフォーム会社の担当者と同伴でご近所へのあいさつ回りをしておくと安心。工事用のトラックなどを一定期間止めておく場所は、基本的にはリフォーム会社が確保するが、ご近所とのトラブルの元にならないように場所をチェック。
マンションの場合、事前に管理組合に申請することで来客用の駐車場を利用できる場合もあるので、使える場合は早めに予約を。ゴミや廃材の処分方法もあらかじめ確認しておこう。

工事中にすべきこと

自宅に住みながらの工事の場合は、職人さんに毎日あいさつをするなどコミュニケーションをきちんと取り、なんでも質問できる状態をつくろう。仮住まいをする場合でも、時間の許す限り現場を訪れるのがベター。
工事中に気付いたこと、追加や変更の要望が出てきた場合は、リフォーム会社の担当者にすみやかに連絡を。実際に追加や変更をする場合、その内容と金額、工期への影響についてきちんと書面にしてもらうのが安心。後日、費用が大きくアップしたり、工期が長引いたりといったトラブルを防ぐため、口約束で変更を依頼することは避けよう。
また、近所からクレームがあった場合もすみやかに担当者に伝え、対応してもらおう。

●現場でのチェックポイント

きちんと時間が守られ、掃除・後片付けの行き届いた現場かどうかは大事。
工事そのものには直接関係ないようであっても、こうした小さな部分まで「丁寧に扱ってもらっているかどうか」が仕上がりにも影響するから、要チェックだ。
□職人さんたちは時間通りに現場に来ているか
□あいさつなどがきちんとできているか
□工事外の部分をきちんとシートなどで覆って(養生して)いるか
□毎日の作業の終わりには、後片付けをしているか

●リフォーム状況のチェックポイント

予定通りに進んでいるか、指定した商品が使われているかなども施主の視点でチェック。
とはいえ、必要以上に職人さんに話しかけるのはタブー。あくまでも仕事の邪魔にならないようにチェックしていこう。
□スケジュール通りに工事が進行しているか
□例えば壁紙などは指定通りの素材を使っているか
□スイッチ類やコンセントなどの位置、高さは使いやすい位置にあるか
□部屋や廊下、窓などはイメージ通りになっているか
図面だけでは実感がわきにくいことについて、実際の現場で確認を

【STEP8】完成・引き渡し

図面と一致しているか確認する

完成検査(竣工検査)は、図面や仕様書などを持参し、リフォーム会社の説明を受けながら、依頼した通りになっているかを確認。1人では見落としや気付きにくいこともあるので、できるだけ家族全員で立ち会おう。特にキッチンなどは、実際に使うことが多い主婦の立場でチェックするのがオススメだ。

●完成検査でチェックしたいポイント

次のようなポイントをチェックして、何か不具合に気付いたら、立ち会いの担当者に指摘し、改修についてどのような段取りになるか相談を。
残金の支払い前までに直してもらうのがトラブルを未然に防ぐうえで重要だ。
□新しくした設備類はすべてスイッチを入れてみて、きちんと作動するかどうか
□ドアや窓など建具類は実際に開け閉めして、スムーズに動くかどうか
□内装、特に壁紙などは部屋の四隅の合わせに隙間やはがれなどがないか
□養生していた部分に傷などがついていないか

引き渡し時の検査も入念に

完成検査で気付いた不具合が完全に直っているかを改めてチェックし、すべてを確認した後に引き渡しを受けよう。保証書やアフターサービスの書面を受け取り、何か不具合が発生したときの依頼方法についても確認を。設備などのマニュアルや保証書を受け取り、設備機器の使い方について説明を受けよう。
リフォーム会社が引き渡しの「確認書」を用意している場合は、署名・捺印を。これで工事は完全に終了となるので、近所へのあいさつも忘れずに。

費用の精算で終了

工事が終わったら、残金の精算を。追加工事や変更をした場合は、その分を含めて最終的な工事金額を確認しよう。公的融資や補助金などを申し込んでいる場合は、資金交付手続きを。これでリフォームは終了。生まれ変わったわが家で、新生活を楽しもう!

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