注文住宅 土地探しマニュアル

最終更新日 2022年03月25日
注文住宅土地探しマニュアル

家づくりを楽しみながらスムーズに進め、大満足のマイホームにするためのステップを紹介。ダンドリを理解してから、家づくりへの第一歩を踏み出そう!

STEP1 どんな家に住みたいかイメージを固める

家づくりは家族の気持ちをひとつにすることが大事。どんな家に住みたいのか、家族で話し合ってイメージを固めよう。どんな暮らしがしたいのかといった生活シーンのイメージ、間取りや設備などへの具体的な希望も整理しておこう。

新居でどんな生活がしたいか考えよう

家を建てたらこんな暮らしがしたい!という理想の生活シーンをイメージしてみよう。例えば「外でバーベキューを楽しみたい」「友人知人を招いて一緒にわいわい料理したい」など。理想だけでなく、今の住まいで抱えている不満を挙げてみると、それも有力なヒントになるはず。

家族それぞれの希望を整理
パパ ・車いじりができる広いガレージ(1)
・ビールが飲めるウッドデッキ
・書斎スペース
・縁側
・通勤時間は30分以内(3)
ママ ・みんなで使えるオープンキッチン(5)
・食洗機
・ゆったりくつろげる広いLDK(1)
・友人とお茶を楽しめる庭(2)
・来客に便利な和室(2)
・使いやすい収納(7)
・趣味に使える便利な個室(4)
・朝日を浴びながら入れるお風呂
太郎 ・ロフトで遊びたい
・キャッチボールができる庭
・友人10人を呼べる部屋(6)
その他 ・16年後に子ども独立(6)
・いずれは義母と同居(6)
・転勤あるかも?
・アウトドアグッズを増やす予定(7)
希望が出そろったら、「広さ」「ライフスタイル」や「リビング」「キッチン」など、さまざまな視点で比較してみよう。

(1)広さがかかわることは、そこで何をしたいのか、どんなものを置くのかを明確にし、ほかの希望を考慮した上で面積のどれだけを割けるかをイメージしよう
(2)来客のための希望は、プライベート部分とのバランスを考えて、ライフステージによっては、子どもへの配慮が必要だったり、ユーティリティとの位置関係が重要
(3)立地に関する希望は、予算との兼ね合いも考えよう。どちらを優先すべきか、お互いの立場になってみること
(4)子どもの独立後に転用という選択も。空間の有効活用を考えよう
(5)共通の夢は実現したが、実用面もよく考えることが大切。みんなで使いやすいオーブンキッチンも、リビングにいると、音やにおいが気になることも。また、来客のときは人目につきやすいので、片付けしやすいかどうかも考えて
(6)子どものための空間は、考え方次第。独立後のこと、親との同居をイメージしておくこと
(7)どんなものを、どこに、どれだけ収納したいか考えてみよう。必要な場所に必要な量があることが大事

家づくりで重視するポイントを決めよう

したい暮らしのイメージを具体的に実現するための間取り・設備を考えてみよう。
例えば「バーベキューができる広いウッドデッキが欲しい」「みんなで料理できるオープンキッチンがいい」など。住宅誌などを見て、まねしたい間取りや欲しい設備もチェックしておこう。

家づくりで重視するポイントを決めよう

性能やプランにおいて重視したいポイントを考えてみよう。
例えば地震に強い家、省エネ&エコな家、自然素材をふんだんに使った家、家事がラクになる家、とにかく収納充実の家……など。ここを早い段階で決めておくと、後の依頼先選びやプランニングがスムーズになる。

インテリア&外観のテイストを考えよう

家のデザインテイストはシンプルモダン、南欧風、和風などとさまざま。家族の希望するテイストがバラバラだと、依頼先選びやプランニングへと進めなくなってしまう。
住宅誌などを見て気に入ったデザインについて話し合い、早い段階で方向性を決めておこう。

STEP2 資金計画を立てる

家づくりの資金計画は、人生設計を左右するほど大きな単位で動くもの。
頭金はどれくらい用意できそうか、住宅ローンはどれくらい借りられそうかなどをしっかり計算したうえで予算を決め、どんな住宅ローンを選ぶべきか情報を集めよう。

まずは費用の内訳を把握しよう

まず知っておきたいのが、建物の工事費用である「本体工事費」は、家づくりにかかる費用の7割程度でしかないということ。屋外電気工事やガス工事などの「付帯工事費」、住宅ローンや引越しなどにかかわる「諸費用」も含めた総費用を予算内に収める必要がある。
付帯工事費や諸費用はコスト調整が難しい部分。予想外の額に慌てることのないよう、見積もり時に地盤調査を依頼したり、付帯工事費について見積もりを取っておくなど、早めの把握を。

頭金はどのくらい準備できるか検討しよう

マイホームにかけられる費用とは、ずばり「頭金+借入額」の合計。まずは銀行預金、社内預金、積立型保険、株、債券などをピックアップし、自己資金がいくらあり、いくら住宅資金に充てることができるか確認しよう。
親の援助が受けられる場合は、どのくらい可能なのか確認しておくことも大切だ。車の買い替えなど大きな出費分と、万一に備えて1年程度の生活費分は手元に残しておこう。

住宅ローンで借りる金額を検討しよう

住宅ローンは、借りられる金額ではなく、返せる金額から考えるのが基本。
例えば現在の住まいが賃貸住宅なら、その家賃なども参考にし、毎月無理なく返済できる金額と、定年までの年数から計算して決めよう。借入額の目安は金融機関のホームページなどで簡単にシミュレーションできるのでトライしてみよう。

住宅ローン商品の情報を収集しよう

住宅ローンは、借入先も商品もさまざま。実際に申し込みをする段階では住宅会社の営業担当者などに相談すればいいが、その前に資料を取り寄せるなどして情報収集しておくと後がスムーズ。
複数の住宅ローン商品を比較して自分に合ったものを検討しておこう。

住宅ローンは大きく分けて3種類

1.民間ローン

銀行・信用金庫・ノンバンクなど
銀行、信用金庫、JA、クレジット会社、ハウスメーカー系などさまざまな金融機関、ノンバンクから住宅ローン商品が出ている。
融資条件や金利、融資額を決める審査基準なども独自に設定されているため、同じ人でも申し込み先によって借りられる金額が違う場合も。手数料の一部が無料になるなど、各社独自のサービスを打ち出しており、適用される金利のタイプも、変動型から長期固定型までさまざま。

2.民間+公的ローン

【フラット35】
民間金融機関が販売と回収を担当し、住宅金融支援機構が住宅ローン債権を証券化し運用する、最長35年の長期固定金利住宅ローン。
金利変動がないので長期にわたる返済契約が立てやすく、保証料無料、繰り上げ返済手数料が無料などは統一の条件だが、金利や事務手数料の金額は金融機関により異なる。

すまい・るパッケージ
住宅金融支援機構と民間金融機関が協調して貸し出す住宅ローン。金利変動に影響されない「長期固定金利」の住宅支援機構融資と、低金利のメリットが受けられる「変動金利型」「固定金利期間選択型」の民間ローンが一体となった融資。
民間住宅ローンと機構融資の申請が同時にでき、審査基準も一体として行われ、手続きがスムーズ。

3.公的ローン

財形住宅融資
給与天引きの財形貯蓄を1年以上続け、残高が50万円以上の人が利用できるローン。勤務先に申し込む「転貸融資」と、住宅金融支援機構が窓口の「機構財形」がある。
金利は5年固定型。

STEP3 依頼先を探す

数ある住宅会社の中から理想のパートナーを探し出すには、幅広く情報収集することが大切。
まずはインターネットや住宅雑誌で気になる会社をリストアップし、資料請求をしたり、住宅展示場を見学したりしながら候補を絞っていこう。

興味のある会社に資料請求をしよう

まずはインターネットや住宅誌などで下調べをしよう。施工例や商品の特徴などを見て、気になる会社を見つけたら、資料請求をし、情報を集めよう。
なお、注文住宅の依頼先は、会社の形態によって次の4つに分けられる。それぞれの特徴を理解しておこう。

企業の特徴 商品の特徴
ハウス
メーカー
全国各地に支店や営業所を持ち、広範囲な営業網とレベルの高い品質管理を特徴とする。大規模な生産設備を有し、自社でパーツの開発・生産を行う会社も多い。
自社で直接販売する形態と、販売代理店を通して販売を行う形態にわかれる。
仕様やデザインを決めて商品化しているのがハウスメーカーの特徴で、モデルハウスでその商品を見ることができる。商品には間取りなどが自由になるフリープランと、既成のプランから選ぶ企画型があり、企画型は比較的低コストでつくれるのが特徴。
フランチャイズ
(FC)
フランチャイズチェーン(以下FC)は、商品開発や広報活動を行う本部と複数の加盟店から成る。
加盟店は地域に密着して営業してきた工務店なので、ちょうどハウスメーカーと地場工務店の中間的な特徴をもつことになる。
FCの建てる家は、プランまで決めて商品化されているケースと、部材や独自の工法は共通だが、家自体は自由設計というケースがある。
スケールメリットによる購買力を発揮して、割安感のある住宅を建てているFCも多い。
工務店 地域に密着して営業しているのが工務店の特徴。
設計・施工からアフターサービスまでその会社で一貫して行う。地元だと入居後も頼りになる。
工務店によって建てる家の特徴はさまざまだが、基本的には自由設計。
少人数で運営されており、社長のアイデアがデザインや性能に反映される。
設計事務所
(建築家)
設計から施工監理まで請け負う。施工は設計事務所や施主の選んだ工務店が行う。
設計・監理契約と工事請負契約は別々に行う。
設計に時間をかけ、個性的な家を建てるのが特徴。
建築家によって作風が異なり、自然志向の家からクールな雰囲気の家までさまざま。

展示場に行ってみよう

資料請求をしてみて、ますます興味をもった会社は、ぜひ展示場に行ってみよう。空間の使い方、素材の質感など、カタログなどではわからなかった新発見もあるはず。
後でデザインや間取りプランの参考にもなるので、メモとカメラも持っていこう。

現場&完成見学会に行ってみよう

工事中の現場を見せてくれる現場見学会、完成した家を見せてくれる完成見学会などにも行ってみよう。完成すると見られなくなってしまう家の構造を見たり、実際に住んでいる人の生の声を聞いたりすることができる。
申し込みが必要なことが多いので注意。

STEP4 わが家を建てる土地を探す・調べる

土地がない場合は、依頼先探しと同時に土地探しを進めよう

土地がまだ決まっていない場合は、家づくりと並行して情報収集をしよう。不動産会社のほか、依頼先の候補会社が決まっていれば、一緒に探してくれることもある。
気になる土地が出てきたら、法規制や周辺情報をチェックしよう。

希望する土地の条件をまとめてみよう

希望する土地の条件について家族で話し合ってまとめよう。決めておきたい条件は、予算、広さ、沿線・最寄駅、駅からのアクセス(徒歩・バスで○分以内)、学区、建築条件付きや古家付きの可否など。

不動産会社や依頼先に相談してみよう

希望条件がまとまったら、不動産会社に伝えて土地を探してもらおう。注文住宅の依頼先の候補会社がある場合、一緒に探してくれるケースもあるので相談してみよう。そのエリアの仲介会社とコネクションを築いていたり、グループの不動産会社などと提携して、土地探しをサポートしてくれるハウスメーカーも少なくない。
ただし、その会社で建てる気持ちがない場合、後で断りにくくなるので注意。また、情報を待つだけでなく、自分たちでもインターネットや広告などをこまめにチェックしよう。

気になる土地は法規制&周辺情報をチェック

土地には建ぺい率や容積率のほか、高さを制限する斜線制限などの規制もあり、思い通りの家が建てられないこともある。依頼先の候補会社がある場合、土地購入を決める前にぜひ一緒に現地へ同行してもらい、希望の広さの家が建ちそうかどうか見てもらおう。
また、土地の周辺環境は、違う曜日と時間帯に再度チェックしてみるのがオススメ。それにより状況が大きく変わることもある。

STEP5 間取り・設備について考える

せっかくの注文住宅、わが家らしい間取りを考えよう

希望の間取りや設備にできるのが注文住宅の醍醐味。憧れの間取りや、今の住まいの不満点も洗い出し、家族で話し合おう。

わが家らしい間取りプランを導きだそう

せっかくの注文住宅。わが家らしい間取りを導きだすには、自分たちのライフスタイルを見直すことから始めたい。次のステップに従って考えてみよう。ただし、敷地の制約や構造上の理由で不可能なことも。この段階ではあまり細かく考えず、依頼先からの提案を柔軟に受け入れよう。

間取りのプランニングの手順

step1どんな形の家をつくれるか調べる

あれこれ夢を描いても、土地の法規制によってできないこともある。まずは敷地条件を調べて、どれだけの広さや高さが使えるかを把握しよう。
また建築現場では日当たりや風通し、周囲からの視線の入り方などの周辺環境についてもチェックしよう。

step2空間を大まかな「ゾーン」で考える

○LDKといった固定観念から離れ、パブリックゾーンやプライベートゾーンなど、空間を大まかな「ゾーン」に分けてみよう。
必要な部屋の名称や数で考えるより、その空間で何をしたいのかを先に考えてみることが大切。

step3部屋と部屋のつながりや動線をイメージする

大まかなゾーニングから、細かい空間のレイアウトへ。家事動線にムダはないか、朝の支度も家族みんなスムーズにできそうかなど、図面に動線を描いてシミュレーションしてみる。
将来の間取り変更のしやすさもチェックしておこう。

step4部屋ごとに収納するモノや置く家具を決める

どこに何を収納するかを決め、必要な収納スペースと場所を割り出す。また、家具や家電のサイズや位置もあらかじめ考えておくのがベター。部屋の広さや形、照明器具やコンセントの数や位置に影響する。

step5ドアや窓の位置、大きさを考える

ドアは部屋の使い勝手や家具の配置を考慮して、内開き、外開き、引き戸を使い分けよう。窓は用途や設置場所に合わせて形状や開く方向を選ぼう。
窓のレイアウトは外観にも影響するということを念頭に置いておきたい。

設備・建材はサイズ・形→グレード→その他の順に決めよう

設備・建材はカタログやインターネットで採用したいものを下調べし、ショールームで実物を見て検討。選んだ後は、タイミングによって変更できないこともあるので、早い段階でしっかりチェックしよう。

家づくりの進み具合に合わせ、早め早めに行動を

設備・建材を実際に設置するのは工事の後半になることが多いが、商品選びは早い段階から進めておくことが大切。間取りや構造に影響することは契約・建築確認申請までに決めておかなければならないし、金額のアップダウンにかかわることは、見積もり確定までに決めておいたほうがいいからだ。
家づくりの各段階で、設備・建材のどこまでを決めておくべきか、次にまとめてみた。ギリギリの段階で焦って決めて後悔しないよう、早め早めに決めていこう。

各段階でやるべきこと、できることを知っておこう

情報収集

間取りや構造に大きく影響することを決める
キッチンスペースや浴室のサイズなど、間取りにかかわる部分は、小さな変更だと思っても他の部位に大きく影響する。大幅な設計変更になることもあるので、よく考えておこう。
耐熱や耐震性など性能レベルも設計に影響するので、しっかり検討しておこう。

見積もり依頼

商品や材料とその費用をよく研究して選ぶ
採用する設備・建材のグレードは、見積もりを頼むまでに決めておきたい。
例えば同じ商品・同じ形状のシステムキッチンでも、使われる扉材のグレードによって倍近い価格差になるというケースもあるからだ。ショールームで実物を見て、グレードまで決めておこう。

見積もり確定

パーツやオプションを含めてすべてを決め、費用を確定
最初に出された見積もりの内容を見直して、見積もりを確定させるにあたっては、金額調整のために設備や建材の機能を削ったり、グレードを落としたりすることが多い。
このときの判断を誤らないためにも、パーツやオプション機能などの必要性をじっくり考えておこう。

契約・建築確認申請

ここですべての商品を決める。建築確認申請後は構造にかかわるものの変更は難しい。

詳細決定→着工

契約後は大幅な変更は避け、色・柄の選定程度に
建築確認後は設計変更ができないため、間取りや構造にかかわる設備・建材の変更はできない。
ただし、この段階でも、依頼先から設備メーカーに発注する前であれば、同じ商品で色・柄を変更するくらいなら間に合うケースもある。何がいつまで変更可能か、個別に確認を。

STEP6 工法・構造を知る

自分の家ともなると、どんな材料を使ってどんな仕組みで建てられるのかといった、工法・構造が気になるもの。それぞれの工法には独自の特徴があり、設計の自由度や工期などにも影響するので、依頼先を選ぶ前によく知っておこう。

材料と組み方で異なる工法の特徴を知ろう

家づくりの工法とは、家の躯体(骨組み)をつくる方法のこと。工法によって躯体の材料も違えば、躯体を構成し、家の重さを支える仕組みも異なる。
家が完成すると外観からは、どの工法で建てたのかわかりにくくなるが、実は多種多様な工法でできている。だが性能面では、現在はどの工法もかなり進歩していて、設計や仕様次第で、いずれもほとんど同じレベルまで達することができる。

それぞれの工法には特徴があり、性能面で得意な分野があったり、設計やリフォームの自由度、工期などにも違いがある。自分の理想とする家を建てるためには、それぞれの工法の特徴をよく知って依頼先を選ぶことも大切だ。

商品の特徴
木造軸組工法 柱という縦の軸、梁などの横軸、筋かいという斜めの軸で躯体を支える日本の伝統的な工法
2×4工法
(ツーバイフォー)
柱・壁・天井の6面体で躯体を支える壁式工法。北米の工法だが、日本でもポピュラー
プレハブ 工場であらかじめ多くのパーツを生産して現場で組み立てる。素材などの違いにより下の4系統がある
(プレハブ)
鉄骨系
主に軽量鉄骨で骨組みをつくる。柱と梁、ブレースで構成
(プレハブ)
木質系
木質パネルで床や壁を構成し、その面の力で躯体を構成
(プレハブ)
コンクリート系
工場生産のコンクリートパネルで躯体を構成し、支える
(プレハブ)
ユニット系
ボックス型フレームでユニットを構成し、現場で組み立て
その他の工法 丸太を用いるログハウスや現場施工のRC造(鉄筋コンクリート造)、鉄骨造もある

STEP7 依頼先の候補を絞り、数社に見積もりを依頼

家づくりの依頼先を決めるにあたっては、複数の会社に見積もりを依頼するのが一般的で、これを「相見積もり」という。依頼先の候補会社を2~3社に絞ったら、同じ条件や希望を伝えたうえで見積もりを出してもらおう。

各社に同じ条件で見積もりを依頼しよう

依頼先候補を2~3社に絞ったら、プランと見積もりの依頼をしよう。
プランは建物の規模を決めて、外観デザインや敷地への配置の仕方、間取りなどを決めるもの。また使う材料や設備などの要望も出して、見積もりを出してもらおう。プランを依頼すると、依頼先はまず敷地の法的条件を調べ、敷地調査、地盤調査を行う。境界線を確認したり、周辺状況を調べて、設計の参考資料とする。地盤調査は、地盤の地耐力、つまりどの程度の硬さの地盤なのかを調べるもの。それによって基礎の仕様が決まってくる。軟弱な場合は、地盤改良や杭打ちを行う場合も。
プラン・見積もりの依頼は、依頼先候補に同じ条件と要望を出して行う。そうしないと比較が難しくなるからだ。したがって見積もりを依頼する前には、設備の種類も含めて自分たちの要望をきちんと整理しておく必要もある。

提出された見積もりを比較しよう

見積もりは依頼後、1~2週間程度で提出される。提出されるまでの間、スムーズに比較検討できるよう、下記を参考にしてチェックしよう。
その際、合計金額に惑わされず、その金額の根拠となる「何が含まれているのか」を照らし合わせながらチェックするのがポイントだ。

●概算工事費

間取図と設備・仕様書に基づいて出された各工事の概算費用と工事費合計がわかる。まずは伝えた予算内でプランがつくられているかどうかチェックを。
また、合計金額だけを比較せず、工事項目ごとの金額の違い、なぜその違いが出たのかを聞いておこう。

●間取図

相見積もりの段階では、平面図のみ提出されるのが一般的。どんな間取りか、敷地をどのように活かしているかなどがわかる。あらかじめ伝えた要望がどこにどのように反映されているかチェックし、プロならではの提案を担当者に説明してもらおう。

●設備・仕様書

キッチンなどの設備、フローリングや屋根材などの内外装材の仕様が、部屋ごとに記載された書類。どの会社のどんな商品を使うのか、依頼先候補が用意してくれるカタログやサンプルでチェックしよう。
ここできちんと確認しておかないと、契約後に慌てて変更して予算オーバーになりがちなので要注意だ。また自分の希望したものが入っているかどうかも要チェック。

不明点や追加要望をまとめ、再見積もりを依頼しよう

見積もりについて各社と納得できるまでやりとりしたら、その中から1~2社に絞り、さらに内容を詰めていくのが一般的。
プランや見積もりに対して不明点があれば確認し、その会社へ追加の要望や修正希望点などを伝えて、見積もりの再提出を依頼しよう。

STEP8 依頼先を決定する

信頼できるパートナーを選ぶときは、さまざまな観点から慎重に判断しよう。
見積もりの金額だけでなく、その根拠となるプランや設備・建材のグレードも確かめたうえで比較検討。会社の業態や保証・アフターメンテナンス体制もチェックしよう。

提出された再見積もりをチェックしよう

依頼先から再提出された見積もりをじっくり読み、再見積もり依頼時に伝えた要望がきちんと反映されているかをチェック。
金額も依頼した通りに修正されているか、工事費明細で確認しておこう。

営業担当者が信頼できるか考えよう

営業担当者が信頼できる人かどうかは大前提。
施主の要望に対し、契約から完成までは数カ月かかり、完成後も付き合いは続くので、楽しく家づくりを進めるためには相性の良さも大切。

会社の規模・業態、保証・メンテナンス体制を調べよう

会社のパンフレットやインターネットを見て、会社の規模や業態などもチェック。
また、建築後の点検時期や無償修理期間などの保証内容と、修理のアフターメンテナンス体制は会社によって異なる。安心して住み続けるためにも、しっかり比較検討しておこう。

1社に決め、依頼したい旨を伝えよう

上記などを踏まえ、総合的に判断して1社に決めたら、契約に向けて商談を進めたい旨、はっきりと伝えよう。
また、それ以外の会社にも断りの連絡を。言い出しにくいからと先延ばしにしていると、お互いに労力のムダになるし、これまでの提案に対してきちんとお礼を言って終わるのがマナーだ。

STEP9 本設計・本見積もりを取る

1社に決定し、間取りや設備・建材が確定したら、改めて本見積もりを取ろう。
平面図や立面図のほか、仕上表や仕様書など大量の資料となるが、これが最終チェックとなるため、見積書と照らし合わせてしっかりチェックしよう。

設備や内外装材を細かく確認しよう

契約後の変更による予算オーバーなどを防ぐために、設備や内外装材の詳細確認は必ずチェックしよう。
また、このタイミングで予算オーバーしているなら、グレードを落とすなどのコスト調整が可能かどうか、依頼先に相談してみよう。

間取りプランを確定しよう

契約後に間取り変更が生じると、費用がアップするだけでなく、工事期間の延長につながりやすい。
平面図以外の図面も出してもらい、きちんと説明を受けて、思い違いがないかどうかチェックしてから間取りプランを確定しよう。

付帯工事費や諸費用の本見積もりを依頼しよう

間取りが確定すると、家本体以外にかかる工事費(付帯工事費)と、工事費以外にかかるお金(諸費用)の概算が決まる。会社によっては、本見積もりに諸費用が入っていなかったり、付帯工事費の一部を見込んでいなかったりするケースがあるので注意。
必ず見積もりをもらい、説明を受けながら内容と金額をチェックしよう。

STEP10 工事請負契約を結ぶ

注文住宅は、どんな家をいくらで建てるという「工事請負契約書」を結ぶ。確認事項がたくさんあるので、事前に資料をもらっておき、しっかりと目を通しておくのがオススメ。もし疑問点があれば、契約前までに質問してクリアにしておきたい。

契約書類は早めにもらっておこう

本見積もりが完成したら、見積書通りの家を建てるという意味で「工事請負契約」を結ぶ。このときに使う契約書類は、以下の通り。支払方法や完成引渡時期など重要な取り決めも多く、書類自体にもボリュームがあるので、できれば早めに書類一式をもらえるように頼み、じっくりと読んでおくのがオススメ。
間取図、設備・仕様書もしっかりと最終確認を。契約後の変更は予算オーバーや工期の遅れにつながりやすい。特に本見積もり以降に変更した箇所がある場合、その内容が正しく反映されているか、間取図などを必ずチェックしておこう。

書類の不明点をクリアにし、契約を結ぼう

契約書、間取図などを見ながら依頼先の説明をひと通り聞いた後に、不明点があればきちんと説明を受け、納得したうえで契約を結ぼう。
なお、契約書に貼る印紙や、工事契約金は現金で支払うことになるため、お金の準備が必要になる。契約印紙税は1万円(工事代金が1000万円超5000万円以下の場合)、契約金は工事費用の約10%を支払うケースが多い。

工事請負契約

契約の基になる書類。工事代金や工期、支払い方法など重要な項目が記載されている。

工事請負契約約款

工事遅延の違約金、瑕疵担保の保証期間など、契約に付随する取り決めが記載されている。

設計図書

平面図、敷地配地図、立面図、設備図、電気配線図など十数種類がある。すべてもらっておこう。

仕様書

水まわりや電気設備の商品名、内外装材の仕上げ方法や商品名などが記載されている。

工事費見積書

最初に総工事費が記載され、次ページ以降は工事項目ごとの金額とその明細が記載されている。

建築確認申請・融資申し込みを依頼しよう

建築確認申請とは、間取りプランが建築基準法などの法規に合致しているかどうかを役所または指定機関に審査してもらうこと。依頼先が申請を代行してくれるケースが多い。
また、融資の申し込みも依頼先が代理で行うケースが多いが、できれば同席し、返済計画に無理がないかなど、窓口でチェックしてもらうと安心だ。

STEP11 工事中の重要ポイントで立ち会う

いよいよ着工。まずは近隣へのあいさつをきちんと済ませ、地縄張りに立ち会おう。地鎮祭や上棟式を行うかどうかもよく考えて。工事中はなるべく現場に足を運んで進行状況をチェックし、完成したら竣工検査にも立ち会おう。

手土産持参で依頼先と一緒に近隣へあいさつに行こう

工事中は車の出入りや騒音などで近隣に迷惑をかけることがあるため、近隣へのあいさつは工事開始前に行くのがマナー。依頼先の担当者に同行してもらい、工事日程や緊急連絡先の説明をしてもらおう。
その際に渡す手土産は、依頼先が用意してくれることが多く、社名入りのタオルが一般的。施主側としても何か用意したい場合、お菓子やタオル、洗剤などの日用品が選ばれることが多く、1軒1000円くらいが目安。

地縄張り・地鎮祭を行う

地縄張りとは、敷地の中に建物外周の形通りにビニールひもなどを張り、建物位置を表す作業。必ず立ち会って、隣家や道路との位置関係、駐車スペースとの兼ね合いを確認しよう。
地鎮祭とは、土地を守る神様に工事の安全を祈願する儀式。行うかどうかは施主の考え方次第なので、家族で相談を。地鎮祭を行う場合、依頼先に一任するか、自分で神主さんに頼んで手配しよう。

工事現場に行って進行状況を確認

着工したら、ときどき現場に行って進行状況を確認しよう。職人さんに差し入れをしたいなら、作業の邪魔にならないよう、どの時間帯がいいかを依頼先に相談しよう。また、工事現場で疑問点を見つけた場合は、職人さんではなく、依頼先の営業担当者や現場監督に確認するようにしよう。
また、着工時と上棟時にそれぞれ「着工金」「中間金」として工事費用の約30%ずつを支払うのが一般的。

上棟式を行うなら日程を決めよう

上棟式とは、建物の骨組みが完成して屋根ができた段階で、工事関係者と工事の安全を願う儀式。宴席を設ける本格的なスタイルは最近では少なく、ご祝儀を渡すだけのケースも増えてきている。
工法によっては上棟という概念をもたないものもあり、行うかどうかは施主の意向にもよるので、依頼先や家族と相談を。行う場合は日程を決め、ご祝儀や宴会の準備を進めよう。

竣工検査に立ち会い、完了検査を受けよう

建物が完成した段階で、営業担当者や工事責任者と一緒に建物をチェックして回るのが竣工検査。特に床や壁などに傷や汚れはないか、建具の開け閉めはスムーズか、設備は正常に使えるかなど、依頼先の説明を受けながら施主が確認していく。
不具合を見つけたら引き渡しまでに修理してもらうか、入居後に修理してもらうかの確認を取り、書面に残しておこう。

STEP12 引き渡しを受け、新生活をスタート

新居の鍵と保証書をもらって引き渡しを受けたら、引越しをして新生活をスタート。
新居に合わせて家具・家電を買ったり、入居後にもいろいろな税金がかかるので、残りの予算もしっかり管理。メンテナンスの費用も蓄えておこう。

鍵と保証書をもらって引き渡し

竣工検査で見つけた不具合の修理が終わったら、依頼先が作成した「工事完了書」に捺印し、いよいよ引き渡しとなる。
鍵と保証書を受け取り、定期点検・アフターメンテナンスの内容や時期、故障時の連絡先などについて聞いておこう。

ライフラインの手続きをし、引越し

引越しの日程を決めたら、工事のために依頼先が仮設使用していた電気・水道・ガスを施主名義に変更する手続きを。依頼先が代理で行ってくれるケースもあるので相談してみよう。
また、引越しを引越し会社に依頼するなら、複数の会社から見積もりを取って比較検討するのがオススメだ。

税金の支払いや、メンテナンスのための積み立ても忘れずに

入居後も、新居に合う家具・家電などの購入、税金の支払いなどとさまざまなお金がかかる。税金は、入居後に一度だけ支払う不動産取得税と、毎年支払う固定資産税・都市計画税がある。金額の目安は依頼先や役所でも教えてくれるので、事前に聞いておこう。
また、いつか必要になる家のメンテナンスのために費用の積み立てをするのもオススメ。将来の安心にもしっかり備え、新生活を楽しもう!

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