これまでも雑貨や小さなインテリアなどは手づくりしていたが、工具を使うDIYはまったくの初体験。はやる気持ちとは裏腹に、一つひとつやり方を調べつつの作業は時間と苦労を要した。
「早く落ち着く空間をつくりたいという気持ちもありましたが、仕上げにこだわりたかったので、作業の手順や必要な道具、材料などはネットで調べて、情報収集しました」
とはいえ、ベニヤ板の下処理のためにヤスリをかけたり、下地を補強するためにシーラーを塗ったり、壁塗装のために養生をしたりと、初めてだらけで戸惑うことが多かったそうだ。
「特にこだわったのは一番広い壁を土壁風に仕上げたこと。漆喰を塗ってからペイントするのですが、完成度を高めるために、塗装→乾燥を何度か繰り返す必要があり、壁2面塗り終えるまでに1カ月ほど掛かりました。でも、壁塗りだけだったため大掛かりな工具も必要なく、DIYをしながらの暮らしは特に不自由さを感じませんでしたね。むしろ、週末に友達4人とワイワイ楽しくペイントしたのはいい思い出です」
基本的には仕事から帰宅後のスキマ時間や休みの日を利用して、マイペースに進めていったそう。また、ペイントだけにとどまらず壁にフックや棚を取り付け、さらに家具も手づくりしたという。
「引越しのときに家具が何もなかったので、買うくらいなら思い切ってつくってみようと思いました。実は、以前の入居者がデザイナーさんで、何かをつくろうとされていたのか、もらってきたという廃材の物流用木製パレットを大量に残してくれていて、無料で自由に使うことができたのも大きかったですね。どの廃材をどうやって組み合わせてつくっていくかについては、当時DIYに詳しい入居者がいたので、設計から相談しながらつくり上げることができました。例えば、ベッドサイドのサイドボードは休みの日を利用して1日で一気に仕上げたものです」
なお、掛かった費用はベニヤの下処理とペンキ代などトータルで5万円くらい。「ずっとトライしたくてしかたなかった」というだけあって、小笠原さんの満足度は高いようだ。
憧れのアメリカ西海岸の海をイメージした柔らかい風合いのブルーにペイント。ちなみに、現在イルカと一緒に泳ぐ「ドルフィンスイム」にハマっているという
当面の目標について「個室の壁の白い部分が寂しいので棚か何かをつけたいな」と語る小笠原さん