工法&間取り講座

09年08月19日
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工法編間取り編

工法&間取り講座 間取り編

どこにどんな部屋をつくって、その大きさは? 部屋のつながりは?などを決めるのが間取りの作業。その基本と図面の読み方の基礎も覚えておこう。

01:敷地に建物をどう配置するかから考える

間取りを決める前にまず考えておかなければならないのは、建物を敷地にどう配置するか、ということだ。その際の大事な要素としては、敷地面積や形状、さらに道路の位置(方位)。また隣家の位置と距離も重要な要素になる。
北側道路の場合は、南に庭をとれるが、出し入れしやすい場所に駐車場を確保することを忘れずに。南側道路の場合は庭やアプローチと駐車場を兼用できる利点が。下図がそうで、駐車場により道路とほどよい距離感を確保している。
あまり隣家に近すぎてもお互いに困るし、窓が隣家の窓に面したり、玄関が向かい合ったりしないよう気をつけたい。

配置図

配置図

02:部屋数と部屋の配置を決めていく

敷地への配置が決まったら、次は家族構成に応じて必要な部屋数を割り出し、配置を決めていこう。一般に1階にはリビングなどパブリックゾーンを、2 階に個室をとるケースが多いが、1階に日照が確保できない場合は、2階リビングという発想の転換も。日当たりが確保しにくい場合は、中庭を設けてコの字に部屋を配置するという方法もある。
また、子ども部屋の配置は親の部屋から様子がうかがえるようにするなど親子のコミュニケーションのことも考慮しておきたい。二世帯が同居する場合は、騒音で悩まさないよう、親世帯の部屋の上に水まわりや子ども部屋を配置しない配慮を行いたい。二世帯の間に適度な距離感を保つ必要も。
また必要な収納スペースの確保を忘れないように。

03:人が移動するときの「動線」がスムーズか

配置を決めた後にチェックしたいのは動線。家事動線を短く、がポイントだ。キッチンからバス・サニタリーが遠いようでは調理と掃除・洗濯を同時にするようなとき不便。寝室とトイレも近いほうが便利。また、キッチンやバス・トイレへは、リビングやダイニングを通らなくても行けるように別の通路を確保しておきたい。
リビング内に階段をつくるのかどうかもポイント。空間の広がりが得られ、家族のコミュニケーションをとりやすいことからリビング内階段が増えているが、断熱性が低いと寒いので注意したい。

04:平面図では部屋の配置、動線がわかる

平面図は、いわゆる間取図のことで、各階ごとに、およそ目の高さからみた平面の様子が表現される。部屋の配置や広さ、階段や収納、キッチンなどの位置がこれでわかる。ただそれぞれの位置はわかるが高さまではわからない。
また基本設計段階(相見積もりなどのとき)で出されるものと本設計とはきめ細かさが異なり、本設計では、柱や筋交いの位置までわかるが、基本設計ではそこまでは書き込まれないことが多い。
平面図をもらったときに確認したいことは、部屋の配置や数、広さが要望通りかどうか。動線はスムーズか、など。図面を指でたどりながら、暮らしをイメージしてみよう。
例えばクルマで買い物から帰ったとき、荷物をどこに一時置きするのか、コートはどこで脱ぐのか。どこでくつろぎ、テレビはどこで見るのか、といった具合に自分の生活に照らして検討しよう。
なお、間取図をたどるためには、基本的な記号を覚えておく必要がある。本誌の実例ページなどで、ふだんから読み取るトレーニングをしておこう。

平面図

平面図

05:立面図と断面図で、立体的にイメージできる

立体的に把握できるのが立面図と断面図。
立面図は東西南北から見た外観形状を示したもの。外から見た窓や玄関ドア、勝手口、バルコニーの位置やデザインが具体的にわかるようになっている。
また仕上表(設計図書に必ず付いてくるべきもの)と照らし合わせて見ていくと、外装の各部位の材料がすべて確認できる。サッシの品番などもそれで確認しよう。より立体感をつかみたい場合は、カラーパースやCGを使った画像を提供してもらうとよい。
断面図は、建物をタテに切断した内部の様子を表したもの。例えば天井の高さや半地下、吹抜け、ロフトなど、平面図でも立面図でもわからないことが、断面図を見ると、どうなっているのかがわかる。断面図も2方向から見た様子が描かれる。
こうして平面図と立面図、断面図を併せて見ることで、家の様子が立体的にイメージできる。

立体図

立体図

断面図

断面図

06:展開図で建具や窓の位置、高さがわかる

展開図は、部屋の真ん中あたりから見た、壁面の様子を描いたもの。これも東西南北の壁面が描かれることが多い。 展開図には立面図や断面図には表せない高さや位置が記載される。ドアや窓の形がイラストのように具体的に描かれるので、初めて見る人でもイメージがつかみやすい。
例えば下の図を見ると、扉や窓、収納がどの位置に、どの高さまで付いているのか、キッチンの高さはどうなっているのか、照明器具はどこに付くのかなどが明瞭にわかる。ただ前後の位置関係は展開図ではわからないので、平面図と照らして見る必要がある。
すべての部屋が描かれるので、どの図がどの場所を描いたものであるのかを、確認しながら見ていこう。例えばトイレの場合、便器の大きさ、高さ、ペーパーホルダーの位置、高さまで、はっきりわかる。これらはふだんの使い勝手に直接影響する部分なので、家族の誰にも不都合がないかをよく確認しておこう。
さらに壁面や収納の仕上げ材料も記載されるが、仕上表(前述)と併せて見ていくと、よりわかりやすい。どの材料をどこにどれだけ使うのかが展開図でわかるので、見積もりのチェックにも役に立つ。
展開図をよくチェックしておかないと、工事が始まってから形になったものを見て、気に入らないからと変更を要求することになりがち。費用もアップしてしまうので、事前によくチェックするよう心がけたい。

展開図

展開図

展開図

展開図

07:電気設備図でスイッチ、コンセントを確認

設備図には電気設備図、給排水・ガス・冷暖房設備図などがある。左に掲載したのは電気設備図。
電気設備図は屋外から引かれた電気が分電盤を通って、各部屋に配線されていく経路とスイッチ、コンセント、照明器具の位置、さらにテレビやLAN配線などを書き入れたもの。
一般の人が見てもわかりやすいように、配線経路を詳しく書き込まずにスイッチの位置と照明を線でつないで関係を示すのみのケースもある(下図の場合)。それだけで、どこにどのような照明器具があって、どこで点滅するのかがわかるからだ。
電気設備図を見ていくときは、各部屋のコンセント・スイッチの数と位置は要チェック。また、照明だけでなく、わが家の家電製品をすべて(これから購入予定のものも)リストアップ。それらを予定通りの場所に配置できるか、コンセントが付いているかをよくチェックしておこう。
これも平面図のチェックと同じで、朝起きてコーヒーをいれる、パンを焼くといった具合に暮らしをイメージしながら図面をたどってみよう。例えば、掃除機はなるべく同じコンセントで広範囲に掃除できるほうがラク。コードの長さに応じてコンセントの位置を決めたい。こうしたことはあらかじめ設計のときに要望を出しておいて、図面で確認する。後で困らないように念入りにチェックしよう。

電気設備図

電気設備図

凡例

凡例

08:ワンポイント法律講座

●建ぺい率・容積率

建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見下ろして、壁の中心線で囲まれた部分)の割合。容積率は敷地面積に対する延床面積(各階面積の合計)の割合。敷地面積100m2で、建ぺい率60%、容積率150%なら建築面積は60m2、延床面積は150m2まで。

建ぺい率の計算式 容積率の計算式

●斜線制限

「道路斜線制限」は、道路の反対側の境界線から一定の角度で延びる斜線の中に、「北側斜線制限」は北側隣地境界線から5mないし10m立ち上げたところから延びる斜線の中に建物を収めなければならない。

北側斜線制限 道路斜線制限

構成・文/林直樹 図版/長岡伸行 デザイン/後藤理恵(バナナグローブスタジオ)

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