結婚・出産をしてからも働き続ける女性は、さまざまな不安やストレスを抱えがち。そのなかでマイホームを買うことは、どのような意味があるのだろう。今回は、それぞれの仕事で活躍しながら住まいの購入を経験した3人の女性をクローズアップ。家選びの視点から購入のタイミング、お金のことまで、その本音を聞いてみた。
atelierKeym主宰
萩谷麻衣子さん
本人34歳、夫34歳
長男4歳、長女1歳
買った家/東京都稲城市
約95m2・3LDK
自宅で教えているのは、厚紙を組み立て布や紙を貼って仕上げるカルトナージュというクラフト。「転職先の先輩の影響でハマったのがきっかけです。この楽しさを多くの人に伝えたいと思い、28歳で教室を開きました」。現在は高齢者施設などでの出張レッスンも請け負い、講師の育成・派遣も仕事の一つに加わっている。
賃貸時代は、駅近くのスペースを借りて教室を開催。「拠点をもちたい」と考えていたところ、下の子が生まれて家が手狭になったため、新築マンションの購入に踏み切った。「家選びは教室を開くことが前提。生徒さんの通いやすさから、駅徒歩5分以内などを条件にしました」間取りで重視したのは、レッスンの場となるリビングの広さと明るさ。結果として、子どもたちがのびのび過ごせる快適な住まいを手に入れることができた。
子どもたちが幼稚園や保育園から戻ってからは、ママでいる時間。出張レッスンの段取りなど仕事が残っていても、区切りをつけて、毎日短い時間でも思いっきり遊ぶようにしている。「ながら仕事・ながら遊びは、結局どちらも中途半端。しっかり向き合う時間をつくることで子どもたちの気持ちも満たされるので、仕事と子育てのバランスが取れるようになりました」
現在の住まいは、結婚してからの貯蓄を頭金にして購入。住宅ローンは、全額夫が負担している。仕事のための借り入れはしないのがモットー。「教室の収入は生徒さんがより充実した時間を過ごせるように、全て運営費に充てています。今後余裕が出れば、将来の教育費のために貯蓄をしていきたいです」
株式会社プラスカラー代表取締役
佐久間映里さん
本人33歳、夫36歳、長男0歳
買った家/東京都目黒区
約75m2・3LDK
企業の広報育成や採用サポートなどを行う「プラスカラー」。代表の佐久間さんが会社を起こしたのは、子育て環境を整えるためだ。「私の理想は、子連れで働ける職場。日本では見かけなかったので、自分でモデルケースをつくろうと考えました」。昨年、長男が誕生してからは、社長自ら子連れワークを実践中だ。
企業の広報育成や採用サポートなどを行う「プラスカラー」。代表の佐久間さんが会社を起こしたのは、子育て環境を整えるためだ。「私の理想は、子連れで働ける職場。日本では見かけなかったので、自分でモデルケースをつくろうと考えました」。昨年、長男が誕生してからは、社長自ら子連れワークを実践中だ。
職場へは長男を連れて出勤し、様子を見ながら業務をこなしている。寝ている長男の横で、取引先と打ち合わせする場合もあるとか。「こういう働き方もできることを発信するのも仕事のうち。ただ、一人でじっくり考えたい内容もあるので、土日は夫に子どもを見ていてもらい、カフェなど外で仕事をしています」
住宅ローンは夫が全額負担。頭金なしでの購入だったが、毎月の返済額は家賃よりも10万円ほど安くなった。「以前はお財布が別々で夫の給料さえ知らなかったのですが、購入を機に家計を一本化。家計の可視化ができました」。保険の見直しをしたほか、将来教育費を真剣に考えるようになったのも大きな収穫とか。
サイボウズ株式会社
プロモーションディレクター
山口ほだかさん
本人41歳、夫50歳、長女7歳、長男3歳
買った家/東京都世田谷区
約79m2・3LDK
結婚を機に上京。派遣社員として働いていたITソフトウェア会社「サイボウズ」で、正社員に登用された。33歳でマネージャーに。現在はプロモーションチームのリーダー。責任のある立場で、雑誌の記事広告やウェブサイトの企画など広報戦略を立てている。「広告の反響がよかったときにやりがいを感じます」
山口さんが購入したのは、キッズルームや緑豊かな中庭など、子どものための共用施設がそろった大規模マンション。子どもだけでも安心して遊ばせられるそうだ。保育園も敷地内にあり、小学校も目の前。「保育園はこのマンションに住む子が多く、仕事が長引いてもママ友達にお迎えを頼みやすい。共用施設で習い事の教室が開かれているのもうれしいですね」
下の子が小さいため、現在は時短勤務中。業務時間を有効に使えるよう、朝や帰りの電車内でメールチェックを欠かさないそうだ。子どもが体調を崩したときや、学童や習い事がなく子どもが家にいる日などは、リモートワークに切り替えて自宅で作業できるから子育てと両立しやすい。自宅からノートパソコンを使ってTV会議に参加することも可能だ。
マンションの購入にあたり、不安の一つだったのは頭金。契約から入居まで2年間あったため、その間に精力的に貯蓄をして解決した。「夫も転職をしていて多額の住宅ローンが組みにくいのではないかと考え、夫3分の2、私が3分の1で分配。住宅ローン控除がそれぞれ受けられるというメリットも考慮しました」
SUUMO新築マンション首都圏版 2016年11月15日号から抜粋
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