これから教育費が増えてくる世帯には、どのようなローンが有利なのか。
子育て世帯の家計に詳しいファイナンシャルプランナーに聞いた。
※金利や商品情報は、2016年11月29日時点のデータになります。最新情報は各金融機関の公式情報をご確認ください。
▼お話をきいたプロ
ファイナンシャルプランナー 飯村久美さん
子育て世帯を中心に、住宅ローンや家計の相談を多数受ける。著書に『子どもを持ったら知っておきたいお金の話』(中経出版)など
※イ(イオン銀行):記載の事務手数料は定率型。ほかに、適用金利が0.2%上がり、借入額にかかわらず10万8000円(税込)を支払う定額型がある。また、記載の金利はイオン銀行のみ11月10日時点のもの
子どもの成長に合わせて返済額を変更できる「コントロール返済」が魅力。繰り上げ返済をしておくと、その分手数料なしで元本部分の返済を後回しにできる。教育費がピークになる高校から大学までの時期に、この機能が使えると安心感が高い。病児保育サービスや家事代行に利用できるクーポンや、所定の要介護状態で保険が下りる団信が付くのもメリットだ。
借り入れから5年間、イオングループの商業施設での買い物が5%オフになる(上限金額あり)。お客様感謝デーに買い物すればさらに5%引きに。ベビーカーやおむつ、衣料品、食料品など何かと出費がかさむ子育て世帯にはありがたい特典だ。変動型が0.57%、10年固定型が0.69%と金利が低く設定されていることもうれしいポイント。
がんや脳卒中など8疾病保障が無料で付けられるのは、子育て世帯には安心感が大きい。他の銀行では保険料が金利に上乗せされるケースがほとんど。また他行の口座から返済口座へ毎月指定金額を手数料無料で入金できるサービスもある。これから教育費を貯蓄していかなければならない世代にとって、少しでも手元に現金が残せるローンは助かるだろう。
住宅購入後は住居費が固定されてしまうので、教育費で想定以上にお金がかかってしまったときに対応できるように準備することが必要。一般的には高校から大学までがピークなので、それまでに住宅ローンを返済しながら十分貯蓄できる返済額に設定するのが基本だ。あるいは新生銀行のように、返済額の調整がきく柔軟なローンを選ぶといいだろう。
共働きの増加で、片方だけでなく夫妻それぞれローンを組むペアローンが増えている。
2つのローンのベストな組み合わせはどれとどれ?
▼お話をきいたプロ
ファイナンシャルプランナー 村元正明さん
共働き世帯の相談を多く引き受け、ペアローンやライフプランのアドバイスを行う。All About「住宅にまつわるお金」ガイド
※保:保証料を金利に上乗せする「内枠方式」の場合。ほかに保証料の一部または全額を前払いする「外枠方式」があり、結果的に支払う保証料の合計額が異なる場合がある
※ネット:インターネットバンキング等のサービス利用の場合のみ0円。窓口では有料
ペアローンに多い連帯"保証"型は、夫妻のどちらかに万一のことがあった場合、その人の住宅ローンの残高に応じた保険金が支払われて返済はなくなるが、遺された配偶者の住宅ローンはそのまま残る。このローンは連帯"債務"型の連生団信付き。万一のことがあった場合、夫妻ともローンの残債が0円になる。2人の収入を合わせて購入を考えているケースにぴったりだ。
夫妻のキャリアプランによって世帯収入が変動しやすい共働き。この住宅ローンなら、返済途中で一定期間の返済額を減らすだけでなく、増やすこともできる。世帯収入に余裕のある時期は返済額を上げることで、後々返済額を減額することが可能だ。逆に家計が厳しい時期は減額しておいて、後で余裕ができたら増額することもできる。
夫は通常のローンで、妻はこの女性限定の「凛next」を借りるプラン。妻に万一のことがあった際に、妻の分の返済が夫にかかるのを防ぐローン返済支援保険付き。保険料は無料で、疾病・障害により30日間を超える就業障害(医師の指示による自宅療養を含む)が継続した場合に、毎月の返済額(ボーナス返済も含む)とほぼ同額が最長3年間保険金として支払われる。
ペアローンには「連帯債務」と「連帯保証」の2パターンがある。夫妻の連名でローンを組む連帯債務は、2人で団信に入るため(連生団信)、どちらかに有事があれば残高がゼロになる。一方、連帯保証の場合は夫妻が個別にローンを組むのでパートナーに有事があっても自分の分のローンは残る。プロとしておすすめするのは、よりリスクの少ない「連帯債務」だ。
子育て向けの割引サービスが充実
住宅ローン利用者全員に無料で、ベビー用品のオンラインショッピング向け4300円相当のポイントを付与。スタジオアリスの撮影が1回無料になったり、家事代行サービスの優待などが受けられる。何かと出費の多い子育て中のファミリーには助かるサービスだ。
携帯料金などをキャッシュバック
住宅ローンを借りている人がauのスマートフォンや通信サービスを利用すると、最長60カ月間、毎月500円がキャッシュバックされる。ママ友との情報交換や子守りをしながら動画鑑賞など、携帯・スマホのヘビーユーザーにはありがたい特典といえそうだ。
出産後6カ月以内の申し出で金利優遇
住宅ローンを組んだ女性が、出産の前から後半年以内に申し出ると、0.2%の金利の優遇を1年間受けられる。そのほか、女性限定の海外旅行・国内旅行特典(住宅ローン契約日から3年以内)など、妻がローンを組むことで得られるメリットが多い。
女性は無料で10年間医療保障
女性が1000万円以上の住宅ローンを組むと無料で10年間、指定の医療保険に加入できる。ケガや病気で入院したら、入院初日から1日あたり1000円受け取れるというもの。医師や看護師に24時間電話相談できるサービスや、メンタルヘルスケアも無料だ。