昨年の10位から一つランクアップしたのが「天王寺」(大阪市天王寺区)。市営地下鉄天王寺駅は御堂筋線と谷町線が接続するほか、JRの巨大ターミナルでもある。また近鉄南大阪線の大阪阿部野橋駅との接続駅でもあり、大阪南部の玄関口ともいえるターミナルだ。関西空港とのアクセスも良いため、近年は外国人観光客も急増している。
天王寺エリアの象徴とも言えるのが2014年にオープンした「あべのハルカス」だ。地上60階建て・300mと日本一の高さを誇り、近鉄百貨店や高級ホテルも入居する超高層ビルは大阪中から目にすることができるランドマークとなっている。隣接するショッピングモール「あべのキューズタウン」は2011年の開業以来、若い女性層を中心とした支持を集める人気のスポットだ。「あべのキューズモール」では2016年に大規模リニューアルも実施し、大型電気店なども新たにオープンしている。また、隣接する場所には2017年4月にホテル一体型のドン・キホーテもオープンした。
その一方で、道路を一本へだてると広大な天王寺公園にも面しており、2015年11月には公園のエントランスエリアが「てんしば」としてリニューアルオープン。レストランのほか、キッズやペットも一緒に楽しめる施設、さらには外国人向けゲストハウスも整備されている。季節ごとにさまざまなイベントも催され、外国人観光客を含めた多くの来場者で賑わっている。
一方、周辺には私立中高校や大学校なども多く、学びの街でもある。若い女性から子育てファミリー層まで、多くの世代がさまざまな楽しみ方ができるエリアでもあるのだ。隣接する阿倍野区金塚地区では1976年から進められてきた「阿倍野再開発事業」が、道路整備の一部を残してほとんどの建物が完成を迎えている。総事業費4810億円をかけ、住宅や店舗、事務所など29棟の建築物が誕生し、約3100戸の住宅も供給されている。
家賃相場について見ると、賃貸マンションでは1K・1DKで平均5万7000円、1LDK・2K・2DKは8.3万円、2LDK・3K・3DKは10.7万円。また、新築分譲マンションの購入価格は、3260万円~、中古マンションは1080万円~となっている。(SUUMO掲載情報より抜粋、2017年7月9日時点)
生活利便性と自然環境の良さを兼ね備え住宅の選択肢も多い天王寺は、今後も大阪南部エリアで注目の街となるだろう。