住みたい街ランキング1位の「恵比寿」を擁する渋谷区が、昨年から順位を5つあげて4位にランクイン。原宿や代官山、表参道などトレンドの発信地があることから、若い世代を中心にファッション感度の高い人が多く集うエリアだ。
区の中央には「明治神宮」と「代々木公園」があり、広大な緑が広がっている。また、南側には個性派のアパレルショップが多い代官山や恵比寿、西側には洗練された住宅街やレストランが立ち並ぶ代々木上原など、女性向け雑誌で度々特集される街が点在している。
渋谷地区周辺は、1934年に関東発のターミナルデパート「東横百貨店」が開業して以来、ファッション専門店や飲食店などが密集する一大商業地として繁栄。今後は、2027年までに段階的な駅の大規模リニューアルを予定しており、駅構内の複雑さも解消される見込みだ。駅前には屋上庭園がある超高層ビルが建つ予定で、2020年には桜丘口の周辺に3棟のビルが竣工。歩行者デッキも整備され計画、駅前の景観は一変する。
行政のサポート事業として特徴的なのは、「ハッピーマザー出産助成金」制度。1人の出産につき最大10万円を支給するもので、何かと物入りになる産後の経済負担を軽減してくれる。ほかにも、保護者にリフレッシュしてもらうため、生後3カ月から就学前の子どもを一時預かりする「SKIP(スキップ)」を設けるなど、子育て支援に積極的だ。また、南新宿には子どもがアートとふれあうことで感性と創造性を育む場所として「かぞくのアトリエ」という独自の施設を開設している。
待機児童対策としては4年間で1000人規模の定員を確保してきたが、区では今後も新たに土地を購入し、保育園を増やすことを明言。夫婦共働き世帯への配慮にも期待できそうだ。
また、渋谷区は昨年、同性のカップルに向けた「パートナーシップ証明書」を発行するなど、多様な個性を受け入れる街としても注目度を増している。街そのものだけでなく、行政の姿勢や文化の面でも最先端を走っているエリアといえそうだ。どの地区も賃料コストは軒並み高いが、それも渋谷区民のステータスを得るためには必要な対価なのかもしれない。