徳川幕府開府以来、首都の中心地として発展してきた千代田区。現在も霞ケ関には国会議事堂や首相官邸、中央省庁などの中枢機関が集積しているほか、丸の内、大手町、日比谷を中心に銀行の本店や大手企業の本社がズラリ。政治、行政、経済において、日本の中核を担うエリアといえるだろう。
区域は皇居を中心に放射状に広がる。北側には、大型家電量販店などの繁華街で知られる「秋葉原」、学生の街としてにぎわい楽器の聖地とも呼ばれる「御茶ノ水」、下町文化が残り日本一の古書店街が有名な「神田神保町」など、商業から学業まで多様な表情をみせるエリアである。一方、東側から南側にかけては、東京駅を中心に丸の内や大手町、有楽町にはオフィス街が形成され、平日は多くのビジネスパーソンが行き交っている。
居住地としては、23区にある住宅街のなかでも皇居西側にある「番町」が有名。江戸時代には将軍の警護にあたる旗本が住居を構えた歴史があり、現在も山の手を象徴する住宅地として憧れを集めている。
また、近年では御茶ノ水駅近辺や飯田橋、大手町などでも住宅の整備が進む。神田淡路町に誕生した商業施設「ワテラス」にはレジデンスと学生マンションがあり、飯田橋駅徒歩2分のプラーノモールに併設される「プラウドタワー千代田富士見」、さらには大手町周辺の再開発により2017年に完成する高層ビルには、22階から29階部分に大手町エリア初の住機能を兼ね備えるサービスアパートメント「アスコット丸の内東京」(全129戸)が誕生する。
「ビジネスの街」というイメージが根強い千代田区だが、居住者へのメリットも大きい。例えば、最高裁判所の目の前にある国立国会図書館東京本館は、日本唯一の法定納本図書館。日本国内の出版物すべてを収集・保存しており、館内で閲覧することができる。また、千代田図書館は平日22時まで開いており、仕事帰りに立ち寄ることもできそう。無料で電源と有線・無線LANが利用できるため、会社帰りにセカンドオフィス的な使い方もできそうだ。
一方、子育て支援も手厚い。過去10年で7回の「待機児童ゼロ」を達成しているほか、区が私立認可保育所等を開設するにあたっての経費の助成や、開設時間13時間以上の認証保育所を誘致するなど、育児へのサポート体制を整えている。ほかにも、公園や区民施設では、一部エリアで子どもが自由にボール遊びを楽しめる「子どもの遊び場事業」を展開。プレーリーダーのお兄さんやお姉さんが、安全管理や道具の貸し出しも行うだけではなく、遊び相手にもなってくれるため、安心して子どもを外で遊ばせることができそうだ。
さらに、有名私立高校も多く、教育水準の高さも大きな魅力といえるだろう。
文化と伝統が根付くハイクラスエリア。住居コストや物価の高さは言わずもがなだが、快適性とステータスはピカイチだといえるだろう。