4年連続で2位に入ったのは「梅田」。この調査では、阪神電鉄、阪急電鉄の梅田駅、市営地下鉄の梅田駅を合わせて集計したものを「梅田駅」としている。梅田は多くの路線が集まる巨大ターミナルであると同時に、さまざまな百貨店や専門店が集積する商業の街でもある。さらに、大型最新オフィスが建ち並ぶビジネス拠点としての顔、大阪の2大繁華街「キタ」に隣接するナイトスポットとしての顔ももつなど、多彩な魅力を備えている。
2013年4月に開業した「グランフロント大阪」には、オフィスとナレッジ・キャピタル施設、専門店街、高級ホテルやタワーマンションが並び、新しい梅田のシンボルとして定着した。このエリアはJRの貨物駅跡地の再開発によって誕生した「うめきた」の先行開発区でもあり、隣接する「うめきた2期」の整備計画も動き始めている。JR大阪駅の北側に広がる広大な更地は、「みどり」と「イノベーション」の融合拠点となることを目標として具体的なプランの検討が進められている。敷地面積16.2haのうち約8haは緑化される方針で、大阪都心部に広大な緑地が誕生することになりそうだ。関連事業としては、JR東海道線支線の地下化と新駅設置工事がすでに着手され、2022年度の開業を目指している。
梅田駅周辺でも各種の再開発が進んでいる。阪急百貨店の建て替えや大丸梅田店の増築に続き、2015年から阪神百貨店も建て替え工事がスタートし、2022年の完成を予定している。遅れていた梅田3丁目の大阪中央郵便局跡地の再開発も動きだしており、大阪駅南側に40階建ての高層ビルが建設される予定。また、梅田から徒歩圏の中津駅では、ホテル跡地の再開発計画が具体化し50階建てのタワーマンションが登場する予定だ。このほかにも再開発やマンション開発が目白押しとなっている。
梅田周辺の住宅事情だが、実は「梅田」として捉えられる街の範囲は広く、地下鉄中津駅、阪急中津駅、阪神福島駅など近隣の駅や、バス便利用で最寄駅を「梅田」として分譲されている新築マンションも多い。こうした周辺エリアからは徒歩や自転車による移動もできるうえ、必要に応じてタクシーなどを利用すれば「梅田で暮らしている」という実感は得られるはず。都市での暮らしを満喫できる住宅の選択肢は想像以上に多いのだ。
新築マンションでは徒歩17分のタワーマンションで、60m2の2LDKが4200万円台から販売中だ。中古物件では駅徒歩10分圏ではタワーマンションが中心となる。例えばグランフロント大阪のタワーマンションで60m2の1LDKが7500万円、茶屋町のタワーマンションでは50m2弱の1LDKが4300万円と幅広い一方、徒歩9分で築33年の3LDKが2590万円とリーズナブルな価格帯の物件もある。北区中津、中崎町、大淀、福島区福島といった周辺エリアは古くからの街並みが残る場所もあり、範囲を広げると中古物件の選択肢は大幅に広がるだろう。
賃貸物件では、シングル向けからファミリー向けの2LDK、3DKも10万円以下から探せる一方で、グランフロント大阪のタワー棟では90m2台で55万円と、予算とニーズに応じてさまざまな選択が可能だ。賃料相場は2LDKで20.2万円、3LDKで24.7万円。(SUUMO掲載情報より抜粋、2016年3月4日時点)
大阪の中心駅として、梅田の存在感はこれからも揺るぎないものであり続けるだろう。