前年の12位からトップ10にランクインしたのは神戸市灘区。東側の東灘区、西側の中央区と並んで神戸市の3つの区が上位にランクインすることになる。また、2016年3月に開業したJR神戸線の新駅「摩耶(まや)駅」が位置しているのも灘区で、もともと梅田や三宮への利便性が高いエリアであるが、さらにアクセスは改善された。
灘区の面積は32.66㎢、2015年国勢調査によると人口は13万6130人、5年前よりも2679人・2.0%増加した。阪神・淡路大震災による被害が大きかったエリアでもあるが、復興にともなって新築された住宅街も多く、近年では人口の増加傾向が続いている。
阪急神戸線より山側には古くからの住宅街が広がり、阪急神戸線六甲駅は六甲ケーブルへの乗り継ぎ駅でもある。六甲山を登ると六甲山展望台や六甲山牧場、摩耶ロープウェーといった観光施設も点在している。六甲山の麓には神戸大学や松蔭女子学院大学のキャンパスもある。
阪急神戸線から国道43号線にかけてのエリアは一戸建てやマンション、商業施設などが混在する市街地が広がっている。阪急、JR、阪神の3路線が並行して走っており、非常に交通利便性の高いエリアでもある。区の西部には神戸市立王子動物園や王子公園があり、バリエーションに富んだ観光スポットを有しているのも、灘区の特徴といえるだろう。
JR神戸線の灘〜六甲道間に開業した新駅「摩耶(まや)駅」は、JR西日本が主導して設置した新駅で、もともとは貨物駅が合った場所だ。駅の隣接地では、遊休地を活用して大型マンション開発も同時に行われている。周辺では新築マンションの開発も続いているエリアなので、利便性がアップによって灘区の人気も、さらにアップしそうだ。
その南側、国道43号線よりも海岸沿いのエリアは埋め立て地を中心にして、鉄鋼メーカーなどの工場が建ち並ぶ工業地域でもある。灘区はその名前の由来ともなった「灘五郷」と呼ばれる酒蔵があった場所。今でも酒造メーカーの本社や工場がおかれている。
子育て事情をみてみると、神戸市全体では2015年4月現在の待機児童数が13人、灘区では1人と、待機児童ゼロまであと一歩となっている。ただ、人口は増加しているだけに、新たな保育需要に対する施策を行っていくことも必要になりそうだ。
中央区、東灘区と並んで、灘区への注目は今後も高まっていくだろう。