マンションの日当たり良好! 8つの法則

日当たり8つの法則

マンションの日当たりは周辺環境や構造、階数など、個々の住戸の条件で異なり、一律に方角だけでは判断しにくいことも。そこで今回は、購入前に得られる情報から分かる日当たりや採光を徹底調査。日当たりが良い住戸の法則を紹介しよう

法則1 方角によって日の入り方が変わる

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東から昇り、南の空を通って西に沈む太陽。その動きに合わせて光の差し方は変化するため、ひとくちに日当たりといっても、午前や午後など時間の経過でも印象は大きく異なる。自分のライフスタイルならどの方角の日当たりが向いているのか、方角ごとの特徴を参考にしながら暮らしをイメージしてみよう。

【東】早起き世帯向き 朝から元気に活動できる

朝方の日当たりが良いため、早起きな人や朝の時間を有効に使いたい共働き家庭に向いている。洗濯物は午前中に干すと乾きが早い。午後は室内に日差しが入らないので、室温が下がりやすく、夏場は比較的涼しく過ごせる。

【西】夜型タイプの人向き 冬も夜まで暖かい方角

午後の日当たりが良いので、起床が遅く、朝はゆっくり過ごしたい人向き。昼過ぎに洗濯物を干しても比較的よく乾く。夜まで暖かさが残るため、冬の暖房費を節約できる。ロケーションによってはきれいな夕日が見られることも。

【南】日中在宅時間が長い人向き 午前も午後も照明いらず

日中の日当たり時間が長く、午前も午後も室内が明るい。日中自宅で過ごす時間の長い人向き。洗濯物がよく乾く、冬場の暖房費が節約できるといったメリットがある。人気の高さから、ほかの方角よりも価格は高めなことも。

【北】夏の暑さが苦手な人向き 北安定した光が入る方角

直射日光は入らないが、高層階であれば間接光で安定した明るさを確保できる。家具などが日焼けしにくいのも利点。夏が涼しいので、暑がりな人には比較的快適。北向きは順光になるため、景色がきれいに見えるメリットも。

季節によって日の入り方は異なる

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同一の住戸でも季節によって日の入り方は異なる。右の図は太陽が真南に来て一番高くなったときの「南中高度」を示したもの。夏は太陽の高度が高く、室内に日が入りにくいが、冬は高度が低くなるため、奥まで日が届きやすい。通常、モデルルームでは冬至の日を基準にした日当たりイメージ図を用意している場合が多い。どれくらい影響があるか確認しておこう。

法則2 梁(はり)の位置で窓の大きさが変わる

開口部が大きいほど目に入る光の量が増えることで日当たりの良さを実感できることも。例えば、従来工法は床スラブ※を支える梁が窓の上部に出るため、窓の高さは2m未満になることが多いが、バルコニーの手すりが梁を兼ねる逆梁アウトフレーム工法なら、高さ2.2m以上のハイサッシも可能だ。 ※コンクリートの床版

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梁をバルコニーの下部に収めたのが逆梁アウトフレーム工法。バルコニーの梁の高さ、太陽の高度や方角によっては室内に光が届きにくい場合もあるので注意

法則3 間取りによって日当たりに差が出る

住戸の形によっても窓の面積や場所が異なり、日当たりに差が出る。例えば、リビングの形が縦長でバルコニーからの奥行きが深いと、室内奥まで光が届きにくく、暗く感じることも。逆に間口の広い横長なリビングであれば、光が奥まで届きやすく日当たりを実感しやすい。

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間口の広いワイドスパンな間取り。横長リビングで開口部を広く取れることもあり、室内が明るく感じられる

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バルコニーがないLDと洋室は庇となるものがないため、直接室内に光が入りやすい

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角住戸でコーナー部分をラウンドさせた間取り。日当たりや眺望の良い方角に設けられることが多い

法則4 手すりの素材で将来の室内の明るさが変わる

バルコニーの手すりの素材の違いでも、光の届き方は変わる。最も採光が期待できるのは、透明なガラス素材の手すりだ。ただし、透明ガラスは周囲からもバルコニーの内側がよく見えるので、採用されるのは同一の物件でも中高層階以上の住戸に限られる場合が多い。

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(ガラス)透明ガラスは中高層階以上に採用し、低層階は半透明ガラスなど見えにくい素材にするケースが多い
(格子)視界が遮られるため、透明ガラスに比べると日当たりはやや劣るが、風通しが良く周囲から見えにくい

法則5 バルコニーの大きさで光の届き方が変わる

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バルコニーが大きければ、椅子やテーブルを置いて使うなど楽しみが広がる。ただし、バルコニーは奥行きが深いと、太陽の高度によっては室内の奥まで光が届きにくくなる可能性もあるので注意が必要だ。ちなみに、新築マンションの場合、一般的にはバルコニーは奥行き2m以下のケースが多い。

法則6 ガラス製のリビング扉なら廊下も明るい

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日当たりというと、どうしてもリビング中心に考えることになるが、玄関や廊下にもちょっとした工夫があれば光を取り込める。例えば、廊下とリビングを隔てるドアに、光を通すガラスを使ったものを選ぶのも有効。リビングの自然光が廊下まで届き、明るく感じられるほか、玄関からも眺望を楽しめ、気持ちが良い。

法則7 南側の建物がつくる日陰が影響する

南側に背の高い建物があると南北に長い影ができ日照が妨げられる。だが、高さがあっても細長い形状の建物であれば、つくられる影が細いため、比較的日照影響は大きくない。むしろ、高さが中程度でも東西に横幅がある建物のほうが、北側の建物に幅広の影を落とすことも。低層階の住戸を検討する場合は、よく確認しよう。

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(左)建物の横幅が東西に長いと、北側にできる影も幅広に。建物との距離がどれくらい空いているか確認しよう
(中央)細長い建物は影も長くなる。建物の根元近くが最も日陰となり、建物から遠く離れた場所まで影響が出る
(右)マンションやビルなど建物がたて込んでいる地域では、影が重なり合って、日陰になる時間が長くなる

法則8 将来の変化は用途地域で確認

都市計画法で定められた用途地域ごとに、建築できる建物の種類や、土地の面積と建物の床の面積の比率(容積率)、建物の高さなどが決められている※。将来、日照に影響する建物が建つ可能性がないか見当をつけておこう。なお、用途地域は入り組んでいて、道路を隔てると違う用途地域の場合もある。

※一定の条件を満たすと、容積率や高さの規制を緩和する特例もある

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第1種・第2種 低層住居専用地域

主に低層住宅のための地域。住宅や小規模な店舗、幼稚園や小・中・高等学校、図書館などが建築できる。集合住宅なら3階建て程度まで。景観や住環境を守るため、建物の高さは原則として10mまたは12m以内に制限されている。

第1種・第2種 中高層住居専用地域

低層住居専用地域の建築物に加え、病院や大学などの建築も認められる。容積率などの制限も緩くなり、都市部では中高層マンションも比較的多い。第1種は500m2まで、第2種は1500m2までの一定の店や事務所が建てられる。

第1種・第2種 住居地域

中規模オフィスやマンションが密集したエリアを形成することが多い。第1種は30002までの店舗やホテル、502以下の工場などの建築が可能。第2種は大規模な店舗やパチンコ店、カラオケボックスなどの遊戯施設も建てることができる。

商業地域

建ぺい率と容積率が大きく、ビルやマンションが密集したエリアを形成することが多い。今現在空き地であっても将来、高い建物が建つ可能性がある。ちなみに20階建て以上の超高層マンションも商業地域内に建てられることが多い。

準工業地域・工業地域

工業地域はどんな工場でも建てられるのに対し、準工業地域は、主に軽工業の工場やサービス施設など、危険性、環境悪化の恐れがない工場が建てられる地域。工場の跡地を利用した再開発や大規模マンションが建つケースも少なくない。

法律で日当たりは保障されている

日影規制とは

日影規制は、日照の確保を目的とした建築物の高さ制限のこと。用途地域ごとに制限を受ける建築物の高さが決まっており、対象建築物が一定時間以上続けて隣接する建物に影を落とさないように計画しなければならない。

日影規制がない地域も!

日影規制は住居系地域が対象で、商業地域や工業地域は適用されない。もし、購入を検討しているマンションや、隣接地がこの用途地域に該当する場合は、南側に将来大きな建物が建つ可能性がないか、よく確認しよう。

取材・文/木村寿賀子 イラスト/長岡伸行  取材協力/吉田和弘(日建ハウジングシステム)
2017年3月1日
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