いま、住まいはどう選べばよいか?vol 2.求められるエコ性能って?

公開日 2011年07月20日
いま、住まいはどう選べばよいか?vol 2.求められるエコ性能って?

1.住まいのエコ、なにがポイント?

エコ性能で選ぶ、3つのポイント

いよいよ節電の夏が到来し、国では平日の9時~20時における使用電力を15%減らすよう呼びかけている。資源エネルギー庁の推計によると、夏の日中の家庭での消費電力のうち、53%はエアコンが占めているという。次いで冷蔵庫が23%、照明とテレビがそれぞれ5%だ。エアコンの使用をいかに抑えるかが特に重要なことが分かる。

■なにより「省エネ性」が重要
ひとくちにエコ性能といっても、「エコ」には2種類ある。経済性を意味する「エコノミー」と省エネ性を示す「エコロジー」の2つだ。さらに省エネ性について細かく分けると、電力を節約できる性能と、CO2を削減できる性能は必ずしも一致しない。節電が緊急課題となっているいま、最も重要なのは電力を節約できる省エネ性だ。

エコ性能 経済性(エコノミー) 省エネ性(エコロジー) 節電できる CO2を削減できる
エコ性能といっても2種類ある

■建物と設備、両方の性能が必要
真夏の電力消費を減らすには、エアコンで冷やした空気がなるべく外に逃げないようにすると効率がよい。そのためにまず求められるのは、建物の断熱性や気密性だ。壁の断熱性を高め、すき間を少なくすることで外の気温に影響されにくくする。家の中で最も熱が逃げていくのが窓。二重窓などで、窓の断熱性や遮熱性を高めることも有効だ。

建物と設備、両方でエコ性能アップ
建物と設備、両方でエコ性能アップ

■風通しや湿度調整も大事
設備や家電の省エネも重要だが、そもそもエアコンに頼らない生活ができれば究極の節電になる。夏の日中はともかく、朝や夜は窓を開け、涼しい風が通るような工夫も取り入れたい。また室内の温度が多少高くても湿度が低ければ快適に過ごせる。そうした観点から、壁や天井などに湿度を調整できる内装材を用いることも検討してみよう。

自然の力でエコを実現
自然の力でエコを実現

2.物件選びのポイント

建物のエコ性能を見極めよう

では具体的に、どんな物件を選べば節電につながるのか。まず最も重要なのは建物そのものの省エネ性能だが、壁の断熱材などは建物完成後にチェックするのは難しいし、専門家でなければ見ても分からないだろう。そこで目安にしたいのが、省エネ基準や性能表示といった公的な制度だ。7月で打ち切りとなる住宅エコポイントも参考になる。

■壁や窓の断熱性を確認しよう
壁の断熱性は判別が難しいが、窓が1枚ガラス(単板ガラス)か、2枚合わせた複層ガラスかは見た目で分かる。複層ガラスには、さらに遮熱性を高めたLow-Eガラス(エコガラス)というタイプもあり、このところ採用する住宅が増加中だ。こうした壁や窓の断熱性を総合的に判定する指標となるのが省エネ基準で、1999年に定められた「次世代省エネ基準」が最も高い。住宅性能表示制度では等級4として表示される。また、住宅エコポイントの対象となる物件も省エネ性能が高めだといえるだろう。

複層ガラス普及率の推移
※板硝子協会調べ(複層ガラスにはLow-Eガラスも含む)

■湿度を下げる工夫をチェック
室内の湿度を下げることによって、温度が高めでも快適に過ごせる。さらにエアコンの効率も高まるので、消費電力を削減できる効果もある。ただ、除湿器などを利用するのでは節電にならないので、壁や天井に珪藻土や漆喰など調湿作用のある素材を使うのが有効だ。また壁材や天井材、畳などの工業製品にも調湿建材マークの付いた製品があり、夏は湿度を下げる効果が期待できる。

調湿建材 (社)日本建材・住宅設備産業協会
社団法人日本建材・住宅設備産業協会が導入している調湿建材マーク

設備のエコ性能を確認しよう

家を買うときに最初から付いている住宅設備にも、エコ性能の高いものが普及し始めている。家電に比べて取り替えるのに手間やコストがかかる場合が多いので、家を選ぶときには設備のエコ性能もしっかり確認したい。ポイントは電力消費を抑える機能と、電力を生み出す機能の2つだ。

■電力消費を抑える設備
家電を除けば、夏場の家の中で最も電力を消費するのは照明だ。特に白熱灯は液晶テレビと同じくらい電力を消費するといわれており、最初から蛍光灯やLEDを設置している物件も増えてきた。また最近は給湯器リモコンなどで消費電力を「見える化」する設備も登場している。わが家で使っている電力がリアルタイムで確認できれば、節電意識も高まるだろう。

LED照明を室内にあらかじめ設置する住宅も増えてきた(画像提供/パナソニック電工)
LED照明を室内にあらかじめ設置する住宅も増えてきた(画像提供/パナソニック電工)

■電力を生み出す設備
電力会社から供給される電力は節約しながら、家庭で使う電力を確保するには、電力を生み出す設備を導入する方法もある。その代表格が太陽光発電で、補助金を活用して設置するケースが増えてきた。マンションでも共用部分だけでなく、各住戸に電力を供給するシステムも登場している。また太陽光発電と蓄電池を併用して節電機能を高めたり、エコウィルやエネファームといった発電機能を備えた給湯機を搭載するケースも見られる。

マンションでも太陽光発電を採用する物件が登場している
マンションでも太陽光発電を採用する物件が登場している
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取材・文/大森広司(オイコス) デザイン/monsterdive inc.
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