■ 満足度は何点ですか?
買い替えは売却と購入を同時に進行せざるを得ないので、大変。しかし、どんなに大変でも、多くの人が「買い替えてよかった」と感じている。満足度の平均は84点。90点以上の高得点を付けている人が半数弱もいる。
「部屋が増えて心のゆとりが生まれた」(34歳/女性)、「親の近くに引越して、いろいろ協力し合えるように」(42歳/男性)、「一戸建てにしたから、子どもが走り回っても怒らなくていいのがうれしい」(42歳/女性)など、前の住まいのままで我慢するよりも、新居で理想により近い暮らし方を実現している様子が分かる。
■ 買い替えを決めたきっかけは? (複数回答)
買い替えを思い立つきっかけは、「部屋が狭くなって」「もっと広い家が必要になったこと」が圧倒的。子どもの誕生、下の子が生まれた、子どもが大きくなったなど、家族構成の変化で、今のままの家では不都合が生じたからだろう。
一方、「金利が低い」「物件価格が安い」「税制が有利」など市況の変化を挙げる人は少数派。子どもの年齢は小学生のころが最も多い。これは買い替え後の現在の年齢なので、実際には「転校させたくないので、小学校に入学する前に引越そうと思った」(36歳女性)のように、小学校入学がひとつのタイミングのようだ。
次に多いのは「子どもが社会人」の世帯。子どもが独立し、広い家よりも便利な家を求めて買い替えるリタイア層が多いことが分かる。
■ 前の家は何年住みましたか?
アンケートによると、4割以上の人が、元の家に住んで10年未満で買い替えていることが分かる。10年もたてば、子どもも成長し、1人が2人となり、家族構成は大きく変化する。
「子どもが増えて個室を与えるのに部屋数が足りない」(37歳/男性)、「子どもが成長し、物が増え、手狭に」(39歳/女性)など、待ったなしの状況になるからだろう。もちろん広さだけではない。「子どもが電車通学のため、便利な場所に住みたかった」(46歳/女性)、「親が高齢になり、近くに住む必要がでてきた」(60歳/女性)など、立地面で必要性も大きい。
また東日本大震災を受け、「今まで住んでいた家の耐震性に問題があり、免震の新築マンションにした」 (65歳/男性)という声も多かった。
■ どの種別に買い替えましたか?
買い替えのタイプを種別ごとに大きく分けると
1.マンション→マンション
2.マンション→一戸建て
3.一戸建て→一戸建て
4.一戸建て→マンション
の4タイプ。前者3つが、それぞれ3割前後になっている。
同居している子どもの年齢を比較すると、マンションからマンションに買い替えたのは子どもが未就学児、マンションから一戸建ては小学生、一戸建てからマンションは社会人、一戸建てから一戸建ては小学生と社会人が多いことが分かる。
家選びの背景は微妙に違うようだ。それぞれの特色を買い替えの参考にしてみよう。
※一戸建ては注文住宅を含む
■ 買い替えを決めたきっかけは何ですか?(複数回答)
マンションからマンションに買い替えた人は、もともとマンションならではの利便性の高い立地、セキュリティなどにメリットを感じている人で、子どもの成長とともにより広いタイプに買い替えているようだ。
面白いのは部屋数は大きく変わっていないことだ。一部屋あたりの面積を増やし、ゆとりのある間取りを求める傾向が読み取れる。
平均値でみると、広さよりも購入価格のほうが大きく増加しているのは、利便性と広さの両方を求めているからで、重視項目でも「広さ・間取り」と、「最寄駅からの時間」「通勤・通学の利便性」の両方を挙げている。また最新設備や構造など、新築マンションならではのメリットをあげる人も多い。
■ 買い替えを決めたきっかけは何ですか?(複数回答)
子どもの成長とともに、「子どものために」一戸建てに買い替えるケースで、広さも部屋数も価格も増えている。
最初、夫婦ふたり暮らしや子どもが小さいうちは利便性の高いマンションに住み、次に、広さや環境を重視して一戸建てに買い替える、いわば”買い替えの王道”だ。
理由に「一戸建てに買い替えたかったから」を挙げている人が多いのは、子どもが成長すると、広さや部屋数だけでなく、「広い家で子どもを遊ばせたい」「子どもの足音などで近所に気を使わなくてもよい」など、”子育てするなら一戸建てがのぞましい”と考えている家族が多いからだろう。
■ 買い替えを決めたきっかけは何ですか?(複数回答)
一戸建てから一戸建てを選ぶ人も、より「広くする」「新しくする」がきっかけのようだ。老朽化というのが上位に来ているのがこのパターンの特徴だ。
もともとマイホームといえば一戸建てと考えている人が多く、都市圏以外はマンション自体が少ない事情もあるだろう。
また買い替え理由は「前の家が老朽化したから」「新しい家に住みたい」を理由に挙げている人が多く、重視項目で「利便性」や「最寄駅からの時間」をあまり重視していないのが分かる。「二世帯住宅」や「親をひきとるため」といった理由も少なくない。
■ 買い替えを決めたきっかけは何ですか?(複数回答)
ほかの買い替え層と全く違うのが、一戸建てからマンションに買い替えたタイプ。狭くなり、部屋数も減り、価格も下がっている。
買い替え理由からも、「子どもが独立した後のシニア夫婦」が多いことが推測できる。部屋数や広さに比べて価格が下がっていない割合が高いのは、利便性を重視しているからだろう。
夫婦ふたり暮らしになると、広さよりも、駅から近いことや、どこへ行くにも便利な駅であることが重要視されている。さらに、マンション暮らしのほうが、メンテナンスの手間がなく、階段の上り下りがないので、老後は快適だ。
また「子ども世帯の近くに暮らしたかった」という理由の場合もある。