賃貸VS購入のメリットデメリットを比較。「住居費」はどっちが得?

最終更新日 2024年01月23日
賃貸VS購入、住居費はどっちがお得?

家を買った場合と借りた場合の今後50年間の住居費を比較。総住居費はどちらがお得なのか。また将来の家計を考えるとどちらが安心なのか、考えてみよう。

一生かかる”住居費”は、賃貸と購入どちらが得?

家を買っても、賃貸に住み続けても、住居費は一生かかる。その総額はどちらが安いのか。同じエリアの物件を「買うvs借りる」ケースを想定し50年間の住居費を比べてみよう。

家賃と同じ住居費で、いくらの家が買える?

家賃&貯蓄額から”買える額”をチェック

家を買う場合、家賃と同じ住居費で「いくらの物件が買えるか」が気になるところ。
購入と賃貸の住居費を比べる前に、今の家賃と貯蓄額で”買える価格”をチェックしよう。

家賃と同住居費でいくらの物件が買える?

◇家賃×貯蓄額別 買える額の目安表(新築住宅)
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[設定条件]
・住宅ローン/一戸建て、マンションともに、金利2%、35年返済、ボーナス時加算なしとする。
購入諸費用/一戸建ては価格の6%、マンションは価格の3%とする。
・マンションの管理費等/マンションは、毎月の住居費から管理費等2万円を差し引いた額を、住宅ローンの毎月返済額として試算した。
※年収や現在の借入額など諸条件により、表記の金額を借りられないケースもある

購入後も支払い続ける費用がある

一戸建ては、毎月の住居費を全額”住宅ローン返済額”に充てられるが、マンションは毎月の住宅ローン返済のほか”管理費・修繕積立金”の支払いもある。したがって、マンションを買う場合は、毎月払える住居費から管理費・修繕積立金(2~3万円程度が目安)を差し引いた額を”住宅ローン返済額”と考えておこう。

また、マンション、一戸建てともに、家を所有すると毎年かかる税金(固定資産税・都市計画税)や保険料(※)など年単位でかかる費用もある。また、将来、住まいのメンテナンスやリフォームなどを行う場合、その費用も自己負担となる。購入の場合は、こういった費用も考えて、買える価格を決めることが大切だ。

フラット35を借りる場合の団体信用生命保険料。保険への加入は任意だが、毎年所定の保険料を支払う

“買える価格”を自分で計算する方法
住宅ローンシミュレーション

50年間の住居費はどっちが得?

賃貸は物件によって住居費を変えられる

下の図は購入と賃貸の50年間の総住居費を比べたもの。図を見て分かるとおり、購入とほぼ同じ立地、広さで築年数が浅い物件を借りる場合、賃貸のほうが高くなることもある。一方、家賃の安い物件を選んで住み替えれば、総住居費は購入より安くなる。

◇50年間の住居費総額を比較
賃貸と購入、50年間の総住居費比較表
※購入、賃貸ともに、同じ駅から徒歩10分以内の物件例をもとに試算
※上記以外の設定条件

【購入】※2022年3月試算
住宅ローン借入額/2600万円(借入条件:フラット35利用、金利2%、35年返済、ボーナス時加算なし) 管理費等/2万円(21年目以降3万円)、購入諸費用/価格の3%、引越し費用/30万円、固定資産税・都市計画税/総額1079万円、団体信用生命保険料/総額180万円、リフォーム費用(15年後に50万円、25年後に250万円)、住宅ローン控除/約203万円(総住居費から差し引く)

【賃貸】※2022年3月試算
更新料/2年に1回家賃1カ月分、敷金/家賃1カ月分、礼金/家賃2カ月分、仲介手数料/家賃1カ月分、引越し費用/30万円

・2018年12月14日に2019年度与党税制改正大綱が発表され、住宅ローン減税の期間が10年間から13年間に延長の支援策が盛り込まれました。詳しくはこちら

・住宅ローン控除の情報について詳しくはこちら

買った家は自分の”資産”として残る

購入の場合、賃貸より総住居費が高くなるケースもあるが、「買った家が資産として残る」点がメリットだ。また、家を買うと将来の住居費がほぼ確定するため、子どもの教育費や老後の準備など、将来のライフプランが立てやすいといえる。購入後に貯蓄をして、返済額軽減型の繰り上げ返済をすれば、総住居費を減らすことも可能だ。

50年の総住居費は、それほど変わらない

立地や専有面積など、住み心地がほぼ同じ物件を選ぶ場合、賃貸と購入の50年間の住居費総額はそれほど大きく変わらないようだ。ただ、賃貸は50年後に何も残らないが、購入は「買った家」が資産として残る。

家計の変化に対応しやすいのは賃貸と購入のどっち?

家を買うか、ずっと借り続けるか。お金の面を見るとどちらにも、住居費が家計の負担になりがちな”要注意時期”がある。それぞれのリスクを比較して、備えやすいほうを選ぶのもひとつの考え方だ。

いつ、いくらかかる? 住居費の違いを知ろう

31歳で新築マンションを買う場合と、賃貸し続ける場合について、毎年かかる住居費を比べよう(グラフ)。大きな違いは”初期費用”と”住宅ローン返済終了後の住居費”だ。それぞれ将来の家計にどんな影響があるのか考えてみよう。

◇50年間の住居費推移と毎月かかる費用を比較
50年間の住居費推移と毎月かかる費用を比較
※設定条件は「50年間の総住居費の比較」と同じ。団体信用生命保険料、固定資産税等(購入/年単位でかかる費用)は毎月の住居費に含まない

購入と賃貸の大きな違いは”初期費用”

家を買うためには数百万円の初期費用がかかる

購入と賃貸の大きな違いは初期費用

敷金・礼金・仲介手数料などで、合わせて家賃の4カ月~6カ月分程度が目安。金額にすると数十万円程度なので、比較的気軽に住み替えできる。
一方、家を買うときに支払う頭金の目安は価格の1割~2割以上。また、購入諸費用は価格の3%~10%と合わせて数百万円単位の金額になる。頭金が少なくても買える物件はあるが、その分借入額が増え、ローン返済が負担になることも。物件によっても異なるが、最低でも価格の15%以上、できれば25%~30%の現金を用意したい。このためには計画的な貯蓄が必要だ。

賃貸は購入よりも、老後の費用が多くかかる

いつ、どんな住居費がかかる?

購入と賃貸の、毎月の住居費以外にかかる住居費も見ておこう。賃貸は、2年に一度、”家賃1カ月程度の更新料”がかかる(エリアによって多少慣習が異なる)。購入は、毎年固定資産税等がかかるほか、将来のリフォーム費用も考えておきたい。一方、家を買うと税金が戻る住宅ローン控除という制度もある。

教育費と住居費を両立しやすいのはどっち?

将来、教育費がかかる時期がきたら、賃貸は家賃の安い家への住み替えで対処できる。しかし、子ども自身が引越しを嫌がるなど簡単にいかないこともあるようだ。
購入・賃貸ともに現実的なのは、教育費の貯蓄を早めに始めて、「毎月の住居費を教育費貯蓄と両立できる金額にする」こと。購入の場合、貯まった資金で住宅ローンの毎月返済額を減らし(返済額軽減型繰り上げ返済)、教育費に回すことも可能。こうするとローンの利息が減り、長い目で見て得する効果もある。

賃貸は”老後の住居費”に備えた貯蓄が必要

購入の場合、住宅ローン返済が終われば住居費がグンと減るが、賃貸は一生家賃の支払いが続く。上のグラフの例でローン返済終了後、66歳~80歳までの総住居費を試算すると、購入が約600万円なのに対し賃貸は約1750万円、その差は1150万円にもなる。
このため、賃貸を選択する場合は、”老後の生活費”に加え”住居費”に備えた貯蓄も必要だ。また、年をとると簡単には住み替えできないケースもあるよう。この点も頭に入れて、老後のプランを立てておくことが大切だ。

若いうちは「賃貸」がラク、老後を思うと「購入」が安心

賃貸は、家計のピンチなどに引越しで対応できるので、気楽に暮らせる点がメリット。しかし、上の例で分かる通り、定年退職後の住居費(家賃)の貯蓄が1000万円以上必要だ。一方、購入は、最初に費用がかかるものの、ローン返済終了後の住居費が少なく、老後を「マイホーム」で安心して暮らせる点がメリットだ。
このように購入も賃貸も、人生のどこかで「住まいのための貯蓄」が必要なのは同じ。一般的に貯蓄のチャンスは、「子どもの誕生前」、「子どもが小さいうち(小4くらいまで)」、「子どもの独立後」の3つだと言われている。家を買うか借りるか迷ったら、まずは住まいのための貯蓄をどの時期にできそうか考えてみるといいだろう。

まとめ

50年間の総住居費は実はあまり変わらない

賃貸は一生家賃を払い続けねばならないがエリアや家賃を変えて気軽に住み替えできる

購入は、買った家が資産として残る。また、家を買うと将来の住居費がほぼ確定するため、子どもの教育費や老後の準備など、将来のライフプランが立てやすい

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文/森島薫子、イラスト/アサミナオ
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