さまざまな職業の人がいるものの、74.3%は一般の会社員。男女比は55.4%:44.6%。年齢は年代別で見れば、20代12.9%、30代49.2%、40代37.9%となるが、実際には30代後半から40代前半に集中しており、35歳~44歳の人が54.2%を占めている。
気になる年収は400万~600万円未満が34.7%でトップ。次に600万~800万円未満が17.8%、300万~400万円未満が17.2%と続く。1000万円以上の人も4.1%いたが、逆に300万円未満の人が12.0%もいた。
圧倒的な割合でマンション購入者が多い。これが実は、単身で身軽、搬入すべき持ち物も自分のものだけでOKのシングルの一番の特徴。
また、新築マンションと中古マンションを選ぶ分かれ目は年収の違い。
年収600万円以上の場合、約7割の人が新築マンションを購入するのに対し、中古マンション購入者は約1割。
一方、年収600万円未満になると、新築マンション購入者の割合も5割と少なくないが、中古マンション購入の割合が3割と高くなっている。
シングルが選ぶ住宅の特徴は間取りがコンパクトであること。多くても3K~3LDKでOKと考えている人が多いようだ。また、特徴的なのは男女による選び方。男性は間取りの多いタイプを選んだ人が最も多かったのに対し、女性は3K~3LDKの購入者も多いが、それ以上に1K~1LDKの購入者が多かった。
一般的に間取りが多い住宅を選ぶのは”家族が増える”ことを想定している場合が多いが、女性よりも男性のほうが「結婚」を見据えて住宅を購入しているといえるだろう。
最も多かったのが60m2~80m2未満。住宅形態別に細かく見てみると、新築マンションの場合、60m2~80m2未満の人が最も多く、30m2~60m2未満の人が47.8%。
一方、中古マンションでは50m2~80m2未満の人が56.5%で、中古購入者のほうが専有面積は広めであることが分かる。また、建売住宅(新築)もしくは建築条件付き土地に建築した人の場合は、64.7%の人が80m2~120m2未満と物件面積は広め。
中古一戸建ての場合は58.4%の人が50m2~100m2、注文住宅では70%の人が60m2~100m2という結果に。
収入と購入価格は比較的比例するものだが、アンケート結果によると年収600万円が一つの境界。年収600万円以上の人は3000万円以上の物件を購入する傾向が強い。
とはいえ、平均してみると2000万~3000万円未満を中心に、価格帯はその前後に広がっていることが分かる。また、1000万円未満の物件を購入している人が約13%いるが、この半数は年収が300万円未満の人であり、別途年齢別で集計してみたところ、さらにその半数は20歳~24歳という若年層だった。
シングルの場合、年齢・年収が低くても住宅を購入する人たちが少なからずいるようだ。
意外にも約20%の人が頭金なしで購入している。それに対し、44.6%の人は頭金を400万円以上で購入。男女別で見てみると、男性よりも女性のほうが頭金を高く払う傾向があるようだ。この頭金、金額の違いはあれど80%の人が支払っているのだが、72.3%の人が貯金を利用。
また、46%の人が親からの援助を受けている。住宅購入に当たっては、ローン返済の負担を減らすべく、みんな対策を取っていることが分かる。
多くの人が「住宅を購入して月々の支払いが以前の家賃より安い」としているが、実際に月々のローン返済総額は5万~10万円未満の人が約半数。5万円未満も入れれば、その割合は79.8%にも上る。月々のローン返済額は頭金の額とローンの年数にもよるが、昨今の傾向として、不安定な世界経済を考慮し、何が起こっても困らないよう、年収に関わらず、「頭金をできるだけ払い、月々の返済額は限りなく抑える」傾向が強い。また、男女別では男性のほうが若干高めの設定をしているようだ。
割合が高かったのは「家賃がもったいない」「低金利」といった「お金」に関わるものと、「いつか自分の家を」という「夢」に関わるもの。つまり、”経済観念の高さ”と”住宅所有への熱意”が、住宅購入の大きなきっかけになっている。
フリーコメントで目立ったのは、「幸せになれると思ったから」「結婚が決まったので」といったものや、それとは逆に「もう結婚しないと思ったので」といったもの。いずれにしても将来設計の一環として住宅購入を考えているといえる。
不安なのはやはり、「ローンの返済」「毎月の生活」、それ以前に「ローンが組めるのか」といった「お金」に関するもの。また、「手放すことになった時の対処」「ご近所付き合い」も割合が高く、一度購入してしまえば、簡単には引っ越せないという気持ちが現れている。
ただし、52.8%の人は「全体的に、いらぬ不安だった」「解消したことが多い」と回答。住宅購入に当たっては、誰もが必要以上に不安を感じる傾向にあるようだ。
“大きな買い物”である住宅購入だからこそ、人にはそれぞれ支払い限度額・支払い能力の違いがある。だからこそ、誰もが気になるのは「価格」。
また、家族の都合を考える必要がないため、「通勤や交通アクセス」「最寄駅からの時間」などの利便性や、自分が日々を過ごす空間である「間取り・部屋数」を重視する傾向が高い。その他も全般的に選択されているが、優先順位としては価格や利便性・空間性よりも低いということだろう。
全体的に得票率が低く、「特になし」を選んだ人が23.6%。高い買い物である上に、賃貸のように気軽に引越せないため、「妥協できない」というのが本質だろう。
ただ、そのなかでも若干、得票率が高かったのは、「価格」「方角・日当たり」「最寄駅からの時間」。「価格」はいい物件を見てしまえば、多少の予算オーバーは…という心理が働くからで、逆に「方角・日当たり」「間取り・部屋数」「最寄駅からの時間」は、これらを譲るか譲らないかで価格がぐっと変わるからだ。価格で妥協できない場合、こうした項目をあきらめることで折り合いをつけることになる。