カタログと聞くと、「いいことしか書いていない」、「写真ばっかりで細かい情報が分からない」なんて思っていませんか。でも、設備選びに成功した人は、みんなカタログを上手に活用しているのです。その証拠が下に書かれているさまざまな意見。これは全部、先輩ユーザーがカタログを使った感想です。読んでみると、カタログを使いこなしている人は、工夫をしながら自分に必要な情報を取捨選択していることが分かります。
出典/注文住宅を建てた設備購入者400名にアンケートを実施。有効回答数157人のアンケートからコメントを抜粋●リクルート調べ
Type1:総合カタログ
基本的には、そのメーカーが扱う商品(場合によっては部位別)がすべて掲載されています。キッチンやバス・サニタリーなどを一気に見ることが可能なので、メーカーが決まっている人にはオススメ
Type2:商品カタログ
商品単体のカタログ。家電製品のカタログを想像すると分かりやすい。商品が絞られているだけに、細かい部分までしっかりと解説してあります。トイレ、エアコンなどに多く見られます
Type3:シリーズ別カタログ
デザイン、仕様などによってシリーズ化されている商品のカタログ。グレードや形状などで分けてあり、組み合わせ例なども見ることができます。システムキッチン・システムバスが中心です
Type4:テーマ別カタログ
防犯・リフォーム・耐震など、ある程度のテーマにそって設備機器を紹介しているカタログ。目的がしっかりしている場合には、専門の解説などもあり重宝します。全体的に数は多くありません
Type5:サンプルカタログ
カタログにサンプルが貼付されています。タイルや外壁材、床材などに多い形状です。実際に素材感を確認できるのが最大のメリット。あえて、外に放置して劣化具合を見るなどの使い方も
Type6:事例集カタログ
実際に設備機器を使っている人の様子や意見が掲載されています。その他、家具・インテリア系カタログは自社で扱う商品のコーディネート例を掲載するなど、写真集感覚で見られます
Type7:ノウハウ集カタログ
設備機器の性能や素材だけでなく、それを使ってできる料理のレシピや、エコ生活のヒントなどがまとめられた別冊としての形。ライフスタイルを想像しながら雑誌感覚で読めます
キッチン
流し台、吊り戸棚、コンロ、レンジフードのセットが基本価格。ここに、天板や扉、収納部材を加えることで金額が変化します。カタログを見ながら予算を立てましょう
サニタリー
トイレの価格差は機能的な差と直結。タンクレスなど形状の違いで大きく変化することはあまりありません。どんな機能が必要かを事前にカタログで確認しておきます
床材
床材は多種多様。フローリングでも、むく材か複合材かで金額は変わります。加えて、タイル、麻や竹などの天然素材などがあるので、事前にじっくりと選んでおきましょう
窓
ガラス・サッシの性能やデザイン、また、防犯や断熱など目的もさまざま。選ぶ窓によって金額にも幅が出てきます。まさにカタログで比較検討しながら選びたい設備です
バス
システムバスのサイズは、1.25坪、1坪、0.75坪から選ぶのが一般的。これを金額のベースにして、浴槽の素材やジェットバスなどのオプションを選びます
室内ドア
むく材、突き板、樹脂シートの順で高額な室内ドア。デザインの豊富さや、重厚感、安価などそれぞれに特徴があるので、カタログで特性を見極めておきましょう
冷暖房・空調
床暖房や全館空調以外にエアコンや暖房機器などがあり、生活スタイルや予算によって選ぶタイプは変わります。カタログで一覧して見ると比較しやすいでしょう
外装材
素材の種類や厚みなどが金額の目安。もちろん耐候性が高いほど高額です。ただ、初期投資だけではなく、ランニングコストもカタログで検討するようにしましょう
カタログの中身は、いったいどんなことが書いてあるのか?熟読したことがない人は、写真ばかりで実用性がないものと思っているかもしれません。しかし、それはとても残念な勘違い。メーカーがオフィシャルに商品情報を伝えようとするのですから、当然、消費者には多くのことを知ってもらいたいはず。カタログは、メーカーが気合いを入れて情報を詰め込んだ有意義なものなのです。ということで、ここでは、カタログから読み取れる10のポイントを紹介します。資料請求すれば無料で手に入るお手軽なカタログ。しっかりと活用しなければ、なんだか損をした気分になりますよ。
カタログには多くの事例が載っています。メーカーがコーディネートした実例から、実際に機器類を使っているユーザーの体験談まで、その表現方法は様々。そこに共通しているのは、機器を導入した場合のシミュレーション的役割を担ってくれていること。自分たちの生活と重ね合わせてみると、「このケースはピッタリ」とか「こういった感じをイメージしていた」などの発見も。また、設計者へ写真を使ってイメージを伝えるなどの裏技も使えます。
商品がもつ具体的な機能が分かるのもカタログのメリット。設備機器に搭載されているメカニズムが、写真や図解で紹介されています。これは、その機器がどれだけ便利かを知る大事な部分。機械的な事は難しいからと敬遠するのは厳禁です。どうしても馴染めない人は、カタログの後半に、どのグレードにどの機能が搭載されているかが一目で分かる表が準備されているので、そこから自分に必要な機能のチェックを始めてみましょう
住宅は工業製品ではありません。土地の形状や家のデザインによって、その形は大きく変化します。当然、設備も画一化されたものでそろえるのは至難の業。そこで、カタログには、同じ商品でもさまざまな形状や形が紹介してあります。そこから、部屋の広さや家族のライフスタイルに合わせて選ぶことになります。特に、キッチンやバス、トイレなどは、様々な種類があるので、比較検討が大変でもありますが、新たな生活を想像できて楽しくもありますよ。
予算や金額は設備選びの大事なポイント。もちろん、どのカタログも、その部分に関しては詳細に掲載をしています。しかしながらその見方はちょっと複雑。グレード、素材、色、形状などを組み合わせた表から金額を算出するカタログか多く見られます。そして、あくまでこれは標準価格。比較検討の参考程度で見ておいて、実際は建設依頼先や設計者と相談をして、詳細な実勢価格を算出してもらうことをオススメします。
設備機器は単体ではなく、さまざまな組み合わせで一つの部位になることがほとんど。例えばキッチンは、流し台、吊り戸棚、コンロ、レンジフードのセットに、天板や扉、収納部材を加えていきます。また、バスルームも、坪数、浴槽、シャワーヘッド、床など選ぶ部材はたくさん。それらをバラバラに、また個別に見ていると、「木を見て森を見ず」なんてことに。組み合わせが掲載されているカタログなら、全体のイメージを確認することができます。
住宅設備では、カラーバリエーションはかなり重要です。それは、単体で選ぶだけではなく、他の場所への影響も考えなくてはいけないから。赤のキッチンを選んだら、床は何色にするのかというコーディネートの問題がかかわってくるということです。だからこそ、カタログにはさまざまなカラーバリエーションが掲載されています。キッチンと床など、種類の違うカタログ同士の色見本を組み合わせて、テイストが合っているかなども確認してみましょう。
カタログのデメリットの一つに、スケール感が分からないという問題があります。しかし、実際に設置した写真を見ることで、ある程度までイメージができます。特に、エコキュートなど屋外に設置する機器などは、カタログの写真より、屋外に設置してある実際の写真から、その大きさを実感しておいたほうがいいでしょう。まずはカタログで大体の大きさをつかんで、その後ショールームで確認。という流れが望ましいと思います。
「機能が分かる」に近いものがありますが、カタログでは、その機器を導入したときの効果もしっかりと書いてあります。生活にどういったメリットがあるのかが分かることは当然ですが、それが研究所などで分析した数字を元にしてあったりするので、強い説得力があります。もちろん、1冊だけではなく、複数のカタログを見比べることで、どこが最も優れた効果を発揮しているのかが判断できますし、大体の数値基準も分かってきます。
インテリアや家具系のカタログに多く見られるのが、部屋をトータルコーディネートした写真。実際にその会社で扱っているものなので、テイストが気に入れば、そのまま購入することもできます。もちろん、それらを参考に自分流にアレンジしたコーディネートを完成させるもよし。インテリアコーディネーターに、イメージを伝えるための材料にしてもいいでしょう。さまざまなシチュエーションの写真があり、見ているだけでも楽しいですよ。
カタログを熟読したら、ショールームに足を運び実物を見ることをオススメします。とはいえ、全部のショールームをまわるのは大変。まずはカタログで興味のある設備を選んでおきます。大げさに言えば、カタログはそのための参考資料といっても過言ではないでしょう。ほとんどのカタログには、ショールームの場所が明記してあります。都市圏に住んでいない人でも、自分が住んでいる街から最も近い場所を選ぶことができます。
まずは資料請求から。カタログを手に入れよう
カタログはショールームでも貰えるが、一括請求が簡単。本誌の巻末には、ハガキ、FAX、ネットとそれぞれの請求方法があるので参考にしてほしい。
カタログは、比較の道具として使う
カタログはできるだけたくさん見る。自分が気になるもの以外も取り寄せて比較すれば、他メーカーも含めた設備の全体像をつかむことができる。
キレイに読まない。気になることは直接メモ
カタログは気になったことや分からないこと、感想などを書き込む。後々、ショールームスタッフや担当者に質問して疑問を解消するようにしよう。
イメージを伝えるためのヒントにも使える
設備が決まった後もカタログは保管。すぐには捨てない。写真が多いので、工事に入ってからもイメージを伝えるための資料にもなってとても便利だ。