お得なのは何階? マンションの価格決定4つの法則

最終更新日 2022年09月22日
お得なのは何号室?価格を決める4つの法則

マンションの価格はどう決まるのか。今回は、価格を左右する基本ルールや、「階数」「方角」などの条件によって発生する、住戸のメリット・デメリットを紹介。
“価格の法則”をつかんで自分たちにとってお得で満足度の高い住まいを選ぼう。

はじめにマンション価格決定の基本ルールを知ろう

法則1:階数
階数が高くなるほど、価格は上がり、階数が低くなるほど、価格は下がる傾向に

法則2:位置
建物の角に位置する角住戸は採光・通風に優れ、数が少ないので価格が高くなる

法則3:方角
一般に、住戸の方角が、南向き→東向き・西向き→北向きの順番に、価格は下がる

法則4:特殊事情
階段やゴミ置き場に近い住戸は価格が低く、専用庭付きなどの住戸の価格は高め

階数・位置・方角・特殊事情などで価格決定

階数や位置、方角、特殊事情で価格が決まる

「マンションの各住戸の価格は、『階数』『位置』『方角』『特殊事情』という主に4つの総合点で変動します」(澤地塔一郎さん、以下同)。希望の広さや間取りを決めた上で、この4要素をチェックし、予算内に収まるように優先順位を決めよう。「広さが異なる住戸は、『m2単価』で比較を。単価に大きな差があれば、その理由をモデルルームの担当者に聞いてみましょう」

広さが異なる住戸はm2単価で比較を

マンション価格決定の基本ルール1:階数

眺望や採光に有利になる 高層階ほど価格UP

階数が上になるほど、眺望や採光に優れ、プライバシー度が高まるなどのメリットがあるため、価格も高くなる。また、周囲の建物で窓からの視界が遮られる階と、そうではない階では価格に大きな差が出ることが多い。「モデルルームで模型や配置図を確認しましょう。将来、周囲に高い建物が建つ予定がないか、担当者に聞いてみるのも◎。また、1階を検討する場合は、防犯面について確認を」

眺望や採光に有利になる高層階ほど価格UP
高層階のメリット・デメリット
メリット

周囲の建物の影響を受けにくいため、採光に優れ、部屋が明るい。眺めも期待でき、カーテンを開け放した開放的な生活を送れる。遠景が見えるため、海や山、夜景の綺麗なビル群が見えることも。

デメリット

エレベーターの待ち時間が長く、外に出るのがおっくうになりがちに。また、停電などでエレベーターが停止すると階段の上り下りが大変になる。

低層階のメリット・デメリット
メリット

階段を利用すればエレベーターの待ちもなく、外出しやすい。また、1階住戸や階下がエントランスロビーなどの2階住戸は、子どもが走り回っても、音が響く心配をせずに暮らすことができる。

デメリット

隣の建物との距離によって、日当たりや眺望が期待できない可能性も。入居時は気にならなくても、将来、近隣に建物が建ったときに影響を受けやすい。

先輩購入者に聞いた、階数の正解【30代、カップル】

5階以上を希望するも、3階でも満足

希望の階を譲って予算内で南向きを選択
窓から富士山を見たくて、5階以上の住戸を希望したが、予算の都合で断念し3階の住戸を購入。でも、以前の賃貸に比べて、前を遮る建物がないため、開放感があり、南向きで十分部屋は明るい。階段を使って出入りできる階層なので、何かと便利に。

マンション価格決定の基本ルール2:位置

プライベート感が高い角住戸は価格UP

建物の両端にある角住戸は数が少ないので価格は高めだが、窓を3方向にとれるので、採光や通風に優れる。一方、中住戸は窓の数が少なくなるが、「床から天井までの高さのハイサッシや、バルコニー側の開口部の幅が広いワイドスパンの間取りで、窓の面積を大きく取れれば、採光は十分確保できます。また、玄関側の窓も開けて換気するなど、ちょっとした工夫で通風も確保できます」

プライベート感が高い角住戸は価格UP
角住戸のメリット・デメリット
メリット

窓が多いので、採光や風通しが良好。明るい部屋が多く、開放感もある。また、来客以外に人が玄関前の共用廊下を通ることがない場合が多いので、プライバシーを確保しやすい。

デメリット

数が少ないので間取りの選択肢が少なめ。また、外気と接する壁の面積が大きく、中住戸に比べ冷暖房効率は劣る。窓が多いと家具が置きづらい場合も。

中住戸のメリット・デメリット
メリット

角住戸に比べて、外気に接する壁や窓の面積が少ない分、冷暖房の熱効率がいい。また、壁が多くなる分、家具の配置がしやすく、間取りのバリエーションも多いので、選択肢も広がる。

デメリット

採光や通風、開放感といった面では、窓が多い角住戸には劣る。また、玄関側の共用廊下をほかの住人が通行するため、プライバシーが気になる場合も。

先輩購入者に聞いた、階数の正解【30代、ファミリー】

角住戸より中住戸の方が眺望がいい場合も

角住戸よりも眺望や収納を重視
希望の角住戸はすでに売り切れ、仕方なく中側の住戸を購入。住んでみると、思ったより風通しもよくて快適。しかもバルコニーから花火が見えてラッキーでした。一方、角住戸は近隣の建物に遮られて、花火は見えず…。角住戸にこだわらなくて正解。

マンション価格決定の基本ルール3:方角

南→東・西→北の順に価格が下がる傾向

基本的に、リビングの開口部の方角が、南→東・西→北の順に価格は低くなる。ただし、日当たりが良くない北向きでも、眺望が良ければ価格は下がらない場合も。また、タワーマンションの高層階なら、北向きでも明るい部屋になる。「南向き物件は、リビングと反対側の居室が北向きになるが、東向き物件なら居室は西向きになりバランスよく採光を確保できる。部屋の用途を考えて方位を検討しましょう」

方角は南>東・西>北の順に価格低下傾向
東のメリット・デメリット
メリット:午前中リビングが明るく快適

朝日が差し込み、起床や朝食がさわやかな時間に。午前中、家事を済ませたい人にも◎。

デメリット

午後は日が入りにくくなるため、リビングが暗めになり、室温も午前に比べ低くなる。

西のメリット・デメリット
メリット:冬場の午後は暖かく過ごせる

午後の日照時間が長いため、冬でも暖かく過ごすことができる。洗濯物も乾きやすい。

デメリット

午前中は日が入りにくく、リビングがやや暗め。夏は西日が入り、暑くなりやすい。

南のメリット・デメリット
メリット:日当たりがよくリビングが明るい

日照時間が最も長く、リビングが明るい。冬でも比較的暖かいので、洗濯物も乾きやすい。

デメリット

家具やカーテンなどが日焼けしやすい。また、リビングと反対側の居室は暗い場合が多い。

北のメリット・デメリット
メリット:窓からの風景が美しく見える

北向きの景色は日が順光で当たるため、綺麗に見える。また、カーテンや家具が傷みにくい。

デメリット

日差しが弱いため、室温は上がりにくい。また、洗濯物が乾きにくく、布団も干しにくい。

先輩購入者に聞いた、階数の正解【20代、シングル女性】

方角・日当たりを譲り駅近という選択も

方角・日当たりを譲って駅近という立地を選択
都心で駅から徒歩5分という好立地で選んだ物件は、南向きの住戸が残っておらず、北西向きの住戸を選択。だが、住んでみると、昼間は外で働いているので、日当たりは気にならず。予算内で希望の物件を購入でき、通勤もラクになって、疲労が軽減!

マンション価格決定の基本ルール4:特殊事情

希少な特徴をもつ住戸はハマる人にはお得!

ゴミ置き場やエレベーター、階段、駐車場、集会場といった共用施設、エントランスから近い住戸は、人の気配や音、臭いなどのマイナスイメージをもたれやすく、実害がなくても割安な価格が付けられているケースが多い。気にならない人にとっては、”お得住戸”だ。「一方で、ルーフバルコニーや専用庭付き、メゾネットタイプなど、魅力的で希少価値がある住戸の価格は、高めに設定されます」

エレベーター・階段の近くのメリット・デメリット
メリット:すぐに出かけることができる

外出しやすく、急いでいるときも便利。重い荷物を持って帰ってきてもラクに住戸に運べる。

デメリット

人の往来があるので、音が気になったり、共用廊下側の居室の窓を開けにくいというケースも。

ゴミ置き場の近くのメリット・デメリット
メリット:ラクにゴミ出しができる

移動距離が短いので、おっくうにならずに、ゴミを出せる。ゴミが重くても、ラクに運べる。午後の日照時間が長いため、冬でも暖かく過ごすことができる。洗濯物も乾きやすい。

デメリット

ゴミを捨てる住人が頻繁に通る。臭気対策がしっかりなされていれば、臭いは気にならない。

専用庭のメリット・デメリット
メリット:庭のある暮らしを楽しめる

外遊びや食事、菜園など、一戸建てのような庭のある生活が楽しめる。洗濯物や布団も干しやすい。

デメリット

上の階から庭が見えるので、プライバシーの確保は難しい。また、毎月の使用料がかかる場合も。

メゾネットのメリット・デメリット
メリット:一戸建てのように暮らせる

一戸建て感覚で、1階をパブリック空間、2階をプライベート空間のように使い分けできる。

デメリット

室内に階段があり、上下階の上り下りがあるので、掃除の手間がかかることも。

まとめ

マンションの価格は、階数・位置・方角・特殊事情の4つで決まる

物件によってはその条件にこだわらなくても希望が実現する場合もあるため、実際の物件を確認することが重要

模型や配置図を確認し、将来周囲に高い建物が建つ予定がないかなども聞いてみよう

SUUMO新築マンション首都圏版 11/22号から転載

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取材・文/高島三幸 イラスト/今井ヨージ
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