中古マンション「お金と選び方」疑問解消のポイント6

最終更新日 2023年03月29日
中古マンション「お金と選び方」疑問解消のポイント6

新築と比較して、価格が手ごろで物件数が多く、希望エリアで探しやすい中古マンション。
購入予算を立てるのに欠かせないお金について、また、快適に長く暮らせる中古マンションの選び方について6つの疑問にお答えします。

お金の疑問

私が買えるマンション価格の目安を教えて!

年収と貯蓄から「買える価格」を簡単チェック

中古マンションを選ぶとき、大事な条件のひとつは「購入予算」。そこで最初に下の表を使って、あなたが買える価格の目安をチェックしてみましょう。あなたの年収と今の貯蓄額がクロスする部分が、無理なく買える価格の目安です。

ただし下の表は、中古を買ってリフォームする場合の費用までは計算に入れていません。リフォームを考えている人は、表の金額からリフォーム代を引いた金額が「買える価格」になります。費用の目安は3LDKの場合、100万~200万円程度です。インテリアなどにお金をかけたい人も同じように費用を差し引いてください。

リフォームしたいときはかえる価格の一部をリフォーム費用として分けておく

リフォームしたいときは買える価格の一部をリフォーム費用として分けておく
■年収と貯蓄で分かる「無理なく買える価格」の目安額 (中古マンションのケース)※1

※1無理なく買える価格を、住宅ローンの年収負担率25%で、貯蓄のうち“年収の20%”を手元に残せる「価格」として試算(住宅ローン金利1.0%、返済期間35年、ボーナス時加算なし、購入諸費用、引越し費用等は価格の10%とした)。なお、当試算には、リフォーム代、家具家電購入費用は含んでいない

※1 「無理なく買える価格」は、住宅ローンの毎月返済額を年収負担率25%とし、さらに貯蓄のうち“年収の20%”は手元に残せるように試算した(住宅ローン金利1.0%、返済期間35年、ボーナス時加算なし、購入諸費用・引越し費用などは価格の10%とした)。なお、当試算にはリフォーム代や家具家電購入費用は含んでいない
毎月返せる額から「買える価格」を計算する方法も

年収が同じでも、家族構成や生活スタイル、住宅ローン金利や返済期間が違えば、買える価格も違ってきます。自分の暮らしに合わせ、より正確な資金計画を立てたい人は、今の家計や将来かかる教育費、また今の年齢をもとに、毎月返済できる額や返済期間を決めて計算する方法もあります。

●「将来も安心な購入予算の決め方」を知りたい(SUUMO住活マニュアル)

家を買うときの費用はどの程度かかる?

契約時と引渡時に価格の16%~20%程度のお金を支払う

家を買うときには、「手付金(価格の10%程度が目安)」と、「購入諸費用(価格の6%~10%程度が目安)」を、契約時と引渡前の2回程度に分けて支払うのが一般的です。

手付金は契約時に現金で支払うお金で、最終的には「価格の一部」に充てられます。金額は一般的には価格の10%程度と言われていますが、買主と売主との話し合いで決まるため、目安より多く(または少なく)なることもあります。また、住宅ローンを借りる場合も手付金は現金で支払います。

購入諸費用は、仲介手数料や不動産登記にかかる税金、住宅ローン借入費用、火災保険料などの費用を指します。中古物件の場合、不動産仲介会社に支払う仲介手数料が価格の3%強かかるケースが多いため(価格×3%+6万円+消費税)、購入諸費用は価格の6%~10%程度が目安となります。

●「いつ、どの程度の費用がかかるか」詳しく知りたい(SUUMO住活マニュアル)

家を買うときの費用はどの程度かかる?
中古マンションは引き渡し後にかかる費用もチェック

引渡しの後は、引越し費用や家具家電購入費などがかかります。引越し費用は、荷物の量や移動距離によって違います。SUUMOには費用の相場や各社への見積もり依頼ができるページもあるので参考にしてみては。また、家の購入を機に、家具や家電の刷新も考えている人は、購入するもののリストをつくり、おおよその値段を調べておくといいでしょう。

このほか、引き渡しの半年~1年半後に「不動産取得税」がかかる中古マンションもあります。これは、建物や土地を取得するとかかる税金で、一定の条件を満たす中古住宅は軽減措置が受けられます。軽減措置を受けるための手続きは都道府県によって異なり、所定の期間内に申告が必要なケースもあるので、引き渡し後に都道府県の担当課に問い合わせておくとよいでしょう。

●「引越し費用の相場」が知りたい(SUUMO引越し見積もり)

中古マンションのリフォーム費用は200万~300万円

中古マンションを買って、室内のクリーニングやリフォームをしてから入居したいという人は、その費用も考えておきましょう。例えば3LDKの物件の場合、ハウスクリーニングは10万円~13万円、リフォームは200万円~300万円が目安となります。

かつて、リフォーム費用は現金で支払うのが一般的でしたが、最近はリフォーム費用も含めて借りられる住宅ローンがあるので、貯蓄が少なくてもリフォームができます。この場合、購入予算を決めるときに、買える価格からリフォーム費用を引いて計算するといいでしょう。

●リフォーム内容別の費用の目安(SUUMO住活マニュアル)

家を買った後にかかるお金はいくらくらい?

毎月払う管理費等の平均額は約2万3500円

中古マンション購入後は、住宅ローン返済のほかに毎月管理費や修繕積立金の支払いが必要です。関東地方の場合、管理費の平均額は1万2096円、修繕積立金は1万1395円(※)。合わせて2万3491円が1月あたりの目安になります。

また、建物や土地の所有者に毎年かかる固定資産税、都市計画税もあります。この税金は、毎年1月1日時点の所有者にかかるため、購入した翌年の4月ごろに税額の通知が来ます。税額は立地や建物のグレードや住戸の広さ、築年数などによって数万円から十数万円と幅がありますが、年の経過とともに建物にかかる税額は減っていきます。

これらの費用は、物件の情報収集や見学時に不動産仲介会社に問い合わせれば、正確な金額を調べてもらえるので、住宅ローン返済額と合わせて毎月支払えるかどうか考えておきましょう。

※2013年度マンション総合調査(国土交通省)より。全国平均は、管理費1万661円、修繕積立金1万783円

選び方の疑問

中古マンションはどんな条件で探せばいいの?

築年数によって違う、物件の特徴を知っておこう

中古マンションを探すとき、ある程度決めておきたい基本的な条件は、次の5つです。

  • 予算
  • エリア
  • 駅からの距離
  • 間取り(広さ)
  • 築年数

特に中古マンションは、築年数によって物件構造や間取り、設備の傾向などが異なります。このため築年数ごとの特徴を知っておくと、物件選びに役立ちます。

SUUMOの中古マンション探しのページでは、このほか、日当たりのよさ(南向き)、ペット飼育の有無、角住戸などこだわり条件での検索もできるので、優先順位の高い条件から入力して検索してみましょう。

■築年数ごとの中古マンションの特徴を知ろう

◇築15年以内(2001年以降)

  • アウトフレーム工法が標準化
  • バルコニー側の部屋を全面リビングにした横長リビングタイプが多い
  • バルコニーの奥行きは2m以上と広くとっていることが多い
  • 2000年代の前半から、ディスポーザー(生ゴミ処理機)、ネット回線などの設備が登場
  • 2003年以降は24時間換気システムの取り付けが義務化
  • 共用施設もキッズルーム、ゲストルーム、ジムなどをそろえて充実させる傾向に
  • 2000年から住宅性能表示制度がスタート。築15年以内の中古マンションのなかには新築時の性能が分かる物件がある

◇築16年~築30年(1986~2000年)

  • 1990年代の物件はアウトフレーム工法もあるが、1980年代はリビングに梁(はり)や柱が張り出す物件も多い
  • バルコニーの奥行きは1m20cm~1m50cm程度が多い
  • 対面キッチンが多いが、リビングとの境の壁にキッチン窓を付けたタイプも見られる。また、独立型キッチンの物件も珍しくない

◇築30年超え(1985年以前)

  • 壁式工法で、ダイニングキッチンに和室が2~3室などレトロな間取りの物件が見られる
  • リノベーションによって現在風のオープン型の対面キッチンに改装した物件も珍しくなく、間取りのバリエーションが多いのが特徴
  • 駅から徒歩10分以内などの条件が探しやすいメリットもある。
  • 1981年6月に建築基準法の耐震基準が改正。それ以前の物件は、現在の耐震基準を満たしているか確認を
築年数ごとの中古マンションの特徴を知ろう

信頼できる不動産仲介会社の見分け方は?

質問したことをしっかり調べてくれるかチェック

不動産仲介会社の仕事は、「売主の依頼で物件売却の活動を行う」だけだと誤解していませんか。実は、「買主の依頼で条件に合う物件を探し、家選びをサポートする」のも仕事のひとつ。ですから、物件の問い合わせや見学をするときには、「買わないかも……」と遠慮する必要はありません。「この会社は物件探しの信頼できるパートナーになりそうか」をチェックするつもりで、気になることをどんどん質問していきましょう。

中古マンションのチェックポイントには、売主や管理組合などから書類を見せてもらって初めて分かるものもあります。こういった調査を行ったうえで説明してもらえるかどうかが、信頼できる会社を見極めるポイントのひとつになります。

仲介会社に物件探しを頼むこともできる

「条件に合う物件が見つからない」、また「希望エリアにどんな物件があるのか知りたい」という人は、不動産仲介会社に相談して希望条件に合う物件情報を集めてもらうこともできます。仲介手数料は契約が決まった時点で発生するため、例えば複数の会社に相談して、そのうちの1社に紹介された物件で契約する場合、他の会社に手数料などを支払う必要はありません。

こうして気に入った中古マンションが見つかったら、仲介会社を通して売主に購入を申し込みます。このとき、大幅な値引きを求める人もいるようですが、購入希望価格は、周辺相場やリフォームの必要性などについて仲介会社の意見も聞きながら決めることが大切です。

築古マンションを選ぶときの注意点は?

建物の状況と修繕履歴、計画をチェック

築20年を超える古いマンションは、建物の劣化などが不安で敬遠してしまう人も多いよう。しかし、日常管理や修繕が計画的に行われていれば、長く快適な生活が期待できます。こういったマンションを選ぶ際、特に見ておきたいのは、次の3つです。

  • 建物の周り
  • これまでの修繕履歴と今後の修繕計画
  • 長期修繕計画書
築古マンションを選ぶときの注意点は?

■築古マンションのチェックポイント

< 建物の周り >
◆日常管理の状況
エントランスやポストまわり、共用廊下、非常階段、自転車置き場、ゴミ置き場などがきれいに清掃されているか。ポストからチラシがはみ出している住戸が多いようなら空住戸が多いことも考えられる。
◆建物の様子
・外壁や基礎、バルコニーの手すりや窓とコンクリートの継ぎ目などに、ひび割れや表面のはがれがないか
・共用廊下のひさしや雨どいの周辺に雨垂れのシミがないか。非常階段の手すりなど鉄部にサビや塗装のはがれはないか。大きなひび割れ等がある場合は、修繕予定の有無を聞いてみよう。

< これまでの修繕履歴と今後の修繕計画 >
 (物件の築年別チェックポイント)
◆築20年~築30年以内の物件
・約築10年~15年の間に大規模修繕(外壁補修や屋上防水など)を行っているか
・築30年前後に2回目の大規模修繕(外壁補修、屋上防水、給排水管の取り換えまたは補修、貯水槽の取り換えなど)を行う予定があるか
◆築30年超えの物件
・2回目の大規模修繕(外壁補修、屋上防水、給排水管の取り換えまたは補修、貯水槽の取り換えなど)を行っているか、または5年以内に行う予定があるか
・1981年6月以前に建てられた物件は、耐震診断や耐震改修をして、現在の耐震基準と同じ程度の耐震性能にしているか
(1981年~1982年築の物件は「建築確認をとった時期」を確認。1981年6月1日以前の場合、新耐震基準で建てられていない可能性があるので、耐震診断等の有無をチェック)

< 長期修繕計画書 >
・25年以上の長期的な修繕計画が策定されているか。また、長期修繕計画書に、「給排水管・ガス管、貯水槽、エレベーターなど」の取り換え(または補修)工事の計画が入っているか
(計画がない場合、将来、これらの工事のための費用が必要になる可能性がある)

・今後の大規模修繕時点の「修繕予定費」より「修繕積立金の累計額」が多くなっているか
(修繕積立金の累計額が修繕予定費より少ない場合、今後修繕積立金が高くなったり、修繕時に一時金の徴収などが必要になることもある)

< そのほか >
・管理組合の「収支決算報告書」で、管理費や修繕積立金の滞納額が多くなっていないかチェック
・管理組合の活動状況について、理事会の開催頻度や理事の選出方法などを聞いておく

住戸内(専有部分)のリフォーム履歴を確認する

マンションの住戸内も、建物の外まわりと同じように、長く快適に過ごすためには設備や内装の定期的な修繕や取り替えが必要です。特に給排水管は、築30年近くなると劣化して穴が開き、下の階に水漏れしてしまうことも。そこで、これまでに給湯器や水まわり設備、給排水管の取り換えなどのリフォームを行ったかどうか確認し、特にしていない場合は、入居前にリフォームを検討したほうがいいでしょう。

なお、建物の構造や管理組合規約によっては、思い通りのリフォームができないケースもあります。ですから、「リフォームに制限がないか」どうかを確認しておくことも大切です。

物件チェックを専門家にしてもらう方法も

「これだけのチェックを自分でやるのは難しい」という人は、専門家に依頼する方法もあります(ホームインスペクション)。数万円の費用がかかりますが、事前に建物の状態や必要なリフォームの内容などが分かるため安心して購入できるのがメリットです。

まとめ

中古マンションのチェックポイントを
しっかり押さえて
安心して長く暮らせる家を選ぼう


中古マンションは築年が経っている分、長く快適に住めるかを見極めるためのチェックポイントがたくさんあります。このポイントをクリアすれば、手ごろな価格で希望エリアに家を持つ可能性が高まります。不動産仲介会社のサポートを受けながら満足できる家選びを進めましょう。

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文/森島薫子 イラスト/ワタナベモトム
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