品質×納得価格で選ぶ新築一戸建て

品質×納得価格で選ぶ新築一戸建て

新築一戸建ては”品質”と”価格”の両方で検討すべじ

新築一戸建てを選ぶ際に、購入者はその家が納得のいく物件かどうか、どのように見極めているのだろうか。品質が高いレベルだというだけで購入を決断しているのか、価格が安いというだけで判断しているのか、そのどちらかだけではおそらく十分ではないだろう。予算との兼ね合いに目配りしながら、品質も価格もともに納得できなければ、購入に踏み切れないケースも少なくないはずだ。

とはいえ、どちらも納得できる家を選ぶには、建てられた物件を”見る”だけではやはり不十分だ。購入後も安心・満足できる家選びは、その家がどんな過程を経てつくられ、どのように価格が決められているのかを知ることから始まる。まずは、品質と価格の基本を学ぼう。

一定レベルを保つように基準が定められている
建築確認+完了検査+瑕疵担保保証
イラスト

万が一、住んでから欠陥が見つかっても10年間保証を義務化
新築一戸建ての売主には、住宅の基本構造部分について10年間の瑕疵担保責任が義務づけられている。引き渡し後に構造上の欠陥や雨漏りが発覚した場合、無償で補修したり損害賠償に応じなければならないという責任だ。さらに2009年の新法により、たとえ10年以内に会社が倒産しても保証が受けられるよう、売主に保険加入か保証金の供託が義務づけられた。これにより、住まいの品質に対する安心感が高まったといえる。

新築一戸建ての価格を構成する要素とは?

会社による「どこにどれだけのおカネをかけるか」のスタンスや考え方の違いが、「販売価格」の差異につながる。

人にかかるお金 建物にかかるお金 土地にかかるお金

“品質×納得価格”の新築一戸建て そのからくりとは?

高い品質でありながらも納得価格が設定された物件も少なくないが、それを実現するためには、たくさんの企業努力が隠れていた。

からくりを教えてくれた人
土地の仕入れ編

土地の仕入れ編

決断スピードとタイミングが土地の仕入れのキモ
新築一戸建ての価格決定の大きな部分を占める「土地価格」。いい土地を仕入れる方法にも、からくりがありそうだ。だが、各社とも「安心な住まいを提供するのに、単に土地が”安い”というだけで、質を吟味せずに仕入れることはできない」と口をそろえる。また、「いい土地をスピードとタイミングで、いかに納得のいく(手ごろな)価格で仕入れられるかが重要」とも。そのために日ごろからいい土地情報が入ってくるように工夫し、決断のスピードやタイミングを極めるための努力も、さまざまな形で行われている。

1 一定量を常に買い続ける信用があるから情報が早い

年間一定量の一戸建てを供給し続ける会社は、土地も数多く仕入れる。「買い続けている事実は会社への信用につながります。そのため土地情報もすぐに入ってくるので、いい土地を買い逃すことはありません」(松沢さん)

2 決定権を現場の担当に持たせ「 買い」の決断にスピードを

各社が競う土地の仕入れには、スピードとタイミングが重要となる。「自社で値付けの指標を作成し、現場に判断を任せています。商圏を絞っているので、情報もすぐに入ってくる。担当者はエリアに詳しく、価格交渉も即時に可能なので、条件のいい土地が指標にかなった価格で手に入りやすいのです」(松沢さん)。また、「社内で研修を行い、土地の仕入れのプロを育てる努力をしています。土地を見ただけで区割りまでイメージできる担当者が、各店舗に1人~2人はいる体制です。さらに仕入れのマニュアルをつくっていることで、買い付けにスピード感が生まれます」(三嶌さん)

3 他社が目を向けない土地を安価で仕入れる

土地の区割りにもからくりが隠れているようだ。「複数の住宅が建てられる土地の場合は道路の配置を考え、その土地に何棟建てられるかを計算して購入します。他社から敬遠されるような住棟の配置が難しい土地を、あえて安価で買うのです。配置の難しさは建物の企画力でカバー。全体を見て一戸一戸のプランを考えるので手間がかかりますが、土地の価格を抑えられるので、結果的に低価格で提供できるのです」(長島さん)

設計編

基礎・構造をしっかり設計。採光・通風確保にも注力
各社とも基礎や構造といった家の骨組みとなる部分をしっかりつくるため、独自の工法を採用したり、設計のマニュアル化を進めるといった工夫に取り組んでいる。「構造部分については特に研究に力を入れ、汎用性のある設計仕様にしています。建物の部位ごとに基準を定め、それらを組み合わせることで自由な設計が可能になるのです」(三嶌さん)

さらに入居後の生活に配慮し、各社とも採光と通風の確保に力を注ぐ。「1戸単位で間取りを設計するだけでなく、隣り合う家同士の採光や通風も総合的に考えてプランを作成します」(長島さん)。

1 自社で設計することで人件費やマージンをカット

「全棟がオリジナルの企画ですが、社内に設計士が465名おり、効率よく設計しているのでコストダウンにつながります。他社に構造計算を頼むとコストが高いのですが、社内で全てできるのでこれもコストダウンにつながります」(松沢さん)。また、自社設計には別のメリットもあるようだ。「自社一貫体制で設計ももちろん自前です。そのため中間マージンが発生せず、コストが削減できます」(三嶌さん)

2 間取図をパターン化設計効率をアップ

標準的な間取図を複数用意することで効率化を図り、設計費を抑える取り組みもある。「間取図をパターン化しており、それを基に土地形状や建物の配置、隣戸同士の関係を考え、最終的に一戸一戸プランを作成していきます。設計プロセスが簡略化できるので、コストを抑える効果は大きいですね」(高橋さん)

取材・文/大森広司 イラスト/木村吉見
2010年4月28日
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