工法&間取り講座 工法編

工法&間取り講座

工法&間取り講座 工法編

外から見ただけではよくわからない家づくりの工法。しかしその中身は工法によっていろいろな違いがある。どこがどのように違うか、工法について学ぼう。

01:工法は家の構造躯体のつくりかた

家づくり工法の種類

家づくり工法の種類
家づくりの工法とは、家の躯体(骨組み)をつくる方法のこと。工法によって躯体の材料も違えば、躯体を構成し、家の重さを支える仕組みも異なる。
右に一戸建ての主な工法を挙げた。家が完成すると外観からは、どの工法で建てたのかわかりにくくなるが、実はこのように多種多様な工法でできている。だが性能面では、現在はどの工法もかなり進歩していて、設計や仕様次第で、いずれもほとんど同じレベルまで達することができる。
しかし後で述べるように、それぞれの工法は独自の特徴を持っている。性能面で得意な分野があったり、設計やリフォームの自由度、工期などにも違いが見られる。自分の理想とする家を建てるためには、それぞれの工法の特徴をよく知って依頼先を選ぶことも大切だ。

02:木造軸組工法/木の柱と梁、筋交いで躯体を構成する例

木造軸組工法は日本の昔ながらの住宅工法で、在来工法ともいわれる。基礎に土台をのせ、柱を立て、梁などの水平材を渡し、筋交いという斜めの材を入れて補強する。このように骨組みが木材による横軸と縦軸、斜めの軸で構成されるのが特徴。
木材と木材は先端にホゾやミゾを切って、それを噛み合わせて接合するのが特徴。かつてはこうした木材の加工や接合に大工さんの技術が発揮されたものだが、逆にそれが精度のバラツキとなる面もあった。最近では木材の加工は、精密に機械加工されることが多くなった。また、接合部を補強する金物もふんだんに用いられるようになり、個人の技術力によるバラツキは解消される方向にある。

設計の自由度が高く開口部も大きくとれる
筋交いの入る壁(耐力壁)を建物の隅部などにバランスよく配置することで、耐震性を確保。そのほかには構造的な制約が少ないため、設計やデザインの自由度が高く、狭小・変形敷地にも対応しやすい。また、かつては廊下の端から端まで全面が窓といった家がよくあったが、開口部をとりやすい工法でもある。半面、耐力壁の量と配置が重要である。
構造材には国産のヒノキやスギのほか、ベイツガ、ベイヒバなど輸入材も多く用いられている。最近は強度に優れた集成材を用いるケースも多い。集成材は太い梁などがつくれるため、それを用いて構造を強化し、柱の少ない大空間を生み出している。

木造軸組工法の躯体と各部の名称
木造軸組工法の躯体と各部の名称

03:2×4(ツーバイフォー)工法/床、壁、天井、屋根の「面」で躯体を構成する

2×4工法は、北米から日本に輸入された工法で、1970年代から日本でも一般的に建てられるようになった。輸入住宅の多くもこの工法で建てられている。日本での正式名称は「枠組壁工法」。
木造軸組が柱や梁などの「軸」で躯体を構成するのに対して、2×4は、断面サイズが2×4インチの製材で枠を組み、それに構造用合板を張ったパネルで壁を構成、さらに床、天井、屋根の「面」全体が躯体を支える働きをする。
躯体を構成する部材は、枠組み材が2×4材のほか2×6材、2×10材、2×12材などが適材適所に使われるが、部材の種類は少なく、構造はシンプルだ。部材は構造材からクギに至るまでサイズや施工方法が公的な基準によって厳密に規定されているので、出来上がりにバラツキが出にくいのが特徴の一つだ。

耐震性や気密・断熱性、耐火性に優れている
床・壁・天井の「面」で構成され、がっちりした箱型の構造となるため、地震の揺れのような横から加えられる力に強い。加えられた力を躯体全体に分散して、粘り強く耐えることができるからだ。
また、気密性が高い構造でもあるので、気密・断熱性の高い家ができる。日本での高気密・高断熱住宅のスタートも2×4住宅からだった。壁の枠組み材を 2×6インチ材にすると、より断熱材を厚くできるので、壁に2×6材を用いるケースも増えていて、2×6工法と呼ばれている。火に強い石膏ボードを壁下地に張りめぐらすことから耐火性も高く、最近は「耐火構造」と認められ防火地域で4階建ても可能になった。
設計では面で支える工法なので、開口部にやや制限はあるが、洋風住宅ではほとんど気にする必要はない。欧米スタイルの外観デザインは得意とするところだ。

2×4工法の躯体と各部の名称
木造軸組工法の躯体と各部の名称

04:RC造/鉄筋と現場打ちコンクリートで躯体をつくる

RC造の躯体

RC造の躯体
RCはReinforced Concrete(補強されたコンクリート)、つまり鉄筋コンクリートのこと。現場で鉄筋を組み、型枠をはめてコンクリートを流し込み、養生して躯体をつくる工法だ。一戸建て住宅から高層ビルまでできるが、一戸建てでは壁式工法が多い。
コンクリートは、型枠次第でどんな形にもつくれるのが特徴。それを生かして、建築家が独特の意匠を凝らした家をつくる例も多い。耐火性・耐震性・耐久性に優れている。工期は他工法よりも長めで、工事費も高めだ。

05:鉄骨造/重量鉄骨を柱・梁に用いて躯体をつくる

鉄骨造の躯体

鉄骨造の躯体
柱に角型鋼管、梁にH型鋼を使う鉄骨ラーメン構造が主流。主に軽量鉄骨を使うプレハブの鉄骨造と区別し、鉄骨の「在来工法」ともいわれる。
ラーメン構造は柱と梁から成るシンプルな構造。柱と柱の間を大きくとることができ、開放的な大きな空間や大きな窓が可能だ。3、4階建てなど中層住宅にも多く用いられる。
大空間がつくれることから店舗併用や賃貸併用住宅にも向いている。生活変化などに伴う将来の間取り変更などリフォームにも対応しやすい。

06:プレハブ/工場で部材生産、躯体の性能は認定済み

プレハブはPre-fabricated(前もって部品などをつくる)からきた言葉。部材を工場で生産し、一部をあらかじめ組み立てる住宅のことだ。工業化住宅ともいわれる。
プレハブ住宅の躯体のつくりかたや設計ルールは、メーカー各社によって異なる。だが、その多くは公的機関(日本建築センター)によって、建築基準法および住宅品質確保促進法に基づき、性能認定を受けている。構造上の安定性から耐火性や断熱性、耐久性などまで総合的に、一定の基準以上の性能が認められて、世の中に送り出されているものだ。
工場生産の比率が高いことからも品質管理が行き届き、品質にばらつきが出にくいのも特徴の一つである。
躯体の素材によって、鉄骨系、木質系、コンクリート系に分けられ、さらにつくりかたの特徴によって、ユニット工法がある。ユニット工法には鉄骨系と木質系(2×4ユニット)がある。下にそれぞれの特徴を述べた。

07:プレハブ(鉄骨系)/鉄骨の柱、梁とブレースで躯体を構成する

鉄骨系プレハブの躯体

鉄骨系プレハブの躯体
主に軽量鉄骨を骨組みとしたプレハブ住宅。一般的には鉄骨の柱と梁、ブレースと呼ぶ筋交いに相当する部材で骨組みを構成する軸組工法が主流。木造軸組のように柱と柱の間だけでなく、床にもブレースが入り、横から加わる力に抵抗力を持たせている。鉄骨の欠点である錆に対しては、防錆対策を念入りに行って対処している。
外壁にはサイディングや軽量気泡コンクリートパネルなどさまざまな部材が用いられている。メーカー数が多く、商品ラインナップも豊富だ。

08:プレハブ(木質系)/木質パネルを組み立てて躯体をつくる

木質系プレハブの躯体

木質系プレハブの躯体
木質パネルで、床や壁を組み立てるプレハブ住宅。壁式工法の一種で構造の考え方は2×4工法に共通するが、断熱材や下地材まで装填したパネルを工場生産するのが、一般の2×4工法との違い。 木材で組んだ枠に断熱材を入れた後、面材を張って木質パネルをつくる。それを現場に運び、強力な接着剤や釘・金物などを使って組み上げ一体化させる。「面」で支える工法なので、地震の力も全体に分散して受け止め、躯体が変形しにくい構造になっている。外壁通気層を設けるなど結露対策も。

09:プレハブ(コンクリート系)/工場生産のコンクリートパネルで躯体を構成

コンクリート系プレハブの躯体

コンクリート系プレハブの躯体
鉄筋コンクリート造だが、プレハブの場合は現場打ちコンクリートとは違って、コンクリートパネルを工場でつくって、現場に運び組み立てる。床・壁・天井パネルを一体化して躯体を構成する壁式工法の一種。現場打ちより品質管理が行き届くので、コンクリートの品質が安定するのが特徴。
耐久性、遮音性、耐火性などに優れており、防火地域にも建てられる耐火建築物だ。外壁仕上げはコンクリートパネルに仕上げ塗り材を吹きつけたり、タイルを張るケースがある。

10:プレハブ(ユニット系)/工場でユニットをつくり現場で組み立てる

ユニット系プレハブの躯体

ユニット系プレハブの躯体
ユニット系は素材による区別ではなく、つくりかたの特殊性によるもの。工場で鉄骨の柱と梁によるボックス型のユニットをつくり、壁や天井の下地材、建具、設備まで取り付ける。それを現場に運んで、クレーンを用いて組み立てていく。工場ですでに家づくりの工程の80%以上を終えているから、現場工期は、2カ月足らずと最も短くなる。工場生産による信頼性も高い。
鉄骨系だけでなく、工場生産の2×4住宅である木質系のユニットもある。

構成・文/林直樹 図版/長岡伸行 デザイン/後藤理恵(バナナグローブスタジオ)
2009年8月19日
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