家づくりに先立つものは、やっぱりお金。どんなタイミングで、どのくらいお金がかかるのかが気になるところだが、初めて家を建てる人にとってはわからないことだらけ。そこで、家づくりを成し遂げた先輩たちにお金に関する実態とホンネを聞いてみた。かかった費用のデータと体験談をもとに、家づくりのお金のキホンを知り、漠然とした不安を解決しよう
建物工事の総費用は、予算オーバーしないようにコスト調整した人が大半で、3000万円未満で建てた先輩たちが多い。希望のプランをかなえつつ、予算内に収める秘訣は、希望内容に優先順位をつけること。譲れないこだわりや、後から替えにくい部分にはある程度お金をかけつつ、削れる部分はなるべく費用を抑える工夫が大切だろう。
アンケート調査では、親からの援助もあり高額な自己資金を準備している先輩がいるが、400万円未満だという人の割合が28.2%と最も高い。一方で頭金を貯めるよりも、早く住宅ローンを借りて、定年までの返済を重視している人もいる。しかし、頭金以外にも税金などの諸費用を支払う必要があるので、ある程度の自己資金は必要と考えた先輩が多いようだ。
住宅ローンの金利タイプには主に「全期間固定型」「変動型」「固定期間選択型」の3つがある。金利は低いが、上昇するリスクがあるのが変動型。固定型は金利変動はないが、金利は高めだ。調査では変動型が多数だが、フラット35など固定型も少なくない。金利タイプを組み合わせる方法もあるので、自分たちに合ったローンの借り方を見つけよう。
アンケートでは月々のローン返済額は10万円未満の人が全体の7割を占めた。今まで払っていた家賃やマイホーム用の貯蓄など、家のためにかかっていた金額と同程度の支払いだと負担が増えない。家を建てて住み始めると固定資産税などが毎年かかってくるので、それらの負担も考慮して無理なく返済できる範囲で適切な返済額を決めよう。
アンケートによると約7割の先輩が土地を購入し、そのうち土地代に1000万円以上かけた人は6割を超えた。土地と建物にかけるお金はバランスが重要。土地代をかけすぎると、家にかける予算が減る。また、希望の家が建てられる土地かどうか、条件の見極めも大切だ。建物の依頼先と土地を並行して探せば、費用配分や建築条件についても相談できる。
HOUSING(2016年10月号)掲載
この記事は、2022年3月17日現在の情報です
【調査概要】
注文住宅を2010年~2012年に建てた全国の男女へのアンケート調査(有効回答数206人/2013年1月実施)、1年以内に注文住宅を建てた男女へのアンケート調査(有効回答数200人/2014年10月実施)、3年以内に住宅メーカーで家を建てた男女へのアンケート調査(有効回答数206人/2015年6月実施)※全てHOUSING調べ
調査協力:マクロミル