家族の絆を深める二世帯住宅のススメ お金のことを考える

最終更新日 2022年09月09日
家族の絆を深める二世帯住宅のススメ
今回お話を伺った方 ファイナンシャル・プランナー久谷真理子さん

二世帯住宅に住むときに多くの人が悩むのが、親子で住宅ローンを組むときなどの資金計画だ。また子世帯に兄弟姉妹がいる場合は、親と同居する家をどのように相続するかも問題になる場合が多い。二世帯住宅にまつわるお金について、事前に考えておくべきポイントをFPの久谷さんに聞いてみた。

1. 二世帯住宅の資金計画の立て方

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「二世帯住宅に住むときの住宅ローンとしては、親のローンを子が引き継ぐ『親子リレーローン』や、親子それぞれがローンを組む『親子ペアローン』があります」(久谷さん)。どちらも便利なローンだが、一歩間違えると以下のようなトラブルも。問題を未然に防ぐ資金計画の立て方を考えてみよう。

二世帯住宅を建てた後、実際に起こりがちな資金計画に関する代表的なトラブル事例

  • 子が独身時代に、親に勧められるままよく考えずに親子リレーローンで二世帯住宅を建てたが、子が結婚して独立しようとしても新たに住宅ローンが組めない。
  • 相続時精算課税を使って親から頭金を2000万円もらい、二世帯住宅を建てたが相続時に2000万円が相続財産に加算されて相続税がたくさんかかってしまった。
  • 親子リレーローンで親がローンを払っていたが、親が定年退職したので子が返済することに。しかし子には十分な収入がなく、ローン返済が重荷になり困った。
  • 親子リレーローンを親子で払っていたが、子が先に死亡。子は団体信用生命保険(※)に加入しておらず、親の収入だけではローンが払いきれなくなった。

(※)団体信用生命保険…住宅ローンを借りるときに加入すると、万一の死亡時に保険金でローンが完済される

【ワンポイントアドバイス】
二世帯住宅で同居してから、資金計画をトラブルにしないために、すべきこと!
親子でローンを組むときは、将来の負担について話し合っておこう!

ペアローンは親子それぞれが別々にローンを組む形なので、さほどトラブルにはならないという。注意が必要なのは親子リレーローンだ。「子がローンを引き継いた後や、子が先立ってしまったときなど、将来のことも考えて無理のない資金計画を心がけましょう」(久谷さん)。また相続時精算課税制度を使うと2500万円の贈与まで贈与税がかからないが、贈与分が相続時に財産に加算される。「税金面からいえば、生前に現金で贈与を受けるより、不動産の形で自宅を相続したほうが負担は軽くなるのが一般的です」(同)

2. 二世帯住宅を建てる前に相続について家族で話し合おう

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「両親が健在なのに、相続について話すなんて…」と思われるかもしれないが、二世帯住宅に住む前に親や兄弟姉妹としっかり話し合いをしておかないと、後でトラブルになるケースもある。ありがちなトラブル例から、気持ちよく二世帯住宅で暮らす方法を学ぼう。

実際に起こりがちな相続に関する代表的なトラブル事例

  • 親の死亡時に二世帯住宅の自宅しか財産がなく、同居していない兄弟が遺産を分けるために家を売却するよう主張。しかたなく家を売却することに。
  • 親子で二世帯住宅に同居していたが、親が死亡して遺産相続で家の一部が子の兄弟の名義に。その家の住宅ローンは同居していた子がまだ払っているのに困った。
  • 二世帯住宅を建てたが、途中で子世帯が居心地が悪くなり家を購入して別居。親の死亡時に同居していた子どもがおらず、相続税がたくさんかかってしまった。
  • 二世帯住宅で暮らしていた子が親よりも先に死亡。その妻と親が同居していたが、妻に相続権がなく、孫もいないので相続の際にその家がほかの兄弟のものに。
【ワンポイントアドバイス】
相続を家族・兄弟姉妹間でトラブルにしないために、すべきこと!
相続時に遺産をどう分けるか、あらかじめ考えておこう!

二世帯住宅で親子世帯が暮らしていた場合、相続時には同居していた子が自宅を相続するケースが一般的。問題は自宅しか財産がなく、子に兄弟姉妹がいるケースだ。「兄弟姉妹が権利を主張しないのか、同居の子が兄弟姉妹にお金を払って代償分割するのかなど、親の生前に話し合っておきたいところです。また、子世帯に子(親世帯の孫)がいない場合、子が先立ってもその配偶者が家を相続できるよう親が遺言を残しておくとトラブルを防げるでしょう」(久谷さん)。ちなみに親と同居している子がいない場合、小規模宅地の特例が使えず高い相続税がかかることもあるので要注意だ。

※この記事は2011年10月時点のものです

親子で力を合わせて二世帯住宅を手に入れよう

相続や住宅ローンなど、二世帯住宅ではお金面で注意すべきことが少なくない。だが、親子で協力しあうことは合理的であることはたしかだ。「収入はあっても返済期間が長く組めない親と、収入は低くても年齢が若い子が力を合わせることで、単独世帯では実現が難しい住まいが手に入るでしょう」(久谷さん)。メリットがデメリットに変わってしまわないためにも、長い目でみた資金計画を立てることが大切といえるだろう

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取材・文/大森 広司 イラスト/佐原 周平
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