就職・転職や転勤で一人暮らしが決まったら、次にするのが「住まい探し」。せっかく一人暮らしをするなら、「勤務地」へ通勤しやすい場所、住み心地のいい場所に住みたいものですよね。では、実際に横浜エリアに勤務する一人暮らしの人は、どんな路線を選び、どのくらいの時間をかけて通勤しているのでしょうか。また、家賃や間取りはどのくらいなのか、一人暮らしの住まい選びのポイントを先輩方に聞いてみました。
JR京浜東北(根岸)線や横須賀線、東海道本線のほか京急本線、東急東横線、みなとみらい線、相鉄本線、横浜市営地下鉄ブルーラインなど私鉄各線も乗り入れる横浜駅。横浜市の中心部というだけでなく、神奈川県の中心部ともいえる存在です。
1872(明治5)年に日本で初めての鉄道が横浜を走ってから、時代に合わせて変遷を遂げてきた横浜駅。現在の横浜駅周辺は東西に地下街があり、商業施設のほか、ビジネスビルも立ち並んでいますが、いわゆる「横浜らしい」景観は、なんといっても「横浜みなとみらい21地区」。横浜駅東口から山下公園方面に向けて広がる光景は、まさに近未来的な街並みです。横浜駅周辺でも現在再開発が進められており、2020年には横浜駅西口に新たに商業ビルが完成する予定。より快適で利用しやすい街として成長していきそうです。
横浜エリア勤務の一人暮らしの人に、まずは現在、暮らしている路線を聞いてみました。一番人気は相鉄本線で14.4%、2位はJR東海道本線と京急本線でともに11.5%という結果に。二人暮らしの結果と比較すると、横浜駅から南西方面に延びる路線が選ばれています。4位には、JR京浜東北線、横浜線、東急東横線が9.6%と続きます。さすが多くの路線が乗り入れる横浜エリア。突出した人気路線があるというよりも、直接アクセス可能な路線を中心に、比較的人気も分散する傾向にありました。
現在利用している最寄駅を聞いたところ、なんと男女ともに1位となったのが横浜駅。住まいと職場が近い、職住近接を実現している人も多いようですね。女性は特にこの傾向が強く、ほかにもJR東海道本線 戸塚駅や、京浜東北線 桜木町駅などの駅名が挙がっていました。男性は、JR横須賀線 保土ヶ谷駅や、東急東横線 日吉駅、JR東海道本線 辻堂駅など、横浜市に限らず比較的広範囲から家探しをしているようです。
現在、暮らしている路線からは、職場の最寄駅へのアクセス重視志向が見られた横浜エリア勤務の一人暮らしの人ですが、一体通勤時間はどのくらいなのでしょうか。1位は30分以内で21.2%、2位は40分以内で18.3%、3位は20分以内14.4%と、東京都内のエリアと比べると、通勤時間が短い傾向があらわれています。相鉄本線は横浜~二俣川間をノンストップで走る特急・急行列車があり、30分前後で海老名駅まで移動することが可能。京急本線も急行・特急・快特と、急行列車の種類が充実しています。JR東海道本線も一駅間が長く短時間での長距離移動が可能なため、狭い区間に駅が位置している東京都内に比べ、通勤時間が短く済んでいるのかもしれません。
さらに4位には50分以内が13.5%とありますが、5位には10分以内と60分以内が10.6%と同率でランクイン。50~60分かけて通勤している人よりも、職住近接派がここでも目立つ結果となりました。通勤時間を短くし、オフの時間も充実させたい、そんなライフスタイルの人が多いのかもしれませんね。
次に、横浜エリア勤務で一人暮らしをする人の最寄駅から自宅までの所要時間を聞いてみました。通勤時間は短い傾向にありましたが、意外にも駅からの所要時間はかかるようで、1位は10分以内で30.8%、2位は15分以内が22.1%という結果に。通勤時間から推測すると「電車の乗車時間は短めに、駅から自宅までは少し歩いてもいいかな」と考える人が多いのかもしれません。
一方で、「駅チカ派」も根強く、3位は5分以内で21.2%、4位は7分以内14.4%と続きます。5位には20分以内が6.7%でランクインしました。
それでは、横浜エリア勤務の一人暮らしの人は、どのくらいの家賃を払っているのでしょうか。1位は6万円~7万円未満で27.9%、2位6万円未満26.9%、3位7万円~8万円未満26.0%と続いています。都内と比べると、家賃相場が安いだけにやはりリーズナブルな結果に。
4位以下は8万円~9万円未満が15.4%、9万円~10万円未満が1.9%と続き、家賃が10万円を超える人はかなりの少数派ということが分かりました。半数以上が7万円未満で現在の家を見つけているこの結果は、これから一人暮らしを始めようと思っている人にとっても、心強い結果ですね。
都内と比べると手ごろな傾向にある家賃ですが、みなさん一体どのような間取りで暮らしているのでしょうか。結果は、1Kが圧倒的多数で51.0%、次にワンルームが18.3%と続きます。一人暮らしでは「王道」のコンパクトな間取りがここでもセレクトされました。
ただ、こうしたスタンダードな間取りだけでなく、2DK 8.7%、2LDK 5.8%、1LDK、2K、3LDKがそれぞれ同率で4.8%もいることが判明。家賃相場が都内よりも安いだけに、広いダイニングで食事をしたい、リビングでゴロゴロしたい、寝室とは別に趣味の空間が欲しいなど、自分の暮らし・好みに合わせてゆとりをもった間取りを選んでいる人もいるようです。
次に、横浜エリア勤務の人が、今の街を選ぶ際に重視した項目を聞いたところ、なんと「家賃が安い」が1位に。2位には「生活利便性」がランクインしました。渋谷や品川などの他エリア勤務の人は「交通利便性」を圧倒的に重視していましたが、横浜エリア勤務の人は「家賃」や「暮らしやすさ」により重きを置いているようです。
次いで、「交通利便性がいい」が33.7%となっています。会社までのアクセスがいいということだけではなく、複数路線・駅の利用ができることを評価している人が多いようです。
4位は、「知人・家族が近くに住んでいる」を挙げている人が12.5%となりました。
5位には、「街の雰囲気がいい」が10.6%でランクイン。
といったように、ここでも「暮らしやすさ」を重視した意見が垣間見られました。
それでは横浜エリア勤務している一人暮らしの人に、自分が暮らしている街の「お気に入りスポット」とその理由を聞いてみました。
最後に住まい探しをするときに比較・検討した駅と、断念した理由を聞いてみました。横浜エリアに勤務するにあたり、どのあたりまで候補にいれていたのか、あきらめた理由もきっと物件選び・街選びの参考になるはずです。
横浜エリア勤務の一人暮らしの人は、通勤時間は短く、家賃も安く、満足いく間取りの部屋にと、妥協せず上手に自分のこだわりを通しているようです。さらには、周辺環境も重視していて、「自分が今、したい暮らし」に合う街はどこかをしっかりと吟味し、住む場所を決めているよう。神奈川県随一の都市でありながら、海や山も近く、東京都内とはまた違った魅力のある横浜エリア。仕事もプライベートも楽しみたい欲張りな人でも、楽しく一人暮らしができる街が見つけられそうですね。
横浜駅にはJRと私鉄各線が乗り入れ
通勤時間は30分前後、家賃は意外と手ごろな6~7万円未満が最多
横浜エリアに住んだ人の決め手は、家賃の安さと生活利便性