学生の1カ月の収入は約10万円だが、では支出の内訳はどうなっているのだろう。家賃は毎月決まって支払わなければいけないが、食費や光熱費などは、やり方次第で節約できる場合も。洋服代や交際費は、削ろうと思えば削れるが、なかなか難しいのが実情だ。家計簿の目安を知ることで、今後の一人暮らしをイメージしてみよう。
“家賃は収入の3分の1が目安”と考えれば、家賃だけで収入の4割を超えている。家賃や光熱費を足すと合計5万円超になり、正直、苦しいというのが本音だろう。
通信費は8000円程度。おトクな通話プランを利用したり、お得な無料通話アプリのLINEを駆使するなど、節約に務めているようだ。
男子学生と女子学生で差があるのが「食費」と「洋服代」。男子は食費が女子平均よりも3000円以上高め、女子は洋服代が男子平均より3000円弱高めという結果になった。男性は自炊より外食になりやすかったり、そもそも食べる量が多いという理由もあるだろう。流行がはっきりし、小物も含めてアイテムの多い女子のほうが、洋服代がかかりやすいという結果にはうなずける。
そんななか、毎月2万円程度貯蓄できているのは優秀だ。旅行代などレジャー費など趣味に費やしたり、アルバイトができない月の生活費にまわしたり、貯蓄はできればコンスタントにしておきたいものだ。
支出の大部分を占める「家賃」をなるべく抑えることができれば、ずいぶん家計は助かるはずだ。基本的には中心部の立地ほど家賃は高くなる。例えば大学のキャンパスが郊外にある場合は、そのまま大学の近くに住んだ方が、通学も楽で、家賃も抑えられる。大学のキャンパスが中心部にある場合は、例えば乗り換えを1回増やすなどすれば予算内で見つかるかもしれない。ただし、社会人と違って学生は、定期代は自腹。学割で安くなるとはいうものの、家賃を気にするあまり、大学より遠くなって定期代が高くなる場合もあるので注意したい。その他、駅から遠い、マンションよりもアパート、新しい物件より古い物件ほど家賃は低め。何が妥協できるかを考えて部屋探しをしよう。
光熱費の節約なら、電気代が手を付けやすい。日中は学校やアルバイトで家にいない、電気を使うのは主に夜間という生活スタイルなら、時間帯割引契約が有効だ。日中の電気代が高くなる代わりに、夜間は電気代が安くなる契約は、学生向きだろう。他にも時間帯割引は電力会社によっていろいろあるので、チェックしてみてはどうだろう。そもそもの契約アンペアを下げて電気代を節約する方法もある。ブレーカーが落ちやすくなるかもしれないが、こまめに電源をオフにする習慣がつくはずだ。
月の食費の平均が約2万2000円ということは、1日に660円という計算になる。昼食はリーズナブルな学食で済ませたり、米や野菜、レトルト食品など日持ちのするものは、実家から送ってもらったりする人は多いはずだ。基本的には自炊したほうが食費は抑えられるが、たまにしかしないなら食材を腐らせてしまい、結局割高になる場合も。インスタント食品をうまく活用したり、食材を使い切ることを目標に献立を考えるなど工夫しよう。また、飲食系のお店でアルバイトすると、まかない料理を食べさせてもらえるなど、バイト代を稼ぎながら、1食分を浮かせられ、一石二鳥だ。
アンケート結果では、限られた収入のなかで、やりくりしている先輩学生たちがイメージできる。社会人になれば、節約は二の次で、外食続きになったり、交際範囲も広くなるため食費や交際費が増えたり、さらに、結婚祝い・出産祝いなど、臨時出費が重なることも少なくない。一部の例外を除いて、学生とはお金がないもの。学生のうちに、節約する習慣を身に付けておくことは大切かもしれない。