一般的な賃貸住宅の場合、契約期間は2年。つまり4年制大学の学生が卒業まで同じところに住むとなると、一度は契約更新の必要が生じることになる。そこで、学生が一人暮らしを始めるとき、4年間同じところに住むつもりで契約するのか、それとも2年で引越すつもりなのかを調査してみた。
上の円グラフのとおり、学生のうちに今の住まいから「引越しをしたい」と回答した人は、全体の42.2%(「すぐにでも」「条件がそろったら」「卒業までのどこかのタイミングで」の合計)。一方、「引越しは考えていない」が57.8%と半数を超えている。
大学や学部などにより、4年の間にキャンパスが変更となるところもあるが、例えばその中間地点や、どちらにもアクセスが便利な沿線で部屋探しをするなど、多くの人が「引越しをしなくてすむ」ような住まいを、最初から選んでいることがうかがえる。
こちらの表は、現在の住まいにどの程度満足しているかといったデータを、「引越しをしたい人」・「引越しを考えていない人」別に出したもの。「すぐにでも引越したい」という人と「学生のうちに引越しは考えていない」という人では、住まいに対する「満足・やや満足」「不満・やや不満」がどう変わるのかを見ることができる。
「学生のうちに引越しは考えていない」という人は、700人中401人。半数以上が引越しは考えていないことが分かった。
また、当然のことながら、今の住まいに「満足している」と回答している人には「引越しを考えていない」人が多いという結果に。
「満足していない」という人には「すぐに引越しをしたい」と考えている人が多く、特に女性においてこの傾向は顕著となる。男性は満足していないにもかかわらず、「すぐにでも引越しをしたい」という人は21.1%。男性より女性の方が住まいに対するこだわりが強い傾向にあるといえる。
男女とも「満足・やや満足」でありながら「条件がそろったら(良い物件が見つかるなど)引越しをしたい」というニーズは高い。今よりもいいところに、という思いはあるようだ。
今の住まいへの満足度に差はあるとしても、学生のうちに引越しをしたいと考えている人は半数より少なく、多くの人が同じところで住み続けていこうと考えていることが分かった。とりあえず2年後の契約更新までのつもりなら、いったんここでいいかと気楽に考えることもできるが、4年間同じところに住むつもりなら、もっとじっくり考えて部屋探しをする必要があるといえそうだ。