一人暮らしの部屋探しをするとき、「◯駅から近くて、家賃は◯万円以下で、南向きで、日当たりが良くて……」などの希望条件を伝えるのはマスト。だが実際、先輩たちが契約した部屋は、希望どおり「満足」な部屋なのだろうか? 家賃、間取り、広さなど、さまざまな項目についての満足度を聞いてみた。
まず、一人暮らしの学生が今の住まいで満足している項目を見てみよう(「満足している」と「やや満足している」の数値の合計で比較。「総合的にみて」「その他」の項目を除く)。
満足と回答した人が多かったのは「間取り」(67.7%)、「家賃」(65.2%)、「広さ」(62.5%)など。これらは部屋探しの段階で、希望条件として不動産会社に必ず聞かれるポイントでもある。例えば「希望は◯m2くらいの広さで、間取りは1LDKで、家賃◯万円まで」などと希望を提示して探すことから、契約する時点で少なくとも「納得」はしており、大きな不満にはつながりにくい項目といえそうだ。
次に、今の住まいで不満に感じている項目を見てみよう(「あまり満足していない」と「満足していない」の数値の合計で比較。「総合的に見て」「その他」の項目を除く)。不満な人が多かったのは「キッチン」(34.7%)、「収納」(29.6%)、「お風呂」(25.7%)などという結果が出た。
同じ水まわり設備でも、例えばお風呂・トイレ・洗面台などの場合は、お風呂の有無、バストイレ別か、ユニットバスか、独立洗面台かなどにこだわる人も多いため、部屋探しの段階で不動産会社に聞かれることも多い。ところがキッチンは、ファミリーであれば広いキッチンや対面式キッチン、ガスかIHクッキングヒーターかなどにこだわる人も多いが、学生の一人暮らしではあまりこだわらないことも。となると、狭くて料理がしづらい、電子レンジを置く場所がないなど、実際に暮らしてみて不便に気づくことも増えるようだ。
収納も同様で、クローゼットやウォークインクローゼットがあるかどうかは気にしても、大きさまではチェックせずに部屋を決める人が多いよう。そのため、クローゼットが小さくて衣類が全部入らない、布団をしまう場所がないなど、入居後に不満に直面する。キッチンも収納も、部屋探しの希望条件として必ず不動産会社に聞かれるポイントではないこともあり、後から不満に感じる人が多くなるのだと考えられる。
不満4位の「最寄駅」は、必ず不動産会社に希望を聞かれるポイントではあるが、予算調整のために妥協している人も多く、そのために不満の上位にランクインした可能性が高い。例えば急行電車が停車する駅と、その隣の急行電車が通過する駅では、それ以外が似たような物件でも家賃に大きな差が出ることが多いため、不満を感じながらも予算を優先している人が多いといえそうだ。
「その他」に多く挙げられたのは、「学校からの距離」「セキュリティ」など。学生の部屋探しでは、学校の近くや、乗り換えなしで通学できるところに住みたいという希望が多いよう。ただ、あまりに近く便利だと、友人たちのたまり場になりやすいという面もあるので、部屋探しにおいてはよく考える必要がありそうだ。
「セキュリティ」は、特に一人暮らしに不慣れな学生にとっては重要なポイント。エントランスや部屋の玄関ドアのロックシステムのほか、侵入されにくさを考えて2階以上の部屋にこだわった人も多かったようだ。
さまざまな項目の満足度を比較してみたが、「総合的に見て」の満足度は、グラフからも分かるように68.6%が満足、という結果に。つまり、自分がこだわるポイントで満足できれば、かなえられず妥協した部分があっても、満足度が高いということ。こだわりの優先順位をつけて、大満足な部屋探しを!