お部屋探しのハイライトともいえる「内見(部屋の下見)」。見学前には「あんなお部屋に暮らしてみたい」「こんなお部屋がステキ」なんて妄想も膨らむけれど、実際の部屋には家具もないし、暮らしているイメージが湧きにくいもの。一人では心細いし、誰と行き、何をチェックすればいいのか分からない……なんて人も多いはず。今回も先輩大学生のアンケートをもとに、誰と行き、現地で何をチェックすればいいのか、解説していこう。
春から学生とはいえ、不動産会社をいきなり一人で訪問するのはやや心細いもの。こういうときに頼りになるのは、やっぱり両親。70%近くの人が母親と、半数の人が父親と不動産会社を訪問している。いろいろと頼りになるし、家賃や親が重視する項目、自分が重視する項目などのすり合わせも行うことができる。
実は次いで多いのが、「一緒に行った人はいない」(9.7%)と、一人で不動産会社を訪れている人。親が来ればその分、交通費などもかかるし、自分のことは自分で決めたいということなのかもしれない。もしくは、学校の合格発表直後、そのまますぐに不動産会社を訪問し、情報収集にはげんでいるケースもありそうだ。
また、兄妹・姉妹を伴っての訪問も見受けられる(9.2%)。親代わりになり、サポート役として一緒に訪れているよう。フリーコメントのなかには「姉と一緒に暮らすことになったので」という声もあり、兄妹・姉妹で暮らすケースもあるようだ。そのほかにも、祖父母や親戚、学校の友だち、彼氏・彼女と一緒に訪問というケースもある。一人で判断するのは、何かと勇気がいるもの。隣によく知る人がいてほしい気持ちは、みな同じようだ。
では、お部屋見学は、誰と一緒に行っているのだろうか。
こちらは、不動産会社訪問した人と同じで、「母親」(67.9%)、「父親」(51.2%)が不動の順位に。不動産会社を訪問し、そのまま「内見」(しかも複数のお部屋)というパターンが、最も多いのかもしれない。初めての一人暮らし、不動産会社訪問も内見も、「保護者同伴が当たり前」といえそうだ。
保護者同伴の物件見学、実は不安解消だけではないメリットもある。一人暮らしをする場合、入居者が未成年だと、保護者でなければ契約できないケースもある。このように不動産会社訪問〜見学まで、親と一緒に行うことで、うまくいけば申し込みまで一度に済ませられ、とても効率的といえそうだ。
さらに、一緒に内見に行ったのは「兄弟・姉妹」(9.4%)が微増で、「一人で行った」(8.4%)を逆転する結果に。内見のチェックポイントは、「部屋の広さ」や「セキュリティ」、「家電が配置しやすいか」など多数あるもの。たとえ一緒に住まないとしても、兄弟姉妹とともに見学し、「経験者の視点でアドバイスして」なんてケースもありそうだ。
兄弟・姉妹にとどまらず、祖父母や親戚、学校の友達、彼氏・彼女と一緒というケースも多い。確かに慣れない部屋探しなのに、一度に複数の物件を見学すると、記憶もごっちゃになってしまいがちで、「どの部屋だったかな……」「どの部屋も同じに見えてきて、選べない」なんてことにもなりがち。その点、兄弟・姉妹、親戚や友人、彼氏・彼女とともに見学していると、複数の視点で見てもらうことができ、その物件の特徴を整理しやすくなる。まだ一人暮らし経験のない学生からすると、経験者を交えることが、「スムーズな内見のコツ」といえるのかもしれない。
もちろん、不動産会社訪問と較べて少し減っているが、一人で内見する人もいる。心細く感じるかもしれないが、「一人のほうが集中できる」「気楽でいい」という人も多い。一人で内見を行う場合、スマホなどで積極的に撮影しておくのがよさそう。コンセントの場所、水まわりなど、部屋の内部はもちろん、外観、ゴミ置き場や郵便受け、自転車置場など、できるだけ記録しておくと、帰宅してから、比較検討しやすくなるし、親などにも見せて、アドバイスをもらいやすくなる。
一人で行くにしても、誰かと一緒にしても、内見時はとにかく気になったことをメモすること。特にニオイや日当たりといった情報は、現地に行かないと分からない。「帰ってからネットで調べよう〜」などと思わず、積極的に撮影&メモをして、実りのある「内見」にしよう。