前回、「家探しに利用した&役立った情報源」を紹介したが、そこで学校と並んで上位にきていたのが、「不動産会社の担当者の話」。不動産会社が超重要な存在なのは分かったが、実際には、何件くらい訪問すればいいのだろうか。不動産会社のハシゴはアリ? ナシ? 今回も先輩大学生のアンケートをもとに探っていこう。
なんとなく入りにくいイメージのある不動産会社。それでも、不動産会社を訪問しなくては、部屋探しは前に進まない。
今回、アンケートで「不動産会社は何件くらい訪問しましたか」と聞いたところ、48.6%とほぼ半数の人が1件訪れているよう。0件という人も16.6%いるが、これは大学生協や大学の紹介で住まいを決めているのかもしれない。
春に入学を控えていて、しかも今の住まいと進学先が離れていれば、時間がないことが多く、不動産会社を複数訪れている余裕はなさそうだ。それでも、2件訪問している人、3件訪問している人を合わせると28.7%にもなり、3人に1人は、複数の会社を訪問しているよう。確かに担当者や会社によって得意/不得意があること、相性などを考えれば、こうした複数ハシゴも十分アリといえそうだ。
少数派だが、5件以上の不動産会社を訪れている人もいて(1.9%)、7件8件とだんだんと減っていくが、なかにはなんと11件以上訪問した! という人も。納得のいく不動産会社に合えるまで、訪問を続けるツワモノといえそうだ。
一方で、内見(部屋を見学すること)した部屋の数でいうと、0物件(12.5%)という人もおり、住む部屋を見学ナシで決めている先輩もいるよう。また、なんと22.4%の人は初めて見た物件(1物件目)で決めている。
とはいえ、見学ナシ&1物件目で即決できる人は、全体から見れば少数派。毎日過ごす部屋は複数見学したい、という人のほうが多く、2物件見学した人が20.9%、3物件見学した人も22.8%にもなり、5物件6物件と見学している人も少なくない。
家探しを始めたばかりだと、「せっかく案内してもらったんだし、なんか断りにくい空気……」と感じることもあるかもしれない。しかし、先輩方は不動産会社も部屋も、複数見学して、しっかり比較検討している。焦って1物件目で決めることはなさそうだ。
また、気になるのが不動産会社の選び方。特に大学や専門学校が複数ある街だと、不動産会社も数多くあり、駅前は不動産会社ばかりなんてことも。みんな、どうやって不動産会社を選んでいるのだろうか。
なんと、半数近くは、「大学の近く」(49.3%)にある不動産会社を選んでいる。あわせて「利用したい駅の近くにあること」(21.9%)も上位に来ていることから、とにかく大学までアクセスしやすい場所、利用したい駅の近くにある不動産会社を選ぶ傾向にあるよう。さらに、「地元の情報に詳しいこと」(13.3%)で選んでいる人もいることから、「地域密着」「地元●●に強い」というクチコミなどを頼りに判断しているともいえる。
また、「手ごろな価格の物件が多いこと」(32.9%)や「紹介物件の情報が充実していること」(9.0%)を上げている人も多く、予算ありき、また学生向けの手ごろな部屋を数多く扱っている不動産会社も選ばれているようだ。
あわせて、不動産会社の規模や知名度、利用者の多さも、不動産会社を選ぶ基準になるようで、「大手不動産会社であること」(19.7%)、「多くの人が利用していること」(10.6%)、「CMなどで見たことがあること」(5.1%)を挙げている人も多数いる。確かに、慣れない部屋探しをしていると、「なんとなく知っている会社」というだけで、すごく心強い存在に見えてくるから不思議だ。
しかし、アクセスや物件の手ごろ感だけではなく、「店員の態度がいい」(14.5%)、「店の雰囲気がいい」(9.1%)、「地元の評判がよいこと」(6.6%)ときちんと不動産会社をチェックし見極めている人も。また、ダンドリのよい先輩になると、「インターネットで物件を検索した際に、気になった物件を管理している不動産屋さんであること」なんて人も。時間がないなかでの部屋探しは、こうした「ダンドリ」「下調べ」も大切になりそうだ。
以上をまとめると、先輩方の多くは、大学近くにある不動産会社を1~2件訪問し、複数の物件(3〜5物件ほど)を見て決めているということが分かった。入学まであまり時間はないものの、本命の大学の合格発表直後から動き出し、集中して見学しているようだ。
部屋選びは、実は不動産会社選びから始まっているともいえる。自分に合った不動産会社を選び、慣れない部屋探しを楽しくサポートしてくれる心強い味方になってもらおう。