中古住宅を購入してリフォームする際、購入価格とリフォーム工事費をまとめて借りられる住宅ローンがある。
まず、長期固定金利型の「【フラット35】リノベ」を紹介しよう。このローンは、中古住宅を購入して一定要件を満たすリフォームを行う場合、当初10年間、【フラット35】より0.5%(または0.25%)金利が引き下げられる。
●主な借入条件
床面積などが一定以上の中古住宅を購入して、「省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性」のいずれかにおいて、一定水準以上のリフォーム(性能向上リフォーム)を行うこと。なお、不動産会社等(住宅事業者)がリフォームした中古住宅を購入する場合も利用できる。
●主な費用
借入時には、融資手数料(金融機関により異なる)などがかかるが、民間の住宅ローンで必要な保証料はかからない。一方、一定水準に適合するリフォームを行ったかを確かめる『適合証明検査』や、中古住宅の検査と保証がセットになった『既存住宅売買瑕疵保険』の付保などが必要となり、それぞれに費用がかかる。また、中古住宅の残金決済(引き渡し)からリフォームをして適合証明検査が済むまでの間、『つなぎ融資』が必要なケースも多い。借りたお金を入手できるのは検査の後になるからだ。
●借入時のポイント
「【フラット35】リノベ」の利用を検討する場合、気に入った住宅が見つかったら、購入契約前に「条件に合うリフォームができるか」「リフォーム費用はどの程度かかるか」を確認しておきたい。このため、気に入った住宅が見つかったら、「リフォーム会社を同行しての見学」または「中古住宅の検査(インスペクション)」が受けられないか仲介会社に聞いて見よう。なお、【フラット35】の取扱金融機関でも、「【フラット35】リノベ」は扱っていないケースがある。こちらも事前に確認しておこう。
→【フラット35】リノベ
民間の住宅ローンにも、中古住宅の購入価格とリフォーム代をまとめて借りられる商品がある。融資額は購入者の年収や購入物件の担保評価額によって決められるが、融資基準は金融機関によって異なるため、複数に相談するのも一つの方法だ。中古住宅を購入してどんなリフォームがしたいか考え、目的に合った住宅ローンを選ぼう。