家が高くて買えないときはどうする?購入予算の見直しポイントを解説/住まいのお金・制度のマニュアル#6

公開日 2023年07月26日
家が高くて買えないときはどうする?購入予算の見直しポイントを解説/住まいのお金・制度のマニュアル#6
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「気に入った家が見つかったけど、購入予算より価格が数百万円高い…」。そんなとき、何とか予算を上げる方法はないものか? 将来の家計も考えた上で「予算アップ」する方法をアドバイスしよう。

方法1 親に資金援助してもらう

「住宅資金」を親からもらう

予算アップの方法として最初に思いつくのは住宅ローン借入額の増額だが、返済額が増えて家計に負担がかかることも。そんなときは、親に「住宅資金」の援助を頼むのも一つの方法だ。マイホームの購入や新築、増改築をするための費用を親や祖父母等からもらう場合、贈与額500万円まで贈与税がかからない制度が利用できる(※)。贈与税の基礎控除額110万円と合わせ、610万円の贈与までは贈与税がかからないのだ。

→詳しくは…住宅取得等資金贈与の非課税の特例

※最大500万円の贈与額まで非課税になるのは、一般的な住宅を取得する場合。省エネ性能・耐震性能・バリアフリー性能のいずれかが一定基準以上の住宅の場合、最大1000万円の贈与額まで非課税となる(2023年12月31日までの住宅取得が対象で、適用には一定の条件がある)

住宅ローンの代わりに親から「借りる」

「親から大金を援助してもらうのはどうも……」という人は、親からお金を「借りる」方法もある。ただしこの場合、無利息での借り入れや「あるとき払い」の返済では、贈与とみなされ贈与税がかかることも。借入条件をきちんと決めて借用書を交わし、定期的に返済することが大切だ。

■親から借りるときの注意ポイント
  • 借入条件(金利、返済期間、返済方法など)を決め、借用書を交わす
  • 借用書の条件通りに返済する
  • 返済は銀行振り込みなどにして、通帳に記録を残す

方法2 住宅ローン借入額を増やす

毎月返済額を増やせないか考える

家計を見直して毎月返済額を1万円増やせれば、借入額を約340万円増額できる(金利1.2%、35年返済の場合)。家計を見直し、普段何気なく払っているお金は本当に必要なものなのか、じっくり見直してみよう。特に節約効果が高いのは保険料や通信費だといわれている。

■節約効果が高い家計の見直しポイント

(1)生命保険料
生命保険の保険金額を万が一の場合の「住居費」も考えて決めているなら、その分減額できないか検討しよう。住宅ローンを借りて家を買うと、契約者の死亡や高度障害時にローン返済が免除される団体信用生命保険に入るケースが多く、住居費分はこの保険でカバーできるからだ。なお、契約変更の手続きは家の引き渡し後に行おう。

(2)通信費など
携帯電話の料金プランや、インターネットのプロバイダー契約の内容など、無駄がないか細かくチェックしてみよう。新聞や定期的に購読している雑誌なども、本当に必要なのか、また、もっと安く済む方法はないか、この機に見直してみよう。

(3)マイカー
車を手放せば、駐車場代やガソリン代、自動車保険料など、毎月数万円単位の節約が可能。最近は、気軽に車を借りられるシステムもあるので、車を持つ場合と必要な時に借りる場合の費用をシミュレーションしてみよう。

(4)嗜好品、外食費など
自動販売機やコンビニで購入するペットボトル飲料やタバコなどの嗜好品や、週末ショッピングで使ってしまうお金など、日常の何気ない支出が毎月いくらになるのか一度チェックしてみよう。例えば、1日1本の缶コーヒーをやめてマイボトル持参にするなど、節約できるポイントが見つかる可能性が高い。

ボーナス月の返済額を増やせないか考える

住宅ローンは年2回、ボーナス月などに返済額を増やすことができる。一般的に「ボーナス時加算」「ボーナス返済」と呼ばれる方法だ。例えば、ボーナス時加算額を5万円に設定すると借入額を約285万円増やせる(金利1.2%、35年返済の場合)。ただし、ボーナスの支給額は景気や会社の業績に左右されやすいので、ボーナス時加算額を多くしすぎるのは危険。ボーナスは最低の場合いくら程度になるのか会社の給与制度などを調べ、その場合でも余裕をもって返済できる金額にしておこう。

共働き夫婦なら、妻もローンを借りられないか考える

共働き夫婦の場合、将来妻が退職する可能性を考え、夫1人の収入で返せる分だけ借りるケースが多い。ただ、その借入額では欲しい家にあとちょっと手が届かないという場合、妻も住宅ローンを借りて予算アップする方法もある。ただし、将来子どもの誕生などで夫婦のどちらかが時短勤務を選択したり退職したりする可能性が高いなら、10年程度で完済可能な借入額にしておこう。

方法3 貯蓄を頑張って住宅資金を増やす

「引き渡し」までに貯める

新築マンションのなかには、引き渡しまでの期間が1年以上の物件もある。こういった物件なら、引き渡しまでの間に節約を重ね、住宅資金を増やすのも一つの手。例えば、引き渡しまで親の家に同居させてもらって家賃を節約する、妻も働いて収入を増やす、車を手放すなど、期間限定で資金を増やす工夫をしよう。なおこの場合、売買契約時点は住宅ローン借入額を多めにし、引き渡しの約1カ月前に行われる住宅ローン契約時に、借入額を減らす手続きをすることになる。もし、それまでに貯められない場合、借入額は減らせないので注意しよう。

数年かけて貯める

気に入った家にどうしても手が届かない場合、予算に合わせて家の条件を変えるか、または数年計画で貯蓄をしてから家選びを再スタートするか、どちらかの選択になる。後者の場合は、何年でいくら貯めるか具体的な目標を立て、貯蓄先は金利が低くても着実に貯められる定期預金や財形貯蓄などにしておこう。また、家を買う年齢が高くなると、ローン返済が老後の負担にならないように返済期間を短めにすることも考えなくてはならず、その分借入額が減るケースも多い。貯蓄計画を立てるときはその点も考えておこう。

住まいのお金・制度のマニュアル
  1. 5-1. 家を買う・購入手続きと費用
  2. 新築住宅を買うときの購入手続き、費用と支払時期を解説
  3. 中古住宅を買うときの購入手続き、費用と支払時期を解説
  4. 土地を買って家を建てるときにかかる費用と支払時期を解説
  5. 家のリフォーム・増改築の流れ、かかる費用と支払時期を解説
  6. 5-2. 家を買う予算(購入予算)を決めておこう
  7. マイホームの予算の決め方。住宅資金(現金)と住宅ローンから考えよう
  8. 家が高くて買えないときはどうする?購入予算の見直しポイントを解説
  9. 5-3. 住宅ローン、銀行の選び方・選択方法
  10. 住宅ローンは金利タイプに注意!固定型・固定期間選択型・全期間固定型の特徴
  11. 住宅ローンの種類とは?民間ローン、【フラット35】などの特徴を解説
  12. 融資実行日、決済日など、住宅ローンのチェックポイントを解説
  13. 5-4. 住宅に関する資金計画の立て方
  14. 住宅ローンの資金計画。返済額、金利タイプ、返済期間、住宅資金から考えよう
  15. 3000万の住宅ローンはどう返す? 利息・金利・期間から返済計画を建てよう
  16. 5-5. マイホーム・住宅購入後にかかるお金と節約テクニック
  17. 住宅ローン返済、固定資産税、都市計画税など住宅購入後にかかるお金
  18. 住宅ローンの繰り上げ返済とは。仕組みや事例を解説
  19. 住宅ローン控除のための確定申告とは。申告期間や流れ、必要書類など
  20. 5-6. 家を買う・購入する前に知っておきたい住まい関連の諸制度
  21. 印紙税とは。不動産売買契約や金銭消費貸借契約(ローン契約)時の注意点
  22. 登録免許税とは。課税対象や税率、軽減措置の要件について解説
  23. 不動産取得税とは。税額の計算方法や軽減措置の要件について解説
  24. 固定資産税・都市計画税とは。小規模住宅用地や一般住宅用地の軽減措置を解説
  25. 住宅購入時の消費税のポイント。課税されるのは建物部分、軽減措置を解説
  26. 住宅ローン控除とすまい給付金を解説。要件や手続き、控除率・限度額など
  27. 住宅購入資金の贈与のポイント。非課税枠の金額と要件、相続時精算課税など
  28. 買い替え時に使える、譲渡損失の繰越控除とは。住宅ローン控除との併用も
  29. 長期優良住宅とは。認定基準の概要、住宅ローン控除などの優遇措置を解説
  30. 低炭素住宅とグリーン住宅ポイント制度・次世代住宅ポイント制度とは
  31. リフォームで受けられる減税。リフォーム促進税制、住宅ローン減税など解説
  32. 定期借地権とは。地代・敷金・権利金・解体準備費用などのコストを解説
  33. リフォーム瑕疵保険とは。保険加入の流れや支払い対象などを解説
  34. 既存住宅売買瑕疵保険とは。保険加入の流れや支払い対象などを解説
  35. 瑕疵担保責任とは。契約不適合責任との違い、新築・中古それぞれの注意点
  36. 環境性能表示制度とは。評価項目や自治体ごとの独自制度を解説
  37. 住宅性能評価書とは。評価を受ける流れや評価されるメリットを解説
  38. 【フラット35】リノベなど、中古住宅購入+リフォームができる住宅ローン
  39. 【フラット35】Sとは。プラン・金利や利用できる住宅の性能基準を解説
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