住宅ローンの返済額は金利タイプ、返済期間、返済方法で変わる/マイホーム購入マニュアル#23

公開日 2023年07月26日
住宅ローンの返済額は金利タイプ、返済期間、返済方法で変わる/マイホーム購入マニュアル#23
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住宅ローンは「借金」。もちろん利息もつく。だからこそ少しでもオトクに、しかし無理のない返済ができるローンを選びたい。返済額を左右する要素をチェックしておこう。

返済額への影響が大きい「金利」

金利1%の差が総返済額に大きく影響

お金を借りれば利息がつく、これは当然のこと。住宅ローンの利息の金額を左右するのが「金利」だ。下の表のように、わずか1%の金利差が、長期の借入となる住宅ローンでは、返済額を大きく左右することになる。少しでも金利の低い住宅ローンを選びたいと考えるのは当然だ。

■金利による総返済額の違い
金利による総返済額の違い
※借入額3000万円、35年返済、元利均等、ボーナス時加算なし、返済期間中金利は変わらないとして試算

変動金利型を利用する場合は、金利上昇リスクに備えよう

変動金利型を利用する場合、金利上昇リスクに備える必要がある。現在のような低金利が続けば問題ないが、長い目で見れば、金利上昇がないとは言い切れない。金利が上がった場合でも支払っていけるか、一度計算してみよう。

■5年後に金利が上がった場合の毎月返済額の変化
5年後に金利が上がった場合の毎月返済額の変化
※当初借入額3000万円、35年返済、元利均等、ボーナス時加算なし
※1.25倍ルール(変動金利が上がっても毎月返済額の上昇は直前の返済額の1.25倍までというルール)は考慮せずに試算

「返済期間」が短いほど、総返済額がダウンする

返済期間が長いと、それだけ利息もかさむ

次に返済額に影響を与える要素が「返済期間」だ。現在は、最長返済期間を35年までとするローンが一般的。しかし、返済期間が長いと、利息がかさんで総返済額は当然多くなる。総返済額を抑さえたいなら、返済期間はできるだけ短いほうがよいのだ。

■返済期間による総返済額と利息の違い
「返済期間」が短いほど、総返済額がダウンする
※借入額3000万円、金利2.0%、元利均等、ボーナス時加算なしで試算

返済期間を短くすると毎月返済額は高くなる

返済期間を短くすると総返済額は減らせるが、下図のように毎月返済額は高くなってしまう。このため、返済期間を決めるときは、住宅ローンの返済が家計を圧迫しないよう注意が必要だ。なお、一般的に返済期間は1年単位で設定できる。下表では33年返済の毎月返済額を紹介しているが、この場合、総返済額は約4100万円で、35年のケースより58万円減らせる。

■返済期間による毎月返済額の違い
返済期間による毎月返済額の違い
※借入額3000万円、元利均等、全期間固定金利2.0%、頭金・ボーナス時加算なしで試算

さまざまな「返済方法」を検討してみよう

「元利均等払い」と「元金均等払い」

住宅ローンの返済方法には、「元利均等払い」と「元金均等払い」の2種類がある。元利均等払いは、毎月返済額のなかの元金と金利の割合を変えることで、返済額が一定になるもの(金利変動の場合は変化する)。元金均等払いは、毎月返済額のなかの元金の額を一定にするもので毎月返済額は、当初が最も高くどんどん下がっていくことになる。総返済額では、元金を早めに返せる分、利息が減り、元金均等払いのほうが低くなる。

<「元利均等払い」と「元金均等払い」のイメージ図>
「元利均等払い」と「元金均等払い」
■支払額の違い
支払額の違いイメージ図
※借入額3000万円、35年返済、全期間固定金利2.0%、ボーナス時加算なしで試算

「ボーナス時加算」を利用すべきか?

返済方法でもう一つ考えておきたいのが「ボーナス時加算」だ。ボーナス月に、毎月返済額にプラスして支払いを行う返済方法で、その分、返済期間を短縮したり、毎月返済額を低くすることもできる。しかし、ボーナス時返済を多くし過ぎると、万が一ボーナス支給額が減った場合、返済が苦しくなることもあるので、無理のない金額にすることが大切だ。

将来イメージと金利動向で「自分にとっての買い時」を判断

「今買っていいのか?」という不安は常につきまとう。そんなときは、自分たちの「理想の暮らし」という原点に戻ってみよう。マイホームを買うと決めていて、例えば「子どもが小学校までには」と考えているなら、景気の回復を待っている余裕はないかもしれない。結局のところ、何十年も先の金利動向を誰も正確には予測できないので、目先の動きに惑わされず、自分たちのタイミングを重視するほうが賢明と言えるかもしれない。今買いたいなら、今あるなかでよりオトクな住宅ローンを選び、賢く返済する方法を考えるほうが現実的だろう。

マイホーム購入マニュアル
  1. 2-1. 理想の暮らしから物件を選ぼう
  2. 不動産の種類とは。一戸建てvsマンション、新築vs中古のポイント
  3. 家の購入で迷ったら、「理想の暮らし」「譲れないポイント」を見直そう
  4. 2-2. 「買える金額」を見極めよう
  5. 家を買う時にかかる費用。住宅購入費以外の「諸費用」の内訳や目安など
  6. 年収からわかる住宅ローンの目安。無理なく月々支払える金額を見極めよう
  7. 家の購入予算を上げるには。住宅ローン、頭金、マネープランなどを解説
  8. 2-3. 信頼できる不動産会社の選び方
  9. 不動産会社の種類、取引形態(売主・販売代理・仲介)や物件タイプを解説
  10. 不動産会社との付き合い方。売買手続き、住宅ローン、エリアの相場など
  11. 2-4. マイホーム購入の基本ダンドリ
  12. 住宅購入の流れ。情報収集~購入後の確定申告までをポイント解説
  13. 新築マンション購入の流れ。情報収集~購入後の確定申告までをポイント解説
  14. 新築一戸建て購入の流れ。建売住宅と注文住宅の違いも解説
  15. 中古マンション・中古一戸建ての購入の流れ
  16. 中古住宅を購入してリフォームする流れ。同時進行のコツや物件選びなど
  17. 2-5. 物件情報収集のポイント
  18. 不動産の情報収集のコツ。不動産情報サイトで検索をうまく使おう
  19. 物件探しからの問い合わせ・資料請求・内見申し込みの流れ
  20. 不動産取引価格情報検索で、実際の売買価格を調べよう
  21. 2-6. マンション、戸建て等の物件&現地見学のポイント
  22. 物件(モデルルーム)見学のチェックポイント。服装・持ち物なども解説
  23. 物件(モデルルーム)見学、間取り・設備・敷地のチェックポイント
  24. 物件(モデルルーム)見学、周辺環境でチェックすべきポイント解説
  25. 物件(モデルルーム)見学のチェックポイントを物件タイプ別に解説
  26. 物件(モデルルーム)見学後の仮押さえ、売買条件交渉などの流れ
  27. 2-7. 住宅・家購入におけるローンの選び方・基礎知識
  28. 住宅ローン、民間融資・公的融資・協調融資(【フラット35】)の違い
  29. 住宅ローンの金利タイプとは?固定金利型、変動型、固定期間選択型を解説
  30. 住宅ローンの返済額は金利タイプ、返済期間、返済方法で変わる
  31. 住宅ローンの事前審査・本審査の必要書類と契約までの流れ
  32. 住宅ローン控除とは。適用条件、期間、控除金額の上限など
  33. 2-8. 申し込みから契約までの流れ
  34. 売買契約の準備と売買契約書の確認ポイントとは
  35. 重要事項証明書で事前に確認すべきポイント
  36. 物件購入の申し込み(購入予約)とは。キャンセルはできる?
  37. 2-9. 内覧会から入居までの流れ
  38. 入居後に不具合がわかったらどうする?トラブル防止のポイント
  39. 住宅の引き渡しから入居までの流れや注意点とは
  40. 内覧会のチェックポイント・流れ・持ち物とは
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