土地探しの相談先の選び方。ハウスメーカー・工務店・不動産会社の特徴/注文住宅・土地探しマニュアル#17

公開日 2023年07月26日
土地探しの相談先の選び方。ハウスメーカー・工務店・不動産会社の特徴/注文住宅・土地探しマニュアル#17
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初めての土地探し。土地に関する知識がない分、プロに相談したくなるもの。注文住宅を建てる土地探しのプロは大きく分けて、建築会社(ハウスメーカーや工務店)と不動産会社だ。今回は、それぞれの特徴、メリット・デメリットと合わせて、相談しやすいプロを見分けるポイントを紹介していく。

注文住宅を建てるための土地の相談先

大きく分けて「不動産会社」と「建築会社(ハウスメーカー・工務店)」の二つ

土地を探すときは不動産会社に依頼し、物件情報を提供してもらったり、一緒に土地を見て回ったりするのが一般的だ。ただ依頼先の建築会社が決まっている場合は、その会社に土地探しを手伝ってもらう方法もある。建築会社によっては土地の仲介を行う部署が社内にあったり、グループの不動産会社などと提携していたりする場合も多いので、あらかじめ希望を伝えておけば、情報が出てきた段階で、土地情報を紹介してくれるケースもある。

ハウスメーカーなど建築会社に土地探しのサポートしてもらう最大のメリットは、ややこしい土地の規制なども踏まえてプロの視点が得られる点。希望する家が建てられる条件の土地かどうかをすぐに判断してもらえる。特に予算内で土地購入と住宅建築の両方が実現できるかどうかの判断は、施主自身や不動産会社だけでは難しいだけに、魅力的だ。さらに土地分も含めた住宅ローンの手続きについても、建築会社がダンドリしてくれればその後の手続きがスムーズになり、入居タイミングなど、より希望に合った家づくりにもつながる。

また、一般的に三角形や旗竿の形、崖地や法地(のりち)など、変形地といわれる土地は敬遠しがちなもの。でも注文住宅のプロに見てもらえば、土地の形や条件と希望をうまくマッチさせた家が実現することもある。注文住宅の醍醐味の一つである「オンリーワン」の家も夢ではないだろう。さらにこうした変形地は、一般的に同じエリアの整形地(長方形や正方形のきれいな形の土地)よりも割安になることが多いので、自分がかなえたいプランが実現可能か確認したうえで検討してみるのも良いだろう。

<土地探しの相談先の特徴>
■建築会社(ハウスメーカーや工務店)
  • 建てられる建物がわかる
  • 土地購入と建物相談の窓口が一本化するので手続きがスムーズ
  • 建てられる会社が決まってしまうことが多い
■不動産会社(大手)
  • 更地、古家付、建築条件付きなど多彩な土地情報をもっている
  • 全国にネットワークがあることが多いので、さまざまなエリアの土地情報を得られる
■不動産会社(エリア特化)
  • 更地、古家付、建築条件付きなど多彩な土地情報をもっている
  • 地元のコネクションが強く、地元の地主などから公開前の土地が早く見つかることも

ハウスメーカーに土地探しを相談するメリットと注意点

ハウスメーカーのメリット

ハウスメーカーに土地探しを依頼した際のメリットは、希望通りの建物を建てることが可能な土地を探してくれることだ。土地だけを単独で探した場合、実際にその土地に家を建てようとしたとき、建築制限に引っかかって希望通りの建物を建てられないというケースがよくある。しかし、ハウスメーカーに土地探しを依頼すると、最初にどのような家を建てたいのかを相談でき、エリアや広さだけでなく、どんな家を建てたいのか、土地と建物トータルの予算はいくらくらいかということを踏まえたうえで探してくれる。土地だけを探した場合、土地が予算内に収まっていても、希望通りの家を建てようと思ったら建物が予算内で収まらない場合もあるため、トータルの予算で動いてもらえる点はメリットになる。

また、これから造成する土地なども選択肢に入るため、希望に合う土地が見つかる可能性が高くなることもある。土地購入と建築を同じ会社でできるため、住宅ローン窓口を1本化できるのもメリットだ。

ハウスメーカーのデメリット

注意点としては、紹介される土地の種類は建築条件付きが多くなりがちなこと。ハウスメーカーは自社で建てるために土地を探しているケースがほとんどなので建築まで含めた提案をしてくることが自然だからだ。もちろん建築条件付きの土地でなければ、建築依頼は必須ではないのだが、そこまで動いてもらって断りにくいということがある。この会社で絶対に家を建てたい!という希望があるのならば相談しておきたい。

大手不動産会社に土地探しを相談するメリットと注意点

大手不動産会社のメリット

メリットは、更地から建築条件付き土地まで、多彩な種類の土地を取り扱っていること。また、全国規模で拠点を設けていることが多いので、エリアをまたいだ土地の提案も可能。例えば通勤利便性を重視する場合、沿線、エリアを変えた土地探しができ、今まで考えていなかったエリアの中から、希望に沿う土地を紹介してくれる。

現在住んでいる物件を売却し、売却益を元手に新居を購入したいという場合も、全国各地の顧客がいることで、早期売却が実現しやすいし、ワンストップで対応してもらえるので負担も減る。

大手不動産会社のデメリット

注意点は、いくらまでの予算を土地購入に充てることができるのか、いつまでに入居したいのかをできるだけ明確にしないと、情報量が膨大で取捨選択することが難しくなってくるということ。特に土地の予算が決まっていないと、なかなか不動産会社も提案しにくくなる。結果、希望の土地情報までにたどり着くことができなくなってしまう。

エリア特化の不動産会社に土地探しを相談するメリットと注意点

エリア特化の不動産会社のメリット

地元情報をよく知っているので、希望エリアの住環境を含めた土地情報が手に入れられたりする。ちなみに公開されている土地情報は大手、エリア特化とも大きな差はない。これは全国の不動産業会社が物件情報を共有するネットワークシステム「レインズ(不動産流通標準情報システム)」に登録された情報を取り扱うからだ。大手と違うのは、例えば子どもの進学先などの事情で、特定のエリアにこだわって家探しをしたい、実家の近くがいいなど、住みたいエリアが決まっている場合に力になってくれやすい。人通りや車の通行量の多さ、学校の特徴など地元だから知りえる土地情報も手に入りやすいだろう。

さらに、地元のネットワークが強いので、そのエリアの地主など土地を持っている人と懇意にしていることもあり、そうした人が土地の売却を検討していれば、いち早く情報をもらえるなども特徴だ。

エリア特化の不動産会社のデメリット

注意点は、大手不動産会社と同じく、土地の予算や入居時期などが具体的になっていないと取捨選択がしにくい点。また、その会社が強みとしているエリア以外の情報は比較的少ない点だ。

■土地探しの依頼先別 メリット・デメリット
ハウスメーカー
メリット ・希望通りの建物を建てることが可能な土地を探してくれる
・土地と建物トータルの予算から探してくれる
・土地、建物のローンを一本化しやすい
デメリット ・建築条件付き土地の提案が多いので、建てる会社を選べないこともある
不動産会社
メリット ・多様な種類の土地情報を提案してくれる
・周辺環境の情報も持っている
・インターネットサイトに掲載される前の土地情報が得られることも
デメリット ・予算、入居時期など条件が具体的でないと、希望に沿った土地に巡り合いにくい

どこに相談するにせよ、相談する会社がもっている情報の種類が違うので、複数の会社に相談しつつ、自分でも探すことがより希望の土地に巡り合える可能性を高めてくれるだろう。

土地探しのプロを探すポイント

親身になった対応力があるかどうか

どうしたらより自分たちに合った土地探しの『プロ』を見分けられるのか。それは、親身になって相談に乗ってくれる、情報提供が早い、相談後の情報提供が多いなど対応力がポイントになる。

ハウスメーカー、不動産会社とも不動産のプロの目線で、「この土地は整形地でないので、建築プランに配慮が必要になるかも」「周辺環境が変わることもある場所です」など、良い面だけでなく懸念点も伝えてくれる会社がより信頼できるといえるだろう。

同じ条件の土地を複数、さらに希望のライフスタイルを加味して、想定になかったエリアの土地なども紹介、提案してくれると視野が広がり、希望に近づく土地購入ができることもある。もちろん、予算に合わせて、無理な契約を勧めてこないなどもポイントだ。

注文住宅・土地探しマニュアル
  1. 3-1. 家・土地の購入から入居までの基本の流れ
  2. 注文住宅と建売住宅の違い。費用・流れ・間取り・期間を比較
  3. 注文住宅を建てる流れと期間。土地探し・会社選びから完成までのポイント
  4. 注文住宅建築の情報収集のコツ。情報誌・インターネット・住宅展示場など
  5. 注文住宅の購入予算を試算する方法。年収や頭金などポイント解説
  6. 注文住宅の間取りの決め方。理想の暮らしやマネープランから考えよう
  7. 注文住宅のための土地探しのコツ。建てられる家の広さの計算方法も解説
  8. 注文住宅を建てる会社の選び方。ハウスメーカー・工務店・設計事務所の特徴
  9. 注文住宅を建てる費用と支払時期まとめ。住宅ローン、つなぎ融資も解説
  10. 3-2. 家・土地の購入にかかる費用と資金計画のたて方
  11. 土地・注文住宅を購入するのに必要な費用と支払いタイミングを解説
  12. 年収別・借りられる住宅ローン額と住宅購入金額の目安
  13. 費用別・建てられる注文住宅のプラン解説。費用を抑えたい場合のポイント
  14. 住宅購入にかかる頭金・手付金とは。金額の目安と支払いタイミング
  15. 頭金とは。目安の金額や頭金ゼロで購入する場合の注意点などを解説
  16. 3-3. 家・土地探しの前に、理想の家・暮らしを考える
  17. 注文住宅を建てる前に家族で相談すべきこと。理想の暮らしとライフプラン
  18. 家族タイプ別おすすめ間取り。通風遮光・収納・家事動線など公開しない間取りポイント
  19. 3-4. 住む場所や土地探しのポイント
  20. 後悔しない土地探しのチェックポイント。依頼先の選び方、事前準備など
  21. 土地探しの相談先の選び方。ハウスメーカー・工務店・不動産会社の特徴
  22. 土地購入の流れとは。売買契約から登記までの手続き・必要書類・注意点
  23. 土地の売買契約書のチェックポイントとは。必要書類や契約前後の流れも解説
  24. 土地の価格相場とは。4種類の土地価格の調べ方や、相場を左右する要素など
  25. 3-5. ハウスメーカーや工務店など、家を建てる会社の選び方
  26. 注文住宅の建築会社。ハウスメーカー・工務店・設計事務所それぞれの特徴
  27. 失敗しない建築会社選び。事前に決めておくことや見極めポイントとは
  28. 注文住宅の工法・構造の種類と特徴。建築会社選びの前に決めておこう
  29. 3-6. 間取りや設備など、家を設計する時のポイント
  30. 実例付き・使いやすい間取りの考え方。動線やゾーニングなどポイント解説
  31. 失敗しない間取り解説。二世帯住宅、3階建て、狭小地などケーススタディ
  32. 注文住宅の設備・オプションの選び方。後悔ポイントを知って正しく選ぼう
  33. 省エネ・エコ住宅の補助金や優遇制度とは。ZEH・高断熱・高気密なども解説
  34. 地震に強い家を作る!構造(免振・制震・耐震)、地盤、基礎のポイント解説
  35. 3-7. 注文住宅における契約の流れや注意点
  36. 注文住宅の工事請負契約とは。契約書類の確認ポイント、トラブル事例など
  37. 注文住宅の契約を解除するときの流れ。返金・違約金や注意点を解説
  38. 注文住宅購入時の契約の流れ。各段階の必要書類とダンドリを解説
  39. 住宅完成保証制度とは。保証の対象と限度額、手続き方法などを解説
  40. 3-8. 住宅ローンを決める時に知っておくべきこと
  41. 住宅ローンの種類と特徴。公的融資と民間融資の違い、金利プランなど解説
  42. 住宅ローンの借り方。銀行、ローン専門の金融機関の特徴を解説
  43. 新築購入時にかかる税金と優遇制度。住宅ローン控除やすまい給付金など解説
  44. 3-9. 着工後、家が完成するまでにやるべきこと
  45. 注文住宅の着工から完成までの流れ。各段階のポイントを解説
  46. 3-10. 新居の引き渡し後にすること
  47. 新居引き渡しの準備・必要書類と当日の流れ。トラブル防止のコツも解説
  48. 新居への入居前にやるべきこと。引越し準備や各種手続きの流れを解説
  49. 入居後にかかる税金と軽減制度とは。住宅瑕疵担保責任と保証制度も解説
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取材・文/山口俊介
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